新津駅「焼漬鮭ほぐし弁当」(1130円)〜駅弁屋さんの厨房ですよ!(vol.21「三新軒」編(2))

毎日1品、全国各地の名物駅弁を紹介! 新津駅「焼漬鮭ほぐし弁当」です。

» 2020年12月17日 09時00分 公開
[ニッポン放送(1242.com)]
ニッポン放送

【ライター望月の駅弁膝栗毛】(初出:2020年2月11日)

駅弁 E115系電車・普通列車、越後線・白山〜新潟間
駅弁 駅弁 駅弁 駅弁 駅弁 駅弁 駅弁 駅弁

新潟地区で活躍を続ける、国鉄生まれの115系電車。

この日は、JR発足直後に登場した一次新潟色の編成が、信濃川を渡って行きます。

新潟の白い雪に日本海の青、新潟県の花・雪椿の赤のラインを配したというカラーリング。

平成5(1993)年のTVドラマ「高校教師」で出てきた115系電車はこの色でした。

JR発足から30年あまり、すっかりこのカラーも懐かしさを憶えるようになりました。(参考)JR東日本新潟支社プレスリリース・2017年8月31日分

駅弁 株式会社三新軒・遠藤龍司社長

この30年あまり、新津駅弁「株式会社三新軒」のかじ取りを担っているのが、昭和27(1952)年生まれの遠藤龍司(えんどう・りゅうじ)社長(68歳)です。

30歳代後半で、お父様から三新軒を受け継ぎ、3代目に就任した遠藤社長。

私・望月が、全国の駅弁屋さんを訪問し、駅弁の製造現場やトップの方へのインタビューをお届けする特集企画「駅弁屋さんの厨房ですよ!」の第21弾は、「三新軒」に注目します。

90年あまりの歴史を誇る「三新軒」!

─ 「三新軒」は、昭和3(1928)年の創業なんですよね?

「三新軒」という株式会社組織になったのが、昭和3年のことです。

それ以前は“家業”として弁当を作っていました。

駅弁販売の認可をいただくには、法人である必要があり、株式会社化されました。

「三新軒」の屋号は新津、新潟、新発田の3つの地名から取られたことはわかっていますが、いつからこの屋号を使い始めたのかは、正直よくわかっていません。

駅弁 キハ47形気動車・普通列車、磐越西線・五泉〜猿和田間

─ 遠藤家が、新津駅で弁当を売るようになったきっかけは?

初代社長の出身は、福島・猪苗代湖のほうです。

新潟と会津の間には、いまでこそ磐越自動車道や国道49号が通じていますが、鉄道の磐越西線による経済的な結びつきが大きかったんです。

(その意味でも)会津への玄関口となる、新津駅へ進出したのではないかと思われます。

私自身は、この新津駅前で生まれ育ってきました。

 

少なくとも60年以上続く、伝統の「鮭の焼漬」!

─ 昔からある「三新軒」の駅弁は?

昔の資料が残っていないので、聞いた話になってしまいますが、私の母が遠藤家に嫁いできたときには、既に「鮭の焼漬」はあったと言います。

私が昭和27年生まれですから、恐らくそれ以前にはあったわけで、もしかしたら、戦前から作っていたのかもしれません。

鮭の焼漬は保存食ですから、昔は秋に獲れた鮭を各家庭のやり方で作っていたんですよね。

駅弁

─ 「鮭の焼漬弁当」は、おなじみの構成だったんですか?

いまは玉子焼きが入っていますが、昔は煮玉子を入れていたと記憶しています。

子供心に、この煮玉子が大好きだった記憶が甦りますよ。

あと、パイナップルは、昔から口のなかをサッパリしてもらうために入れています。

もう40年くらい弁当の取引のある方がいるんですが、「鮭の焼漬弁当」をお届けするたびに、「すじこ」と「パイナップル」を食べるタイミングは話題になりますね!

オリジナルのたれと鮭のうま味がギュッと詰まった「鮭の焼漬」

─ 鮭の焼漬は、オリジナルの「たれ」に漬けているんですか?

