コロナ禍でもスーパーはオンラインより「リアル店舗」重視 消費者が求めるキーワードは「発見」や「社会貢献」
約9割の人がネットスーパーよりも食品スーパーを重視しています。
スーパーマーケットの成城石井が、コロナ禍における食品スーパーに対する消費者の意識について、8月7日〜17日にオンラインアンケートを実施しました。オンラインショッピングのサービスが充実するなか、食品を購入する際には約9割の人がネットよりも食品スーパーを重視しているようです。
調査の対象は、東京・神奈川・千葉・埼玉在住の20代〜50代の既婚女性500人。直近1カ月のうち、食品を購入する際、食品スーパーとネット通販・ネットスーパーとどちらを利用する比重が大きいか質問しました。1番多かった回答は「食品スーパーのみ」で48.5%、次いで 「食品スーパーの比重が多いが併用している」が40.5%と、9割近い人が食品スーパーを重視していることがわかります。
「ネットスーパーのみ」で食品を購入した人は4.1%、 「ネットの比重が大きいが食品スーパーと併用(5.7%)」と合わせても9.8%で、 ネットを重視している人は約1割。多くの人が食品を買うときには、現在も通常の食品スーパーに比重を置いていると言えるでしょう。
では、なぜ食品スーパーが重視されているのでしょうか。ネット通販やネットスーパーを利用しない、もしくは食品スーパーと併用しているのはなぜかという質問では、「生鮮食品は直接見て手に取ってから購入したい」が75.2%と突出して高い割合に。その他の理由として、「送料が高い」(33.6%)、 「食材の比較ができない」(31.6%)、「目的以外の発見や新鮮な食品を楽しみたい」(23.4%)が続きます。
こうした結果からは、商品を直接見たり比較したりして鮮度などを確認できることや、予定になかった商品の発見が食品を買う上で重視されていることがわかります。
さらに、消費者全体と比較して、現在リモートワーク中の人には、「目的商品以外の発見や新鮮な食品を楽しみたい」(38.5%)、「地域のフェアや催事フェアなどを楽しみたい」(16.9%)といった項目の割合が高い傾向にあります。自粛生活の中では、買い物中にさまざまなものが目に入ったり手に取れる食品スーパーが、新しいものや珍しいものに出会える楽しみの場の1つとなっている模様です。
オンラインサービスが増加しても、まだまだ需要が多い食品スーパー。しかし、消費者がスーパーに期待することには変化が起きています。
「コロナ禍で食品スーパーでの買い物に対して期待するもの」の変化について尋ねる質問では、最も多かったの回答は「感染症対策」(42%)でした。次いで多かったのは「安さ」(31.4%)。この結果には、外食を控えるようになるなど自宅で食べる「内食」が増加したことも関係すると考えられます。
また、「安心・安全」(31.2%)、 「品質へのこだわり」(30%)の項目も選んだ人が多かったことから、コロナ感染防止に限らず日常的に食べるものの安全性や高い品質を求める人が増えているようです。
コロナ禍での「食べて応援」、どのように受け止められている?
さて、コロナの感染拡大が外食産業に大きな打撃となり、食品ロスが問題視されるようになったことから、SNSなどで「食べて応援」といった支援に注目が集まるようになりました。企業・産地を支援する目的で食材を購入した人は54.8%にのぼり、関心の高さがうかがわれます。
支援目的の食材購入の方法について質問すると、「食品スーパー」(31.4%)が最も多いという結果に。その後にネット通販(18.4%)やふるさと納税(12.2%)、クラウドファンディング(3.2%)などのネットを介した支援が続きます。
先ほどの「コロナ禍において食品スーパーへの期待するもの」の変化に関する調査でも、 10人に1人が「生産者応援」(10%)、 「復興支援」(11.6%)と回答していたことから、生産地に関連した店頭POPでのPRなど、リアル店舗ならではの実感のある社会・地域貢献の場としての食品スーパーに期待が高まっているのではないでしょうか。
食品スーパーは感染症対策のため、さまざまな制限を受けつつも、巣ごもり消費や内食需要の高まりにより売り上げを伸ばしつつあります。たくさんの人で混みあったスーパーや、レジ前に間隔をあけた長い列ができているのを見た人ことがある人も少なくないはずです。
それは、リアル店舗が消費者にとって、新しいものに出会う楽しみや、社会貢献のきっかけ、ただ買い物をする以上の場になっているからだと言えるでしょう。
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