コロナ禍でもスーパーはオンラインより「リアル店舗」重視 消費者が求めるキーワードは「発見」や「社会貢献」

約9割の人がネットスーパーよりも食品スーパーを重視しています。

» 2020年09月22日 17時25分 公開
[谷町邦子ねとらぼ]

 スーパーマーケットの成城石井が、コロナ禍における食品スーパーに対する消費者の意識について、8月7日〜17日にオンラインアンケートを実施しました。オンラインショッピングのサービスが充実するなか、食品を購入する際には約9割の人がネットよりも食品スーパーを重視しているようです。


コロナ禍における食品スーパーに対する消費者の意識 1か月のうち、食品を購入する際に、食品スーパーとネット通販またはネットスーパーとどちらで買い物をする比重が大きいですか。(n=500、単回答)

 調査の対象は、東京・神奈川・千葉・埼玉在住の20代〜50代の既婚女性500人。直近1カ月のうち、食品を購入する際、食品スーパーとネット通販・ネットスーパーとどちらを利用する比重が大きいか質問しました。1番多かった回答は「食品スーパーのみ」で48.5%、次いで 「食品スーパーの比重が多いが併用している」が40.5%と、9割近い人が食品スーパーを重視していることがわかります。

 「ネットスーパーのみ」で食品を購入した人は4.1%、 「ネットの比重が大きいが食品スーパーと併用(5.7%)」と合わせても9.8%で、 ネットを重視している人は約1割。多くの人が食品を買うときには、現在も通常の食品スーパーに比重を置いていると言えるでしょう。


コロナ禍における食品スーパーに対する消費者の意識 食品を購入する際、ネット通販やネットスーパーを利用しない、もしくは食品スーパーと併用しているのはなぜですか。(n=500 複数回答)

 では、なぜ食品スーパーが重視されているのでしょうか。ネット通販やネットスーパーを利用しない、もしくは食品スーパーと併用しているのはなぜかという質問では、「生鮮食品は直接見て手に取ってから購入したい」が75.2%と突出して高い割合に。その他の理由として、「送料が高い」(33.6%)、 「食材の比較ができない」(31.6%)、「目的以外の発見や新鮮な食品を楽しみたい」(23.4%)が続きます。

 こうした結果からは、商品を直接見たり比較したりして鮮度などを確認できることや、予定になかった商品の発見が食品を買う上で重視されていることがわかります。

 さらに、消費者全体と比較して、現在リモートワーク中の人には、「目的商品以外の発見や新鮮な食品を楽しみたい」(38.5%)、「地域のフェアや催事フェアなどを楽しみたい」(16.9%)といった項目の割合が高い傾向にあります。自粛生活の中では、買い物中にさまざまなものが目に入ったり手に取れる食品スーパーが、新しいものや珍しいものに出会える楽しみの場の1つとなっている模様です。


コロナ禍における食品スーパーに対する消費者の意識 コロナ禍で、食品スーパーでの買い物に対して期待するものにどのような変化がありましたか。(n=500 複数回答)

 オンラインサービスが増加しても、まだまだ需要が多い食品スーパー。しかし、消費者がスーパーに期待することには変化が起きています。

 「コロナ禍で食品スーパーでの買い物に対して期待するもの」の変化について尋ねる質問では、最も多かったの回答は「感染症対策」(42%)でした。次いで多かったのは「安さ」(31.4%)。この結果には、外食を控えるようになるなど自宅で食べる「内食」が増加したことも関係すると考えられます。

 また、「安心・安全」(31.2%)、 「品質へのこだわり」(30%)の項目も選んだ人が多かったことから、コロナ感染防止に限らず日常的に食べるものの安全性や高い品質を求める人が増えているようです。


コロナ禍における食品スーパーに対する消費者の意識 コロナ期間中、打撃を受けた企業・産地を支援する目的の食材購入状況。(n=500 単回答)

コロナ禍での「食べて応援」、どのように受け止められている?