基本は醤油とみりんですね。

毎日、たくさんの鮭を焼き上げて、漬けますから、鮭自体からもうま味がたっぷり出ます。

たれは継ぎ足し、継ぎ足しではありますが、焼鮭の小さな身がはがれて沈殿したものは、1つずつしっかり取ってから、次の焼鮭を漬けていくようにしています。

焼きたてを漬け込みますから、毎回たれがジュワジュワ〜っと泡立つんです。

駅弁 焼漬鮭ほぐし弁当

─ いまも「鮭の焼漬弁当」は、根強い人気ですよね?

現在、最も人気があるのは、「焼漬鮭ほぐし弁当」(1130円)です。

「鮭の焼漬弁当」は、鮭の焼漬の見た目が小さいとよく云われるのですが、鮭の身は焼いて一晩漬けることで、最初より少し縮むんです。

保存のために冷やしますと、なお一層、縮んでしまいます。

その点、鮭の身をほぐしたことで、よりボリュームを感じていただけるかと思います。

(三新軒・遠藤龍司社長インタビュー、つづく)

駅弁 焼漬鮭ほぐし弁当

【おしながき】

  • ご飯(新潟県産米)
  • 鮭の焼漬(ほぐし身) 錦糸玉子
  • おくらと菊なめこの和え物
  • 舞茸の煮物
  • 赤かぶの酢漬け
  • 鉄火豆
駅弁 焼漬鮭ほぐし弁当

スリーブ式の包装を外して、ふたを開けると、焼漬の香ばしさが感じられます。

白いご飯に鮭の焼漬のほぐし身がたっぷり載って、白ごまがひとフリされ、いいアクセント。

確かにほぐし身としたことで、フワッ〜とした食感になり、より食べやすさが感じられます。

鮭の焼漬はもちろん、一緒に食用菊を使った和え物や舞茸の煮物を使ったおかずが入って、新潟らしさもいっぱいです。

駅弁 焼漬鮭ほぐし弁当

新潟・村上市を流れる三面川の鉄橋を、羽越本線の普通列車が渡って行きます。

多くの川が流れ込み、それぞれの川で育まれてきた新潟の鮭文化。

その象徴とも言える郷土料理「鮭の焼漬」を駅弁として売り出したことで、新潟以外で暮らす私たちも、新潟の食文化を知るきっかけになりました。

三新軒・遠藤社長のインタビュー、次回に続きます。

連載情報

photo

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史

昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。

駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/



おすすめ記事

Copyright Nippon Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/13/news176.jpg 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  2. /nl/articles/2411/14/news014.jpg ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. /nl/articles/2411/14/news042.jpg 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  4. /nl/articles/2411/14/news090.jpg ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  5. /nl/articles/2411/14/news167.jpg 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. /nl/articles/2411/14/news187.jpg 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. /nl/articles/2208/06/news075.jpg 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. /nl/articles/2411/13/news162.jpg 「情報操作されてる」「ぜーんぶ嘘!!」 175R・SHOGO、元妻・今井絵理子ら巡る週刊誌報道を一蹴 “子ども捨てた”の指摘に「皆さん騙されてます」
  9. /nl/articles/2411/14/news035.jpg 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」
  10. /nl/articles/2411/12/news194.jpg 「予約しました」 サッポロ一番の袋に見せかけた“笑っちゃいそうなグッズ”が話題 「サッポロ一番味噌ラーメン好きがバレちゃう」
先週の総合アクセスTOP10
  1. アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
  2. 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
  3. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  4. 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  6. 「この動画お蔵かも」 親子デートの辻希美、“食事中のマナー”に集中砲火で猛省……16歳長女が説教「自分がやられたらどう思うか」
  7. 老けて見える25歳男性を評判の理容師がカットしたら…… 別人級の変身と若返りが3700万再生「ベストオブベストの変貌」「めちゃハンサム」【米】
  8. 「ガチでレア品」 祖父が所持するSuica、ペンギンの向きをよく見ると……? 懐かしくて貴重な1枚に「すげえええ」「鉄道好きなら超欲しい」と興奮の声
  9. 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  10. 「天才」 グレーとホワイトの毛糸をひたすら編んでいくと…… でっかいあのキャラクター完成に「すごい」「編み図をシェアして」【海外】
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた