【新型コロナ】一斉休校で消えた授業時間はどうカバー? 教室で「3密」は避けられる? 現役中学教員に聞く“4月以降の影響”(1/2 ページ)

そもそも「4月から授業や部活が再開できるかどうか」もよく分からない状況ですが……。

» 2020年03月30日 17時56分 公開
[ねとらぼ]

 新型コロナ感染拡大防止のため、全国の小中学校に対して、突然の一斉休校要請が行われたのは、卒業シーズン目前の2月末のこと。あれから約1カ月が過ぎ、いよいよ入学シーズンが迫ってきました。今回は現役中学教員Aさん(匿名)に「新型コロナがもたらす“4月以降の影響”」についてインタビュー。



突然の休校で「全部吹っ飛んじゃった」

―― 2月末、全国一斉休校の要請発表があったときのこと覚えてる?

 2月27日、18時半くらいだったかな。テレビをつけていたら、CMに入る直前に「安倍首相が臨時休校を要請」みたいな速報が入ってきた。「教員には事前に知らされていたのでは」といぶかしがる保護者や生徒もいるんだけど、俺もニュースで知ったんだよね。

 ちょうど自宅で子どもの世話をしているところだったから番組をちゃんと見てなくて、最初は「北海道の感染者が増えているらしいから、北海道の学校が対象かなあ」と思った。で、CMが明けたら……。

―― まさかの全国一斉休校

 たまげたよね。その日の夜はアレコレ考えてしまって、ほとんど寝られなかった。

 うちの学校は学年末テストの真っ最中で、翌28日は部活の朝練もなかったんだけど、どの先生も職員室に来るのが早かった。本当に休校になるのかどうか、みんな気になっていたんだと思う。

―― その後の影響で盛んに報じられていたのは……卒業式の縮小開催かな

 うちの学校の卒業式は「取りあえず形だけやりました」みたいな感じになっちゃったよ。卒業式ができなかった学校もあったらしいから、開催できただけでも御の字かもしれないけど……何にせよ、今年の卒業生はかわいそうだと思ったよ。

 それから、うちの学校の場合「3年生を送る会」が中止になった。

 その名の通り“在校生たちが3年生を気持ちよく送り出してあげる”的な行事なんだけど、クラスの垣根を越えて各学年でまとまる機会だから、1、2年生にとっては“次年度のクラス替えの下地作り”という意味合いもあるんだよね。

―― 「卒業シーズン」というけど、在校生にとっても意味のある時期なのか

 それから、3月は学年の終わりに差し掛かっていて、先の予定まで考えながら動く必要がないから、教員側にとっては“生徒のことがしっかり見られる時期”でもあるんだよね。だから、「最後に、どうやってクラスの一人一人と向き合うか」「どれだけ良い形でこのクラスを終わらせるか」と考えるものなんだけど……。

 そういうのも、あの休校で全部吹っ飛んだ。いきなりクラスが解散する形になっちゃったから、気持ちの整理がつかなかったよ。

一斉休校で消えた“3月の授業時間”をどう補うのか



―― 一斉休校は4月以降にも影響しそう?

 学習面で不安なのは「3月に勉強する予定だったところをどうやってカバーするか」。1カ月分の授業時間がゴッソリなくなってしまったからね。

 例えば、3月に学習する予定だった内容を、先送りして4月の授業で教えればいいのか。4月は4月で学習すべきことがある。

 では、授業がない夏休み期間を利用すればいいのか。前にも話したけど、この時期は部活の大会、三者面談、家庭訪問……など教員は予定が詰め込まれている。

 つまるところ、時間がないんだよね。

―― じゃあ、どうすれば埋め合わせできると思う?

 俺なりに考えてみたんだけど、「平日の授業を1コマずつ増やす(週換算で5コマ)」という手はあるかもしれない。通常は行われない“7時間目の授業”をやる必要があって、教員の勤務時間ギリギリまで授業を詰め込むような感じになってしまうけど。

 単純計算だけど、仮に“消えた3月の授業時間”が20日分だとすると……2学期くらいまでこのスケジュールを続ければ、休校分の埋め合わせできることになるのかな。

―― 1週間で5コマ、つまり約1日分の授業時間しか補えないから、けっこう時間がかかるね

 でも、4月以降に学校が再開できるかどうかもよく分からないからなあ。休校期間が伸びた場合は、どうすればいいんだろう。……さっきの“平日の授業1コマ追加”に加えて、土曜日にも授業を行うとか?

 この場合は、教員に休日出勤を求める形になるから「振替休日をどうやって用意するのか」「それとも、休日出勤分の手当てを出すのか」といった問題まで発生するかも。

―― 逆に「授業時間の一切埋め合わせをしない」という選択肢はある?

 その場合は「特別法を出して、授業数が足らなくてもよいことにする」とか、「この年代に限って、高校入試などの出題範囲を狭める」とか。何にせよ、対応が必要になるはずだよ。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2412/15/news031.jpg ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. /nl/articles/2412/14/news019.jpg ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. /nl/articles/2412/17/news163.jpg 柄本佑、「光る君へ」最終回の“短期間減量”に身内も震える……驚きのビフォアフに「2日後にあった君は別人」「ふつーできねぇ」
  4. /nl/articles/2412/17/news060.jpg 100均のファスナーに直接毛糸を編み入れたら…… 完成した“かわいすぎる便利アイテム”に「初心者でもできました!」「娘のために作ってみます」
  5. /nl/articles/2412/17/news049.jpg 「品数が凄い!!」 平愛梨、4児に作った晩ご飯に称賛 7品目のメニューに「豪華」「いつもすごいなぁ」【2024年の弁当・料理まとめ】
  6. /nl/articles/2412/16/news079.jpg “プラスチックのスプーン”を切ってどんどんつなげていくと…… 完成した“まさかのもの”が「傑作」と200万再生【海外】
  7. /nl/articles/2412/17/news144.jpg 「私は何でも編める」と気付いた女性がグレーの毛糸を編んでいくと…… 「かっけぇ」「信じられない」驚きの完成品に200万いいね【海外】
  8. /nl/articles/2412/17/news183.jpg 「秋山さん本人がされています」 “光る君へ”で秋山竜次演じる実資の“書”に意外な事実 感動の大河“最終回シーン”に反響 「実資の字と……」書道家が明かす
  9. /nl/articles/2412/17/news033.jpg セリアのふきんに、糸で“ある模様”を縫っていくと…… 思わずため息がもれる完成形に「美しい」「やってみます」
  10. /nl/articles/2412/16/news082.jpg これはヤバい! おでんに入れる“意外な具材”が100万再生の反響 「今度やる!」「天国はここにあった」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
  2. ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
  3. フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
  4. 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
  5. 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
  6. 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
  7. 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
  8. ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
  9. 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
  10. セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  2. 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
  3. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  4. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  5. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  7. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  8. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」