“紙”でできた台湾発デジタルトイカメラ「Paper Shoot」がかわいい! 実際に撮ってみた
エモーショナルな写真が撮れます!
大人のトイカメラ「Paper Shoot」が、カメラ好きの間で話題になりつつあります。名前のとおり、「紙」でできた新感覚の台湾発のデジタルトイカメラです。
携帯性やデザイン性の高さ、カスタムのできる自由度が魅力的な大人のトイカメラは、現在TSUTAYAや北村写真館で先行発売中。手のひらサイズの1枚の基盤に全てがそろったハイスペック感とノスタルジックな映りに遊び心をかきたてられるガジェットを、カメラ女子ライターが実機レビューします。
台湾発「Paper Shoot」のユニークな特徴
持ち歩きたくなるコンパクトさ
Paper Shootは、2013年に台湾で立ち上がったブランドです。コンセプトは「Less is more(少ない方が幸せ)」。一番の特徴は、カメラに必要な機能が1枚の基板にまとまる設計をされており、カバーが1枚の重石紙(厚紙)でできていること。1枚の基盤と1枚の紙、2つのネジととてもシンプルな構造です。
本体は厚さ約12ミリ、重さ約80グラムとコンパクト! 基盤にはレンズ、シャッターボタン、撮影モードスイッチ、SDカードマウントが組み込まれています。単4電池2本で起動するこのカメラにはon-offスイッチがなく、シャッターを押すだけ! 胸ポケットにも入るサイズ感はスナップにぴったりです。
本当にこれで写真が撮れるのか……!? と思ってしまうような外見ですが、画素は1300万あり、インスタントカメラのようなアナログ感を楽しめます。
カスタムできるボディ
「紙のトイカメラ」であるPaper Shootのボディは、無機ミネラルパウダーから作られた重石紙でできています。このボディは気軽に交換ができるので、その日の気分やファッションに合わせてカスタマイズが可能です。
クラシックカメラ柄や花柄、リーフ製、コルク製、木製、基盤のデザインが見えるクリアケース――など、さまざまな柄が販売されています。ペイントやマスキングテープやシールによるカスタムで自分なりのアレンジをするのもいいですね。
ちなみに、台湾では企業やブランドとコラボしたボディも販売されています。スターバックスコーヒーや「STAR WARS」とのコラボもあるのです……日本でもどんどん増えてほしい!
マイクロUSBが可能性を広げる!
電源は単4電池2本。ですが、マイクロUSBとモバイルバッテリーを接続することで10秒のショートムービーやタイムラプスを撮影することができます。また、パソコンやスマートフォンと接続するとデータの転送も可能です。
スイッチひとつで切り替わる撮影モード
4種類の撮影モードでシーンにあった撮影が可能です。クラシック、モノクロ、セピア、ブルーのモードを選べて、人、もの、時間、雰囲気に合わせて表現力豊かな写真が楽しめます。
レンズが付属で表現の幅が広がる
追加レンズは、広角、魚眼、放射エフェクト、万華鏡エフェクトの4種類が用意されています。レンズの上に置いてマグネットで接着する仕組み。基盤のレンズはf値2.0、焦点距離22ミリとスナップ撮影には充分なスペックですが、追加レンズを使用することで更に世界観が広がります。
Paper Shootとおでかけしてみた!
