自転車は「車道」と「歩道」のどちらを走る方が安全? 「車道」が事故リスク軽減効果あり(1/2 ページ)
「自転車はドライバーから認知されることが重要」としています。
自転車は「車道」と「歩道」のどちらを走る方が安全なのか。au損害保険が自転車専門誌のCycle Sportsと行った実証実験の結果を公表しました。
自転車は「車両」。原則として「車道の左側を通行する」ことが道路交通法で定められています。
検証では、自転車対自動車の重大事故のうち「出会い頭衝突」に次いで多い、交差点で発生する「右左折時衝突」に対して、自転車が「歩道から交差点に進入する場合」と「車道から交差点に進入する場合」を比較。どちらがドライバーに自転車の存在が認知されるかを実験しました。
結果は、「車道」から交差点に進入する場合の方が認知されやすく「事故リスク軽減効果がある」となりました。
交差点に進入するまで「歩道」を通行していると、ドライバーの視界には自転車が入っておらず、交差点内で自転車が突然現れたように見えます。運転中のドライバーは主に車道と前方に視線と注意を向けているため、歩道を走る自転車に気付きにくくなります。
一方「車道の左側」を通行していると、ドライバーは自転車の存在を認知します。「ドライバーが自転車の存在を認知している」点で、交差点などでの事故リスクを抑えられることが明らかになったとしています。
自転車は車道を走る=「知ってはいるけれど、車道を走るのは危ない」と感じている人が多い
同社の調査(2020年8月5日/au損保「自転車の車道通行に関する調査」)によると、自転車利用者の約94%が車道の左側通行に関するルールを「知っている」「なんとなく知っている」と答えています。
その一方で、自転車で車道を走ることを「危ないと思う」「やや危ないと思う」と答えた人も約95%おり、「知ってはいるけれど、車道を走るのは危ない」と感じている人が多い現状があります。
交通事故の原因の多くは「認知ミス」によるもので、自転車がドライバーからその存在に気付かれない、あるいは気付くのが遅れることによって事故が発生する可能性が高いことから、同調査では「自転車はドライバーから認知されることが重要」としています。
感染症の流行で生活様式が変わり、移動・通勤手段としての自転車の利用シーンが見直されています。また、自転車を使う宅配サービスの需要も増え、社会問題化した「あおり運転」が自転車の危険運転にも適用される改正道交法も2020年7月に施行されました(関連記事)。
もちろん単に車道の左側を走ればいいわけではありませんし、状況に応じて自転車の人、クルマの人、それぞれに意見もあるでしょう。しかし、法やルール、マナーを順守して安全対策を行うことは運転者の義務。あらためてルールやマナー、意識の違いを再認識するきっかけにしましょう。
(カナブンさん)
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