最近、道路から「自転車横断帯」が減っている 一体なぜ?

え? そうなの? そういえば最近あんまり見ないかも……? ともあれ皆さん安全運転を!

» 2021年04月21日 21時00分 公開
[大泉勝彦ねとらぼ]

 近年、横断歩道の「自転車横断帯」がなくなってきています。

自転車横断帯 撤去 自転車横断帯が撤去された横断歩道(“消し”が甘く、うっすら残っているが)(写真:大泉勝彦、以下同)

 自転車横断帯は、道路にある自転車用の横断場所を示すエリアのこと。横断歩道と隣接し、自転車の図や「じてんしゃ」の文字が書かれています。

 しかし最近、この絵や線が削り取られ「自転車横断帯が撤去される」ことが増えてきています。これはなぜなのでしょう。

自転車横断帯 自転車横断帯がある横断歩道。普段から目にしているもので、あたり前にあるものだと思っていましたが……

 自転車は道路交通法上「軽車両」に分類されます。車両なので、原則として歩道を走ってはならず、道路(車道)を左側通行することと定められています。近年、車道の左端に自転車が走る場所であることを示す「青い舗装」や「青い矢印」が塗られるようになったのを見たことがある人、ご存じの人も多いと思います。

 一方、道路交通法(第63条の6)では、自転車で交差点を通過するときに「自転車横断帯がある場合は、自転車横断帯を通らなければならない」とも定められています。

 このルールに沿うと、車道の左端を走っていた自転車は「いったん交差点を左折する動き」をして横断歩道の自転車横断帯を通り、交差点を通過することになります。

自転車横断帯 自転車横断帯が存在するときの通行方向(赤色)と自転車横断帯がないときの進行方向(青色)
自転車横断帯 現行法における自転車が交差点を直進するときの通行方法イメージ(出典:国土交通省「自転車通行空間の種類と通行ルール」

 しかし、これでは危険なことがあります。横断歩道を渡る歩行者目線でも危ない、左折しようとする自動車目線でも危ない。「そんなはずはない」「大丈夫だろう」などと自転車、自動車、歩行者それぞれの判断が入れ違って事故になる危険な状況が生まれやすくなっていました。

 このことは「不自然かつ不合理」とし、警察庁は2011年10月、一部の自転車横断帯を撤去するよう全国の警察などに対して通達し、全国的に「自転車横断帯の撤去」が進められるようになりました。

自転車横断帯 とはいえ自転車横断帯が廃止されたわけではない。通行量が多い大きな交差点や歩道に自転車レーンがある道路では安全のために機能し、新設されることもある(画像はイメージ)

 この通達は、自転車は「車両である」ということをあらためて周知させるとともに、自転車専用の通行空間を整備して、自転車と歩行者の分離を徹底するよう促したもの。自転車の通行する場所として歩道に指定されている場合を除き、横断歩道の自転車横断帯はなくなりつつあります。

 とはいえ自転車横断帯が廃止されたわけではありません。自動車の通行量が著しく多い大きな交差点、自転車専用道が整備され自転車と歩行者が完全に分離されている場所などでは、安全のため、自転車横断帯が新設されることもまだあります。

