「積み上げてきたことが武器になる」 半年でクロッキー帳10冊を使い切り、絵が化けた人に上達の“秘訣”を聞いた

継続は力なり。

» 2020年10月17日 20時00分 公開
[だいごろうねとらぼ]

 「春から描き始めてクロッキー帳10冊(1000枚)使い終わりました。半年で上達した自分を褒めたいです」と、ビフォーアフターの作品を公開するTwitterの投稿に注目が集まっています。劇的に絵がうまくなっている!


クロッキー帳10冊

 作品を投稿したのは、ひゅうが くるみ(@Kyoto_Eupho)さん。半年間絵を描き続ける、ましてやクロッキー帳10冊を使い切るのは、並大抵の努力だけでは成し遂げられません。作品に込められた熱意を感じます。


描き始めのころの絵 描き始めのころの絵

模写 アニメーターさんが描いた絵を細部まで模写しています

模写 模写によるインプットも練習の1つ

 ツイートは4万いいねを超え、「すごすぎる」「見習いたい」「継続は力なり」と驚嘆の声がたくさん寄せられています。反響を受けて、アニメーター志望のひゅうがさんに、絵の上達方法や1日の練習量についてなどお話を伺いました。

── 絵の練習はどんな方法を実践していたのでしょうか。試してみて効果があったものはありましたか。

ひゅうがさん:クロッキー、模写を主にやっていました。まず、大前提として考えながら描く・意識しながら描く。これができないと練習効果が半減してしまいます。クロッキーは線や流れを意識。模写はその人の線を分析しながら試行錯誤して描きました。


かけた時間 クロッキーには4m(4分)、3m(3分)とかけた時間を記録しています

 クロッキーは10、8、5、3、2、1分、30秒と区切って練習しています。自分のクロッキー帳に描かれてる絵は基本10分以内に描いた物がほとんどです。「アニメーターには手の速さも大事。それ以上の時間はかけない」と決まりを作ってやっていました。


ダメ出しのメモ 右上に「線汚い」「硬い」のメモ

 そして、1枚描くごとに、「この絵のここが良かったここがうまくいかなかった」などちょっとしたメモを絵の隣に書きます。そこでダメだったところを次できるように描く。これの繰り返しだった気がします。また、上達するにつれ大きな課題は意識を忘れないよう紙に描いて机の前に貼ってました。ブツブツ呟きながら描くときもありましたね。

 効果的だったのは、うまい人の絵の分析。魅力的な線を引く人のモノマネが自分の絵をより魅力的な作品にしてくれるのではないかなと思います。加えて、アニメーターの室井康夫(@animesijyuku)さん、イラストレーターのさいとうなおき(@_NaokiSaito)さんの本や動画を見て練習法を取り入れていました。筋肉構造などの理論も少し学ぶと絵に説得力ができます。

── クロッキーや模写は何を見て描いていましたか。

ひゅうがさん:クロッキーは基本、アプリの「Pinterest」にある写真からやってました。模写対象は自分の好きなイラストレーターさんのpixivから、アニメーターさんの画集やTwitter、好きな漫画までさまざまです。

 ほかには、街ゆく人の服のシワや体の見え方を観察しながら歩いてました(クロッキーもしてました)。実際の人と写真では違うのでたくさんの発見があります。

── 絵がうまくなったと実感したのはいつ頃でしょうか。また、1日の練習量はどのくらいですか。

ひゅうがさん:絵がうまくなったと実感したのは、描き始めて1週間ぐらいですかね。成長の連続で、数日ごとに数日前の自分よりうまくなったなとずっと実感してました。もう少し大きな区切りでは、クロッキー帳1冊を使い終わって前のクロッキー帳を見返したときです。「おお! 俺この100枚でうまくなったなぁ!」「この数週間で伸びたなぁ!」と思いました。


4月 4月ごろに描いていた絵

10月 10月13日に投稿したスケッチ

 1日の練習量は日によってムラがありますが、平均は1日5枚。もちろん30秒クロッキーなどで5枚分が埋まる日もあるので時間はわからないです。

── スランプのようなときはありましたか。

ひゅうがさん:スランプになったことは1度だけあります。自分はアニメーターになりたい熱量だけで描いていたのですが、ある人に「君の絵からは熱量を感じない」と言われたのがショックすぎてしばらく描けなかったです。1週間ほど描くペースが1日1枚とか、ひどいときは描かない程に落ちてしまいました。

 友人から「大丈夫」といった励ましの言葉を受けても自分には響きませんでしたが、数日後にYOASOBIの「群青」という曲が公開されて、その曲を聴き自分を奮い立たせました。うまく描けなくても描くしかない。描くことしかできないので、学校を2日ほど休んで描きまくりました。


“好きなことを続けること それは「楽しい」だけじゃない” “積み上げてきたことが武器になる”

 外に出て一人で散歩をしながら色んな場所で描いて描いて描きまくった結果、スランプを脱出して以前より伸びることができました。新しいものに触れられたのが良かったのかもしれないです。走り続けてたところを一度止まってみたのがスランプ脱出につながったのかな。





 ひゅうがさんが積み上げてきたクロッキー帳10冊には、費やした時間と努力、試行錯誤が詰まっています。必ずしも絵が順調に上達したわけではなかった半年間。壁にぶつかっても諦めず描き続けた結果が、今につながっているんですね。

※画像提供:ひゅうが くるみ(@Kyoto_Eupho)さん



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/22/news018.jpg 猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
  2. /nl/articles/2411/22/news184.jpg 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  3. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  4. /nl/articles/2411/23/news025.jpg 「大企業の本気を見た」 明治のアイスにSNSで“改善点”指摘→8カ月後まさかの展開に “神対応”の理由を聞いた
  5. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  6. /nl/articles/2411/05/news138.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  7. /nl/articles/2411/22/news205.jpg 松田翔太、憧れ続けた“希少な英国製スポーツカー”をついに入手「14歳の僕に見せてあげたい」 過去にはフェラーリやマクラーレンも
  8. /nl/articles/2411/22/news047.jpg 「行きたすぎる」 入場無料の博物館、“宝石展を超えた宝石展”だと40万表示の反響 「寝れなくなっちゃった」【英】
  9. /nl/articles/2411/23/news031.jpg スーパーで売っていた半額のひん死カニを水槽に入れて半年後…… 愛情を感じる結末に「不覚にも泣いてしまいました」
  10. /nl/articles/2411/22/news051.jpg 自動応答だと思って公式LINEに長文を送ったら…… 恥ずかしすぎる内容と公式からの手動返信に爆笑 その後について聞いてみた
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた