「シン・エヴァンゲリオン劇場版」ネタバレなしレビュー 「シン・エヴァ」の「エヴァ」らしさ(1/3 ページ)
ついにその姿を現した「シン・エヴァ」。
「エヴァンゲリオン」史上、最も分かりやすく、飲み込みやすい作品なのではないか――。これが本作を見終わってすぐの、嘘偽りない印象だ。
※以下、ネタバレに最大限配慮したレビューとなるが、まっさらな状態で見たい人はいますぐブラウザを閉じてインターネットから退避してください。
連載記事一覧
2度の延期を経て、先日ついに公開された「シン・エヴァンゲリオン劇場版」。公開10日前に突如公開日が発表され、しかも封切りが月曜日という異例の事態。プロモーションを十分に行うことも難しかっただろう中、争奪戦となった大手シネコンのIMAXシアター分は即時の完売。あらためて根強い人気と期待を示した結果となった。
9日追記:※初掲載時、作品タイトルを「シン・エヴァンゲリオン新劇場版」と誤っていました。お詫びして訂正致します
本作はこれまでのシリーズ通り、設定を全て明かしているわけではない。そしてもちろん、解釈の余地を残す謎をいくつも残し終劇した。だが総評としてとても理解しやすく、かつ楽しみやすく作られている。ではそれはなぜか? と考えることとなった。そしてそれはそもそも、「エヴァ」においての「面白さ」はどこにあるのか? と考えることと同義だ。
「:破」が受け入れられた理由
これまでのシリーズのうち、「楽しめる作品」として、最も多くの観客に受け入れられたのは間違いなく「:破」になるだろう。それに対し前作「:Q」が賛否両論となったのにはいくつかの理由があるだろうが、ざっくり2点に分けてみたい。それは「:破」が、これまでのエヴァンゲリオンに対するイメージを最大限利用した作品であるという点。そして観客に物語・または解釈の余地ある難解さを提示するうえで、説明のラインをしっかりと引けていたという点である。
まずは一点目。「:破」はいくつかの設定の差異を除き、ストーリーラインに加えてキャラクターの表情の基礎までテレビシリーズ版と似たものが見られた「:序」に対し、新キャラクター・マリの投入に加えて綾波・アスカの変化を演出することで、これまでの「エヴァンゲリオンらしさ」を徐々に逸脱。最後には碇シンジが自らの意志でそれを破壊・乗り越える姿を見せることで、より強い満足感を与えるつくりになっている。10数年間を通して浸透してきた碇シンジというキャラクターの内面が、確かに変わったと思える作品であったことが作品の高い評価につながっていることに疑いはない。
ここで注目しておきたいのは、それでも「エヴァ」が持っていたその難解さを切り捨てたわけではない、ということだ。象徴的なところでは、綾波を救うために初号機が疑似シン化第2形態に入った際の赤木リツコのセリフは相変わらず理解させる気がないそれである。しかし「ネブカドネザルの鍵」や「バチカン条約」といった衒学的な専門用語はシナリオの中核には置かれず、今は理解できなくても良いものとしてスマートに処理。そして「本拠地を狙う使徒の殲滅」という前作共通のプロットにより、各シーンの勝利条件は明確であるため、ストーリーラインを追う限りに引っ掛かりはない。
「:Q」と「:破」の差異
では「:Q」ではこの2点においてどう処理していたか。舞台が14年後と大きく飛ぶ同作では、観客は前作のように「これまでのエヴァのストーリー」という比較対象を持つことができない。加えて主要キャラクターの性格が一変し、皆が皆心を閉じているかのごとく碇シンジにつらく当たる。その理由は明らかにされず、魅力であった専門用語も成立していないコミュニケーションの端々から聞こえてくるのみで、その単語が大事であるかも判別不能。
さらには目標とされた槍を利用した世界の再構築も失敗し、唯一のよりどころである渚カヲルは旧世紀版と同様に死んでしまう。以前の満足を、そしてコミュニケーションそのものを否定するかのように受け止められかねないシナリオは、万人に受け入れられたとはいえなかった。
「シン・エヴァンゲリオン劇場版」
今作、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」では、このバランスに対する方針が大いに転換されている。
