「あなたは香川県民ですか?」→60分で強制終了 バカゲー「マッチョGoGoGo」がホントに“香川対応”するブラックジョーク
たぶんネット・ゲーム依存症対策につながらないオチもキレてる。
2020年4月1日は、世界的にはエイプリルフール。そして、香川県では「ネット・ゲーム依存症対策条例」が施行される日。同日に向けて、スマホゲーム「マッチョGoGoGo」にウソみたいなホントの機能「KAGAWA LIMIT」が実装予定です。ゲームを起動すると「あなたは香川県民ですか?」という質問が現れ、Yesと答えると「KAGAWAモード」が起動。通算起動時間が1時間に達すると強制終了されます。
ネット・ゲーム依存症対策条例は、前文によると香川県内の子どもの「ネット・ゲーム依存症」対策などを目的とした条例。子どものゲームプレイは「平日60分まで」といった“時間制限”(※)をはじめとした内容が全国的な議論を呼ぶなか、3月18日に可決されました(関連記事)。
※パブリックコメントの反対意見を受けた「ご意見等に対する考え方」によれば、このような“時間制限”は「家庭におけるルールづくりの『基準』と規定していた」もの。家庭での話し合い、ルール作りなどに重点を置くとしており、「こうした考え方を明確にするため」に「基準→目安」など一部文言の修正が行われました
またもう1つ、素案の段階から批判の的となっていたのが同条例第11条。ゲームメーカーなどに対して「(香川)県民のネット・ゲーム依存症の予防等に配慮」「県民のネット・ゲーム依存症対策に協力」するよう求める内容になっており、ネット上では「県外の事業者にまで影響が及ぶ」「法的/技術的/コスト的に考えて問題があるのではないか」など懸念の声があがっていました。
こういった背景から“ゲームメーカーら事業者側の対応案”としてブラックジョークのように語られるようになったのが、「利用前にユーザーに対して『あなたは香川県民ですか?』と聞く → 香川県民だったら60分経過した時点で強制終了する」というもの。そして、このアイデアをそのまま実装したものが「マッチョGoGoGo」の、香川県民だけ「1日60分」で強制終了されてしまう「KAGAWAモード」です。
開発元であるクアッドアローに話を伺ったところ、同社は「『どんなことでも過剰にのめり込んだら害がある』という意味ではゲームにも害はありますね。しかし議員が“おれ頑張ったアピール”するために作ったとしか思えないザルみたいな条例では何も解決しないでしょう。もっと議論を深める問題提起をするために今回のモードを実装して世に問うてみました」とコメント。
KAGAWAモードには「休日のプレイ時間上限は90分が目安とされているが、それに対応できない」「香川県内の子どもだけでなく、大人にまで制限がかかる」といった問題点もあるのですが、ネット・ゲーム依存症対策条例に対するパブリックコメントでも「(同条例は)県民全員にネット・ゲームの時間制限を行うよう求めているように見える」という指摘があり、むしろ同条例に対する戸惑いをストレートに反映したシステムになっている、といえるかもしれません。
より本質的な問題を指摘するなら、そもそも「マッチョGoGoGo」はスマホゲームによく見られる“放置ゲー”であり、「マッチョにさせたい筋トレを選ぶ → たまに筋肥大の具合を確認する」というのが基本的なプレイだということ。サクッと遊べるタイトルのため、1日60分のプレイ時間制限があってもゲームの楽しみを奪われることはなさそう。
もっと言うと、同作は筋肉が無限に大きくなっていく仕様になっており、同じ筋トレを続けてしまうと身体の一部だけムキムキになり、いびつなマッチョに仕上がってしまう“バカゲー”。何だったらうっかり放置し過ぎたくらいの方がシュールな絵面を見られますし、ネット・ゲーム依存症対策条例を受けて実装されたKAGAWAモードが、ネット・ゲーム依存症対策につながる可能性も低そう。……というか、「スキマ時間でポチポチ遊べるおバカなゲームに、おバカな要素が増えただけ」なんじゃないかこれ。
クアッドアローによれば、KAGAWAモードはエイプリフール企画ではなく「当面はそのまま」搭載し続ける考え。「次のバージョンアップの機会になくなるかもしれませんが、そもそも次のバージョンアップの予定がありません」とのことです。
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