アカデミー賞作品賞、2024年から新たな基準 出演者・スタッフなどの多様性を求める

映画の内容や出演者、スタッフなどの多様性を求める基準となっています。

» 2020年09月09日 16時52分 公開
[ねとらぼ]

 米アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが、2024年の第96回アカデミー賞から作品賞に適用する新たな基準を発表しました。多様性の促進を目指したものとなっています。

 新基準は「映画の観客の多様性をより反映するために、スクリーン内外の公平な表現を追従するため」と説明。多様性と包括性を推進する「Academy Aperture 2025」イニシアティブの一環としています。

 第96回アカデミー賞からは、作品賞に応募する映画は下記の4つの条件(A〜D)のうち2つを満たさなければならないとしています。なお、作品賞以外の部門については従来通りで、アニメ長編、ドキュメンタリー長編、国際映画の分野で作品賞に応募された作品は別途対応となります。

基準A:スクリーン上の表現、テーマ、物語

 下記の条件のうち1つを満たす。

  • 主演または重要な助演俳優のうち少なくとも1人がアジア系、ヒスパニック系、アフリカ系などの少数人種・民族
  • 二番手または脇役のうち30%以上が女性、少数人種・民族、LGBTQ+、障害者の2つ
  • メインのテーマや物語が「女性、少数人種・民族、LGBTQ+、障害者」を中心としている

基準B:制作リーダーとプロジェクトチーム

 下記の条件のうち1つを満たす。

  • 監督、プロデューサー、脚本家、キャスティングディレクター、シネマトグラファー、作曲家などリーダーや部門長において2人以上が女性、少数人種・民族、LGBTQ+、障害者のいずれかであり、1人以上がアジア系、ヒスパニック系、アフリカ系などの少数人種・民族
  • その他のスタッフや技術職(第一AD、照明監督など)のうち6人以上が少数人種・民族
  • 制作スタップの30%以上が女性、少数人種・民族、LGBTQ+、障害者

基準C:就労とトレーニングの機会

 下記の両方の条件を満たす。

  • 映画の配給または出資会社が女性、少数人種・民族、LGBTQ+、障害者に有給の実習やインターンを提供している(大規模企業の場合は制作、ポストプロダクション、VFXなどのほとんどの部門で大規模に実施。小規模企業の場合は1つ以上の部門で2人以上)
  • 映画の配給または出資会社が女性、少数人種・民族、LGBTQ+、障害者にトレーニングやスキル発展のための就労機会を提供する

基準D:観客の開拓

 下記の条件を満たす。

  • マーケティング、PR、配給チームにおいて、女性、少数人種・民族、LGBTQ+、障害者の中から社内上級幹部を複数置く(少数人種・民族は必須)

 アカデミー賞をめぐっては人種的な偏りなどへの批判があり、映画芸術科学アカデミーは近年多様性の実現に向けて取り組んでいます。2016年には、2020年までに女性と少数民族・人種の会員を倍増させることを目指した「A2020」イニシアティブを策定し、これを達成。Aperture 2025はそれに続く取り組みとなります。

 「これらの包括性の基準が、私たちの業界の長続きする必要な変化の触媒になると確信しています」と同アカデミーのドーン・ハドソンCEOはコメントしています。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」