まず、事前公開されていた冒頭のパリ奪還作戦について触れたい。上映早々に開始される同作戦では、「ここが元ネルフ・ユーロ支部であり」「目的はヴィレによる前回の戦いで破損したヱヴァ修復パーツの回収」「それを阻止するのは冬月、すなわちネルフ」であるとセリフ上ではっきりと明示される。「:Q」冒頭のUS作戦、大気圏外でアスカが何を“強奪”しており、“パターン青の何”と戦っていたのか非常に分かりづらかった点と比較するとその差は歴然だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
北海道の用水路で“巨大な外来魚”を捕獲→さばいてみると…… 中から出てきた“ヤバすぎる物体”に大興奮「ずっと釘付け」
-
「3人目!?」「妊娠何ヵ月?」 榮倉奈々、公開した動画に映ったまさかの“ぽっこりおなか” 仲良すぎな夫婦ショットにファン爆笑
-
アレン様、りゅうちぇるさんの“暴露”が「中居正広のことでは?」という説に言及
-
四つん這いで撮影中、背中に乗ってきたのは…… フォロワー48万人の人気写真家に起こった奇跡に「羨ましい」「動けない」
-
登録者80万超の34歳YouTuberが“健康上の理由”で死去……逝去前日に“体重”巡って意気消沈「情熱と目標なくなった」「とても寂しい」
-
「こんなおばあちゃん憧れ」 80代女性が1週間分の晩ご飯を作り置き “まねしたくなるレシピ”に感嘆「同じものを繰り返していたので助かる」
-
幼稚園の「名札」を社会人が大量購入→その理由は……斜め上のキュートな活用術に大反響 2024年に読まれた面白記事トップ5
-
Amazonから“まさかの箱”で荷物が到着 珍しすぎる光景に「剥き出しで届いたのかと」「これ欲しさで買い物する」の声
-
「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
-
67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と大反響 2024年に読まれたコーディネート記事トップ5
- ryuchellさん姉、母が亡くなったと報告 2024年春に病気発覚 「ママの向かった場所には世界一会いたかった人がいる」
- ハードオフに1650円で売られていた“まさかの掘り出し物”→修理すると…… 見事な復活劇に「相場が上がってしまうw」
- 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに……衝撃の経過報告に大反響 2024年に読まれた生き物記事トップ5
- 北海道の用水路で“巨大な外来魚”を捕獲→さばいてみると…… 中から出てきた“ヤバすぎる物体”に大興奮「ずっと釘付け」
- 【ハードオフ】2750円のジャンク品を持ち帰ったら…… まさかの展開に驚がく「これがジャンクの醍醐味のひとつ」
- 「脳がバグる」 ←昼間の夫婦の姿 夜の夫婦の姿→ あまりの激変ぶりと騙される姿に「三度見くらいした……」「まさか」
- 幼稚園の「名札」を社会人が大量購入→その理由は……斜め上のキュートな活用術に大反響 2024年に読まれた面白記事トップ5
- 米津玄師、紅白で“205万円衣装”着用? 星野源“1270万円ネックレス”も話題…… 「凄いお値段」「びっくりした」
- 【今日の難読漢字】「手水」←何と読む?
- サバの腹に「アニサキス発見ライト」を当てたら……? 衝撃の結果に「ゾワっとした」「泣きそう」と悲鳴 その後の展開を聞いた
- ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
- パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
- 東京美容外科、“不適切投稿”した院長の「解任」を発表 「組織体制の強化に努めてまいる所存」
- ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
- 「何があった」 絵師が“大学4年間の成長過程”公開→たどり着いた“まさかの境地”に「ぶっ飛ばしてて草」
- フォークに“毛糸”を巻き付けていくと…… 冬にピッタリなアイテムが完成 「とってもかわいい!」と200万再生【海外】
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 鮮魚スーパーで特価品になっていたイセエビを連れ帰り、水槽に入れたら…… 想定外の結果と2日後の光景に「泣けます」「おもしろすぎ」