仏名優ジャン=ポール・ベルモンド逝去に元仏代表ジダンら追悼 仏では『ルパン三世』『コブラ』に影響と報道も(1/2 ページ)
フランスの“国宝”とマクロン大統領。
「勝手にしやがれ」(1960年公開)「気狂いピエロ」(1965年公開)などで知られるフランスを代表する俳優ジャン=ポール・ベルモンドが9月6日(現地時間)、パリの自宅で亡くなりました。88歳でした。日本ではヌーヴェルヴァーグを代表する俳優という印象が強い一方、フランスでは危険なアクションをこなし強靭な肉体を持つイメージも強い俳優でした。バンドデシネ(フランス・ベルギーを中心とした漫画)のヒーロー像にも影響を与え、スポーツ愛好家でも知られるベルモンドの死を多くの人が悼み、仏国内外のメディアが報道しています。
エマニュエル・マクロン仏大統領は自身のSNSで「彼はずっと“ル・マニフィック”(※素晴らしい人という意味、主演した1973年の映画『おかしなおかしな大冒険』の原題)です」とコメント。「ジャン=ポール・ベルモンドは国宝であり、豪快ではじけるような笑いに満ち、大きな声としなやかな身体、気高いヒーローであると同時に親しみやすい存在、疲れを知らない無鉄砲な人であると同時に言葉の魔術師でもあった。彼の中にみんな、自分自身を見いだしました」とベルモンドについて表現しました。
スタントを使わず自ら激しいアクションに挑む作品で次々とヒットを飛ばしたベルモンドは、香港の俳優ジェッキー・チェンらによる後年のアクション映画にも影響を与えたといわれています。スポーツ愛好家で、観戦はもちろん激しいアクションをこなす基盤となる身体を作るためにも自ら競技に取り組んでいました。元サッカー選手のジネディーヌ・ジダンは自身のSNSへ「ジャン=ポール・ベルモンド、“ル・マニフィック”。みんなが愛した偉大な人」とベルモンドがサッカーをする姿など数枚を公開して追悼しています。
東京オリンピックでは個人で銅、団体で金を獲得したフランスの柔道家テディ・リネールは、ベルモンドと撮った写真をSNSに公開し「伝説的な俳優であり、スポーツに情熱を注ぎ、唯一無二のプロフェッショナルであるこの偉大な人物に会えたことは、私にとって大変光栄なことでした」と追悼。「私の思いは彼の家族と友人にあります。さようならムシュー・ベルモンド、安らかに眠ってください。私たちに残してくれた全てに感謝します」とコメントを添えました。
仏パリに拠点を置くサッカーチーム、パリ・サンジェルマンFCは設立当時、ベルモンドが出資していたことが知られています。同チームは「ジャン=ポール・ベルモンドが月曜に88歳で亡くなったことを知り、パリ・サンジェルマンFCファミリー全員が深く悲しんでいます」との声明を発表。「私たちの“ベベル”はずっとフランス国民から愛される俳優の1人であり、ゴールキーパーとして熱心にプレイしていたサッカーに夢中でした」とコメントし、ベルモンドの家族と友人にお悔やみを述べています。
また若いころから、テニスの4大国際大会全仏オープンを観戦することも多かったベルモンド。大会公式SNSは観戦中のベルモンドの写真とともに「偉大な俳優のジャン=ポール・ベルモンドが亡くなったことを知り悲しみに暮れています。全仏オープンは最も忠実な恋人の1人を失った、孤児となりました」とベルモンドが同大会に大変な情熱を注いでいたことを明かしています。
ベルモンドはバンドデシネにも大きな影響を与えていました。『孤独のグルメ』作画の故・谷口ジローさんが影響を受けていたことを公言していた仏漫画家ジャン・ジロー(※メビウスの本名)の代表作「ブルーベリー」はベルモンドにインスパイアされたもの。
また仏Le Figaro紙では「日本でもジャン=ポール・ベルモンドの男性的でゆったりした雰囲気が模倣されている」として故モンキー・パンチさんの『ルパン三世』と寺沢武一さんの『コブラ』を例に挙げました。さらに「寺沢武一さんは『コブラ』を制作する際に「ベベル」の体格だけではなく彼の演じるキャラクターの特徴(魅惑的、シニカル、口うるさい)からもインスパイアされた」とも付け加えられています。
カンヌ国際映画祭のTwitterは、ベルモンドが名誉賞であるパルム・ドール・ドヌールを受賞した2011年でのエピソードに写真を添えてツイート。「カメラマンたちは“彼に拍手を送るため”と階段にカメラを置いた。人として、俳優としての度量の広さが映画史に残る名場面を生み出した。ありがとうジャン=ポール」とベルモンドをたたえ追悼しました。
仏パリのアンヴァリッドでは9日に故人を追悼する国家式典が催され、葬儀は10日にサン=ジェルマン=デ=プレ教会で執り行われる予定です。
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