ゆるふわ女子の日々を眺めながら、凄惨な中学生の悲劇を追う 2回目の「Project:;COLD」は情報量マシマシ、エモさマシマシあのキャラに花束を(1/5 ページ)

謎解きに必要な情報もノイズも、制作者の愛でいっぱい。

» 2022年04月04日 20時30分 公開
[たまごまごねとらぼ]

 その子たちの命を救えるかどうかは、キミの手にかかっている。セーブとロードはできない。

 不可逆性SNSミステリー「Project:;COLD(プロジェクトコールド)」。1回参加したらもう二度と戻れない。2020年〜2021年にかけては1回目の「case.613」が、そして2022年の3月には2回目の「case.633」が開催されました。

 あたかも現実かのようにSNSを通じて事件が起こり、拡散される。そこに実際に参加して、解決していく。惨劇が止められるかどうかは、参加者には分からない。

 現実と仮想を曖昧にした、独自に進化しまくった次世代のエンタメです。一般的なゲームと違って繰り返し体験することができません、1回限りです。4月1日にシーズンの2回目が完結したばかりなのですぐに体験するのは無理なのですが、紹介させていただきます。今回グレードアップした上に、次の体験の機会がありそうだからです。そのときに、見逃さないでほしいからです。

ライター:たまごまご

たまごまごプロフィール

道民ライター。マンガ・アニメ・VTuber・サブカルチャー中心に活動中。「MoguraVR」「クイックジャパンウェブ」「コミスペ!」「PASH!」「コンプティーク」などで執筆中。萌え系学習書を数冊出してます。好きなマンガは女の子が殴り合うやつ。
Twitter:https://twitter.com/tamagomago
ブログ:https://makaronisan.hatenablog.com/



 

昨日話していた女の子が明日死ぬ「case.613」

 めちゃくちゃざっくりと言うと「子どもたちを巻き込んだ惨劇が起きる」「SNSで事実であるかのようにリアルタイムで情報が出る」「随所にちりばめられたヒントをもとに協力して謎を解く」という、SNSを利用した大型脱出ゲーム的なエンタテインメントです。まずは一回目の「case.613」を振り返ってみます。



 2020年、なんの予告もなく最初にアップされたのは女子高生バンドグループ「都まんじゅう(以下・公式略称「みやまん」)」の動画でした。当時は、新しいVTuberなのかなーくらいに思われていました。バンドメンバー個性豊かな女の子6人登場で和気あいあい。まんがタイムきららさながらのふわふわ青春タイムがはじまるかと、思われました。



 ところがこの佐久間ヒカリのTwitterに、投稿がありました「佐久間ヒカリの母です ヒカリが27日永眠いたしました 生前は仲良くしてくださり 本当にありがとうございました(現在は物語内での世界改変が入ったため投稿者名が変更されています)」

 めちゃくちゃ心臓に悪い。みやまんの子たちって当たり前の女子高生のツイートしてなかった? ファンのコメントにたまにレスしてたよね。昨日話していた女の子が、死んだの? 悪いジョークだ。

 このイベントを知らない第三者が見たら、本当の死亡事件だと勘違いしかねない。良くも悪くもちょっと騒然としすぎちゃったためこれ以降は「フィクションです」の文字が動画などに入るようになりました。そのくらいSNSのリアルとフィクションの曖昧さを露呈した瞬間でした。



 動画、Twitterをはじめとして、公式サイトや“ずっと真夜中でいいのに。”のMV、舞台になっている市の広報、メール、VRChatなどありとあらゆる「情報媒体」に伏線が散りばめられ、ファン(融解班と名付けられています)は彼女たちを救うべく奔走しました。

 今からでも過去の物語の流れは楽しむことができます。でもSNSにでつながった身近に感じられた子たちが死んだ絶望感、救うためにSNSで知らない人と全力で協力したことなどの「体験」はあまりにも強烈。どんなに言葉で説明しても伝わらない、その時参加した人にしか感じられないものでした。

 6人は融解班の協力の結果全員救われ、事件解決後に間をおいてから高校をちゃんと卒業します。時系列に沿って6人のキャラクターが成長し、今もちゃんと生き続けている、というのもこのプロジェクトのすごみでした。

<漂流プロジェクト>Project:;COLD case.613を終えて|藤澤 仁|note

 制作者による裏話もアップされています。「最終回まで実名を伏せたのは、作品自体が持つ神秘性を損ねたくないという想いがあったためだ。」とあるように、脚本・総監督名は最後まで出ませんでした。出さないことで没入させる、世界観を作るクリエイターの意地を感じます。

 

       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  2. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  3. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  4. /nl/articles/2404/25/news043.jpg 娘の給食の献立表を見たら…… 正体不明の“謎の料理名”が「これはわからんw」と話題に その意外な正体に納得!
  5. /nl/articles/2404/25/news129.jpg プロ野球チップスでまた“不良品”流出 伊藤大海「176m」表記に続き…… カルビー謝罪「深くお詫び」
  6. /nl/articles/2404/24/news018.jpg 1年半ケージに引きこもっていたシャーシャー猫が、ある夜布団に入ってきて…… 感涙の行動に「まるで別猫」「こんな日が来るなんて」
  7. /nl/articles/2404/24/news017.jpg メルカリで300円の紙モノセットを買ってみたら…… 出品者のあたたかな心遣いに「利益は考えていないんでしょうね」「見ててわくわくします」
  8. /nl/articles/2404/23/news185.jpg 子どもに高級キーボードのパーツを捨てられた → 公式の“先読みしすぎた対応”が話題「そういうこともあろうかと」
  9. /nl/articles/2401/18/news015.jpg 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに…… 衝撃の経過報告に「死なないで」
  10. /nl/articles/2404/22/news124.jpg ダイソー「マルチ万能ほうき」が家事ラクの救世主 名前負け知らずの便利さに「これやばっ!!」「220円に驚き」の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」