ニコラップの先駆者“らっぷびと”はなぜネットにラップを投稿したのか 1曲の投稿きっかけに人生が変わった瞬間:ニコスターインタビュー(1/3 ページ)
らっぷびと誕生の陰には伝説のサイト「歌詞→HIPHOP系」の存在がありました。
“ニコラップ”文化の先駆者として知られるラッパー・らっぷびとさんをインタビュー。なぜ彼はネットにラップを投稿し始めたのか。1曲の投稿をきっかけに人生が変わった瞬間を振り返りつつ、コロナ禍でのアーティスト活動などを語ります。
アクエリアス30本でGETしたチューナーきっかけにラップにのめりこむ
らっぷびとさんが初めて「ラップ」と出会ったのは小学生のころ。流行していたEAST END×YURIの「DA.YO.NE」を耳にしたことでした。
「当時はコミックソング的な扱いだったこともあり、ラップに興味を持たなかった」というらっぷびとさんですが、日本語ラップにどっぷりハマったきっかけは、意外にも中学3年生ごろにコカ・コーラ社が行っていた懸賞だったと振り返ります。
「『アクエリアス30本で応募できる!』というような懸賞があって、『スカパー!』のチューナーが当たったんです。そこから衛星放送の音楽番組をよく見るようになったのですが、印象に強く残っているのは、RIP SLYMEの『ONE』という曲のMVです。当時はちょうどKICK THE CAN CREW、RIP SLYME、KGDR(キングギドラ)といったHip Hopグループがチャートにランクインし始めたころで、ポップでキャッチーな曲があったり、クラブ的なカッコイイ曲があったりという幅の広さや、ラップミュージックの“言葉を詰め込む”というスタイルに興味を持ちました」とらっぷびとさん。
高校に入ると授業そっちのけでリリックを書き始めたと言い、同じくラップにハマっていた中学時代の友人と歌詞を見せ合うようになりました。
ネットラップ黎明期を支えた伝説のサイト「歌詞→HIPHOP系」
――ネットにラップを投稿し始めたきっかけは何だったのでしょうか。
らっぷびと:僕が高校生のころというと、日本ではまだラップが流行っていないというか、認知されていないという雰囲気だったんです。それにラップミュージックのCDを買っても歌詞がついていないという場合もそこそこあって……。
――そんなことがあったのですか! つまり歌詞は聞き取るしかないということですね……。
らっぷびと:そうなんです。それでも「どうしても歌詞が知りたい!」と思い、高校入学前後に買ってもらったPCで歌詞を検索するなかで出会ったのが「歌詞→HIPHOP系」でした。「歌詞→HIPHOP系」は、当時のラップミュージック好きが必ず行きつくサイトで、先ほどお話したような歌詞が不明の曲も含めて、有志達が耳コピした歌詞を手打ちして掲載してくれているのが特徴だったのですが、そのサイトの中には「Underground Theaterz(アンダーグラウンドシアターズ)」という、mp3データを添付できる掲示板がありまして。
有志が楽曲のトラックを投稿し、それをダウンロードした人が、自分のラップを乗せてさらに投稿する――というような独自の文化があったんです。これがいわゆるネットラップの始まりだと思うのですが、僕もそうした文化を見て、掲示板に投稿し始めました。
――そのころというと、いわゆる「歌ってみたのやり方」みたいなサイトは存在していなかったですよね。どのようにして楽曲を作っていったのですか。
らっぷびと:中学の同級生と3人組のグループを作っていたのですが、当時は知識がなかったので、今考えると手順も録音環境も本当にひどかったです。
まずダイナミックマイクを買ってとりあえずPCのマイク入力に直差ししてみたのですが、ホワイトノイズがすごくて。つたない知識で調べてみると「どうやらマイクとPCの間には何かつながなくてはいけないらしい」ということが分かりました。何かというのは、オーディオインターフェースという機械なのですが、僕は誤ってミキサーを買ってしまったんです。だから、マイクは3本刺せるようになったけれども、ホワイトノイズは消えないという感じで……(笑)。
――初心者にありがちな悲劇ですね……(笑)。
らっぷびと:本当に(笑)。それでも「何とか録音しなきゃ!」ということで、次に無料の録音ソフトをダウンロードしたのですが、本当に最低限のことしかできないソフトだったこともあり、1人ずつしか録音できず、1本録ってはトラックにくっつけて、さらに録ってという工程を繰り返していました。特に韻を踏む部分は「かぶせ」といって声を2重、3重にしなくてはいけないので苦労しましたね。
難しい編集はしていませんでしたが、16、17歳だったあのころの僕たちは必死でした。
――いいお話です。掲示板に楽曲を投稿してみたときの反応はいかがでしたか。
らっぷびと:もちろん素人たちが投稿しているものですから粗もあるのですが、基本的に掲示板の雰囲気は優しかったですよ。プレイヤー(=投稿者)同士でコメントを付けあうという文化も手伝ってスキルを高めあえるというような環境でした。Hip-Hop文化特有の「Beef」という音源を使ったDisり合いみたいなものはあったのですが、基本的にはプレイヤー同士の仲も良く本当に切磋琢磨させてもらいました。
なぜネットを楽曲披露の場に選んだ?
――ライブではなくネットを披露の場に選んだのはなぜだったのですか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
そば屋の看板のはずが…… 雪で“別の店”みたいになってしまった光景が北海道の豪雪のすさまじさを物語る
-
ウソだろ…… フリマに5000円で売っていた“信じられない商品”に思わず二度見 「やっぱり寂しい」
-
友達が描いた“すっぴんで麺啜ってる私の油絵"が1000万表示 普段とのギャップに「全力の悪意と全力の愛情を感じる」
-
ブックエンドの“じゃない”使い方が200万再生 驚きの発想に「痒いところに手が届く」「参考にします」
-
「人のような寝方……」 “猫とは思えぬ姿”で和室に寝っ転がる姿が377万表示の人気 「見ろのヴィーナス」
-
刺しゅう糸を20時間編んで、完成したのは…… ふんわり繊細な“芸術品”へ「ときめきやばい」「美しすぎる!」
-
「イブの日って空いてますか?」 ドキドキのメッセージ送付→“まさかの返信”が590万表示 「今日一番笑ったw」
-
【編み物】カラフルな毛糸で四角いモチーフを作り、一気につなげると…… 太陽のような輝きの完成品に驚き
-
「最強でしょ」 佐々木希、作った“我が家のクリスマスディナー”がすごすぎる! 料理上手で「こんなお母さんになりたい」
-
【今日の難読漢字】「勿忘草」←何と読む?
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
- フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
- 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」
- 「申し訳なく思っております」 ミスド「個体差ディグダ」が空前の大ヒットも…… 運営が“謝罪”した理由
- 「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- ある日、猫一家が「あの〜」とわが家にやって来て…… 人生が大きく変わる衝撃の出会い→心あたたまる急展開に「声出た笑」「こりゃたまんない」
- 友人のため、職人が本気を出すと…… 廃材で作ったとは思えない“見事な完成品”に「本当に美しい」「言葉が出ません」【英】
- セレーナ・ゴメス、婚約発表 左手薬指に大きなダイヤの指輪 恋人との2ショットで「2人ともおめでとう!」「泣いている」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」