「裸エプロンの漁師」がウルトラレアカード!? 青森県庁が真剣に取り組む「漁師トレカ」とは
地元水産物の知名度向上を目指す「あおもりの肴」企画に取り組む、青森県庁水産振興課を取材しました。
「青森の裸エプロン漁師トレーディングカード」と呼ばれる、インパクトの強烈なトレカがネットでじわじわと注目を集めています。制作したのはなんと青森県庁で、「どうした青森」「攻めすぎ」「欲しくない人がいるだろうか」などと大好評です。
話題のきっかけは、青森県観光物産館の地場産品ショップ「青森県地場セレクト」の公式Twitter。同アカウントが紹介したUR(ウルトラレア)カードでは、素肌に漁業用カッパを身に着けた漁師がニッコリ笑い、大物を釣り上げそうな雰囲気を醸し出しています。
カードのレアリティはURとSSR(スーパースペシャルレア)のみ。URは全て漁師、SSRは全て漁協職員などの漁業関係者と区分されているのですが、SSRの男性もURに負けず劣らずたくましく、素人目にはまるで区別がつきません。★5と「強い★4」しかいない世界なんだな。
全てにキャッチフレーズの「人と人、酒と肴(さかな)、つなぐ青森。」が記されたカードは、青森県庁の企画「あおもりの肴」の一環で生まれたもの。一般販売はなく、イベントで配布されています。編集部は企画を主導する青森県庁水産振興課を取材し、詳細を聞きました。
「おいしい魚を獲るには鍛えられた肉体も必要」と伝えたい
―― まず「あおもりの肴」の趣旨を教えてください
青森県庁 青森県産水産物の知名度向上と消費拡大を目的とした企画です。「酒と肴」は訴求力の強い言葉だと考え、魚介と相性の良い青森の地酒とともにPR活動を行っています。日本酒の会などの青森食材イベントでは、県庁職員による解体ショーをこれまで82回開催しました。
ほかにも、漁業者と一緒に食品スーパーで直接販売する「あおもりの肴フェア」を毎月開催するなど、青森の魚を知り、食べてもらおうと活動しています。
―― 企画はいつごろから始まったのでしょう
青森県庁 平成29年度(2017年度)の4月から、庁内ベンチャー(※)を活用した県の事業として実施しています。仕事で浜まわりをしている際、漁師から「魚が安い。なんとかならないか」とよく言われたのがきっかけです。そこから、青森の魚の価値と価格を高めるため、付加価値が付けられ、知名度を上がり、漁業者がもうけられる場所を作りたいとの思いで提案されました。
―― 漁師さんをトレーディングカード化したのはなぜですか
青森県庁 企画のために、もともと上半身裸の漁師をモデルに起用し、青森の魚と地酒を組み合わせたパンフレットやポスターを作成していたんです。これを解体ショーなどPRの場で掲示していたところ、ポスターが欲しいという女性が多く、要望に対応するためトレーディングカードの形をとりました。
―― なぜ「裸エプロン」なのでしょう?
青森県庁 「裸エプロン漁師」という言葉は、ポスターやパンフレットを見た方がTwitter上で作り出した言葉で、我々が意図したものではありません(笑)。青森のおいしい魚を獲るためには、漁師の鍛えられた肉体も必要だと伝える意味と、とりあえず、青森の魚に興味を持ってもらうきっかけになればという思いがあって、インパクトを与えるため漁師に上半身脱いでもらいました。ちなみに、正式にはエプロンではなく、「『漁業カッパ』『水産カッパ』を着た上半身裸漁師」のカードです。
―― カードは何種類でコンプリートになりますか?
青森県庁 2019年の12月から作り始めて、現在9種類です。業者に発注しているものではなく、県庁職員による手作りのため、大量生産はできません。ポスターのモデルは30人ほどいるので、これから少しずつ増やしていく予定です。
―― カードはどうすれば入手できますか
青森県庁 先ほどお話した解体ショーなどのイベントで配布しています。イベント情報については、「あおもりの肴」Facebookページなどでお知らせしています。
ほかにも、クックパッドで500以上の魚介レシピを紹介したり、YouTuber「実験道場」とのコラボレーションで動画を配信したりと、意欲的にPRへ取り組む「あおもりの肴」企画。Twitterでの盛り上がりがきっかけで大きな反響があり、ポスターやパンフレットを置きたいといった問い合わせや、取材申し込みを多数受けているとのことでした。
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国宝だからね。
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