 あらためて、自転車は車両。皆さんも「だろう運転」ではなく「かもしれない運転」を、そして交通法規とルールをしっかり意識し、正しく守って乗ることに努めましょう。

大泉勝彦



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2504/24/news063.jpg 食パンの留め具、捨てないで! ペタっと貼るだけで…… 目からウロコの“活用法”が100万再生「天才」「絶対試す」【海外】
  2. /nl/articles/2504/17/news162.jpg 築53年家賃4万円・何てことない団地のドアを開けると…… まさかの空間出現に驚きの声「素敵」「ここまでお洒落に」
  3. /nl/articles/2504/22/news021.jpg 自販機に“1000円”を入れたら……? 出てきた“とんでもないお釣り”にお口あんぐり「こんなん初めて見た」
  4. /nl/articles/2504/24/news043.jpg 「久々の大ヒット」 ワークマンの暑さ対策最強“2900円アウター”に絶賛の声 「マジで涼しい」「夏はこのウェア一択」
  5. /nl/articles/2504/23/news183.jpg 園遊会のお土産「1個800円超えの和菓子」が話題に ほどよい甘さが特徴【天皇皇后両陛下主催】
  6. /nl/articles/2504/24/news104.jpg 「え?」「マジか」 サイゼリヤ、“人気メニュー”の消滅に悲しみの声 「安泰だとおもってたのに」
  7. /nl/articles/2504/24/news149.jpg マクドナルド、突然“最強のアイテム”を発表→いきなりの凶行に「なんでそういうことするんw」「欲しすぎる」 “元祖”も反応
  8. /nl/articles/2504/23/news038.jpg 先祖の残した箱を開けたら“謎の絵”が出てきて…… 不明な正体に「教えてツイッターランドの人」→「激アツ」「なんか既視感」と890万表示
  9. /nl/articles/2504/24/news156.jpg 「もはや別物」 人気ブランドの“復刻アパレル”が話題も…… 「全然違う」「なんで」複雑な受け止め広がる
  10. /nl/articles/2504/23/news011.jpg ティッシュの空箱に、クリアファイルを貼るだけで→この発想はなかった! 便利でかわいいアイテムに反響
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「成長したらそのうち襲ってくる」と言われたワニ、16年後……→ 280万回再生を突破した驚きの姿に「初めて見た」の声
  2. 【大阪万博】皇后さま、帽子から靴までブルーとピンク 天皇陛下のネクタイと“連日おそろいコーデ”
  3. 飲み終えた“コーヒーかす”→捨てずに石と混ぜると、1カ月後…… 「感動」目からウロコの裏ワザに「やってみよう」
  4. 人里離れた山にカメラを設置→1週間後…… 「なんで?」映っていた“意外すぎる住人”に「笑った」「実在していたのか!」
  5. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  6. 「ウソだ…」「言葉が出ない」 幼少期から絵を描き続けた少年→15年後…… 大人になって描いた絵が100万再生【海外】
  7. 湘南の砂浜に打ちあがった“超危険生物”を飼育したら…… 貴重な姿に「初めて見ました」「かっこいい」と大反響→2年後の現在について話を聞いた
  8. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」話題になった飼い主に聞いた
  9. 万博「ミャクミャク」記念500円硬貨、金融機関での「品切れ」&高額転売相次ぐ…… 5倍以上の金額で出品される事態に
  10. マクドナルド、次回ハッピーセットコラボに「争奪戦すごそう」 品切れや転売の懸念も「1個でいいから欲しい」「たくさん作って」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 【べらぼう】“問題のシーン”、「子供に見せられない」 身体張った27歳俳優へ「演技やばくない?」
  2. 「恩師ビックリするやろなぁ」 中学3年で付き合い始めた“同級生カップル”が10年後…… まさかの現在に反響
  3. 「本当に迷惑」 宅急便の「不在連絡票」と酷似のチラシが物議…… ヤマト運輸「配布中止申し入れ」
  4. 「うそでしょ!?」 東京ディズニーランド、“老舗”レストランの閉店を発表 「とうとう来てしまったか」「いやだああああ」と悲しみの声
  5. 雑草ボーボーの運動場に“180羽のニワトリ”を放ったら…… 次の日、まさかの光景に「感動しました」「すごい食欲」
  6. 40歳・女性YouTuber「18年間、脇毛を処理していない」→“処理しない理由”語る 「脇のみならず……」
  7. コメダ珈琲店で朝、ミックスサンドとコーヒーを頼んだら…… “とんでもない事態”に爆笑「恐るべし」「コントみたい」
  8. 息子の小学校卒業で腕を組んだ34歳母→中学校で反抗期を迎えて…… 6年後の姿に反響 「本当に素敵!」「お母さん、変わってない!?」
  9. Koki,、豪邸すぎる“木村家の一室”がウソみたいな広さ! 共演者も間違えてしまうほどの空間にスタジオビックリ「コレ自宅!?」「ちょっと見せて」
  10. 使わない靴下をザクザク切って組み合わせると…… 目からウロコの再利用法が2500万再生「とてもクリエイティブ」【海外】