Paper Shootの日本代理店は蔦屋書店。TSUTAYA、蔦屋書店、カメラのキタムラ、北村写真機店などで先行販売をしています。価格設定は3タイプに分かれており、筆者はレザー調のボディと交換レンズ2種ついたタイプ1万5000円のものを購入しました。
梱包されているあじわいのある木箱を開けると本体がお目見え。電池が別売りなので、単四電池を準備し、いざ分解&組み立て。専用工具もなく、指だけでネジを取り扱えました。電池がなくてもモバイルバッテリーを接続して使用することが可能です。
電源さえ確保できればあとはシャッターを押すだけ。ジジっというシャッター音とファインダー右にあるLEDランプが点灯し撮影できたことを知らせてくれます。動画撮影時は音楽が鳴り、その音楽とともに録画されていました。
ファインダーはただの紙にくり抜かれた穴! 液晶もないのでSDカードを読み込むまでどんな風に撮影できているかわからない……わくわくドキドキ感を胸に撮影してみました。
まず、f値2.0の開放レンズの明るさを実感します。蛍光灯照明の室内や夜景も撮れました。フラッシュが付属できないのでこのf値は嬉しい仕様です。ノイズ感がインスタントカメラの写真と似ていてノスタルジーで、“雰囲気写真”が得意な機種という感触。
1300万画素という画質もスマートフォンやブラウザで見る分には申し分ありません(iPhone11proのインカメラは1200万画素)。実際印刷してみても、L版までなら写ルンですやチェキのようなエモい作風になっていい感じです。
ただ、写りはインスタントカメラに似ていますが、Paper Shootはシャッターがレンズ横についているため、手ブレさせないようしっかり固定する必要があります。うっかりした筆者のカメラには何枚も手ブレ写真が……。
得意なところ、苦手なところ
くり抜かれたファインダーを接眼して見える風景と、実際撮影した画角の差はだいぶ大きいです。思ったよりも広く撮れるので、筆者はとりあえず撮影→トリミングするようにしています。
それでももっと広く撮りたい……という人向けに広角レンズを追加できます。追加レンズの接着はマグネットのためワンタッチで簡単に操作できますが、広角レンズは位置によってケラレ(画像の隅に黒く映りこむ)が発生してしまうので慎重につけた方が良いです。そういう仕様と楽しむのがいいでしょう。
また、焦点距離22mmは難しいなという印象でした。何かを片手に持って撮影するには練習が必要です。置いてあるものに対しての撮影は比較的簡単なので、カフェで注文したフードや花、街中のオブジェの撮影はおすすめ。
クラシック、セピア、ブルーといった選べる撮影モードは、はじめのうちは「どういった場所で、どの色が最適なのか」を見極めるのが難しいように感じます。いろいろ撮るうちに適切なフィルターがわかるようになるのかな……と楽しみな気持ちが湧いてきます。
連続シャッターが切れないため、「この一瞬を狙って!」ということは苦手。動物や子ども、遊園地のショーやパレードは狙って撮るというより、写ったものを楽しむことになります。それもどの瞬間が撮れているかわからないので読み込むまでのお楽しみ。自分が乗り物に乗っている状態で風景を撮影する分にはある程度撮れますが、シャッターを押した瞬間に撮れない、数秒ラグが生まれるのでコツが必要です。
インスタントカメラと違ってフィルムがなく枚数制限がないため、撮れていても撮れていなくてもとりあえずシャッターを押して後で選別できるのが一番の利点だと思います。写真に慣れていない人でも扱いやすい! フィルターに悩んだら「全種類撮っておこう」、追加レンズもとりあえず「使っておこう!」と手軽にできます。
Paper Shootは手鏡1枚持つ感覚で、カバンの中でも邪魔にならないトイカメラなので、旅行やお出かけに持ち歩きたいガジェット。さっと取り出し、スイッチいらずに撮影できるスナップ感がたまらないです。ジジっと鳴るシャッター音、アナログ感ある写真、懐かしいようで新感覚の大人の遊び道具です。
スペック
- 大きさ 縦11センチx横7.5センチx厚さ1.2センチx重さ80グラム
- 画素数 1300万画素(4224x3136)
- イメージセンサー CMOSセンサー
- レンズ 高品質raganレンズ
- f値 2.0
- 焦点距離 22mm
- 動画解像度 FHD1080P
- 撮影モード フルオート撮影
- フィルター 4種スイッチ切り替え
- メモリー SDカード(128GB以下対応、Wifi付SDカード使用可)
- バッテリー 単4アルカリ電池2本(充電式使用可)
- microUSBポート 充電、データ転送
基本同梱品
- カメラボード(電子基盤)
- ボディ
- 真鍮留め金具
- 16GB SDカード
- USBケーブル
販売タイプによってエフェクトレンズ(広角、魚眼)、ボディの素材が異なります。ストラップなどのアクセサリーも販売されています。
現在、株式会社蔦屋書店が日本総代理店となっており、先行販売として東京都「新宿 北村写真機店」、「Meets by NADiff(渋谷パルコ内)」、静岡県「谷島屋 ららぽーと沼津店」、愛知県「TSUTAYA小田井店」、大分県「TSUTAYA森町店」にて取り扱い中です。また、クラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」にてPaper Shootのクラウドファンディングが実施されています(現在6400%超えで達成)。
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