 さて、コロナの感染拡大が外食産業に大きな打撃となり、食品ロスが問題視されるようになったことから、SNSなどで「食べて応援」といった支援に注目が集まるようになりました。企業・産地を支援する目的で食材を購入した人は54.8%にのぼり、関心の高さがうかがわれます。


コロナ禍における食品スーパーに対する消費者の意識 コロナ期間中、打撃を受けた企業・産地を支援する目的の食材購入状況について当てはまるものをお選びください。(n=500 複数回答)

 支援目的の食材購入の方法について質問すると、「食品スーパー」(31.4%)が最も多いという結果に。その後にネット通販(18.4%)やふるさと納税(12.2%)、クラウドファンディング(3.2%)などのネットを介した支援が続きます。

 先ほどの「コロナ禍において食品スーパーへの期待するもの」の変化に関する調査でも、 10人に1人が「生産者応援」(10%)、 「復興支援」(11.6%)と回答していたことから、生産地に関連した店頭POPでのPRなど、リアル店舗ならではの実感のある社会・地域貢献の場としての食品スーパーに期待が高まっているのではないでしょうか。


コロナ禍における食品スーパーに対する消費者の意識 時短営業や飛沫防止のビニールカーテンなど、さまざまな工夫を行って続けられる食品スーパーでの販売

 食品スーパーは感染症対策のため、さまざまな制限を受けつつも、巣ごもり消費や内食需要の高まりにより売り上げを伸ばしつつあります。たくさんの人で混みあったスーパーや、レジ前に間隔をあけた長い列ができているのを見た人ことがある人も少なくないはずです。

 それは、リアル店舗が消費者にとって、新しいものに出会う楽しみや、社会貢献のきっかけ、ただ買い物をする以上の場になっているからだと言えるでしょう。

(谷町邦子 FacebookTwitter

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/19/news150.jpg 「情報を漏らされ振り回され……」とモデラー“限界声明” Vtuberのモデル使用権を剥奪 「もう支えられない」「全サポート終了」
  2. /nl/articles/2411/20/news028.jpg 「うどん屋としてあるまじきミス」→臨時休業 まさかの“残念すぎる理由”に19万いいね 「今日だけパン屋さんになりませんか」
  3. /nl/articles/2411/20/news224.jpg “ドームでライブ中”に「76万円の指輪紛失」→2日後まさかの展開に “持ち主”三代目JSBメンバー「誰なのか探しています」
  4. /nl/articles/2411/19/news169.jpg 高畑充希と結婚の岡田将生、インスタ投稿めぐり“思わぬ議論”に 「わたしも思ってた」「普通に考えて……」
  5. /nl/articles/2411/20/news031.jpg 「本当に同じ人!?」 幼少期からイボをいじられていた男性→美容師の“お任せカット”が衝撃 「めちゃくちゃ大変身」
  6. /nl/articles/2411/19/news022.jpg 「おててだったのかぁああああ」「同じ解釈の人いた笑笑」 ピカチュウの顔が“こう見えた”再現イラストに共感続々、464万表示
  7. /nl/articles/2411/20/news042.jpg 「腹筋崩壊」 ハスキーをシャンプー&パックしたら…… “予想外のハプニング”に「こ〜れは大変だわ」「沼にでも落ちたのかとwww」
  8. /nl/articles/2411/20/news216.jpg “歌姫”ののちゃん、6歳現在の姿に驚きの声「あれっ!?」「ビックリしてます!」 2歳で「童謡こどもの歌コンクール」銀賞受賞
  9. /nl/articles/2411/20/news041.jpg 黄ばみのある68年前のウエディングドレスを修復すると…… 生まれ変わった姿に「泣いた」「受け継ぐ価値のあるドレス」
  10. /nl/articles/2411/18/news107.jpg 走行中の車から同じ速さで後方へ飛び降りると? 体を張った実験に反響「問題文が現実世界で実行」【海外】
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた