「言いがかりともいえる内容」 鳥取県の“有害図書指定問題”で県が指定理由を説明、出版社は怒りのコメント(1/2 ページ)
個別の指定理由への見解には誌面などで述べる予定とのこと。
鳥取県の有害図書指定を理由に書籍がAmazonで販売停止された問題で、出版元の三才ブックスが新たな意見書を公開しました。県から送られてきた有害図書指定理由を明記したメールについて、非常に強い言葉で非難しています。
この問題は、2022年2月から三才ブックスの書籍『アリエナイ医学事典』『アリエナイ工作事典』『裏グッズカタログ2022』の3冊が、鳥取県で有害図書指定されAmazonでの販売を停止されたもの。三才ブックスは県の不透明な審議プロセスに対し、「鳥取県で本を販売することが、もはやリスクといえる事態」と抗議していました。
この件の担当である鳥取県の子育て・人財局は2022年9月8日、有害図書指定理由を明記したメールを三才ブックスに送付。これを受け三才ブックスは9月17日、意見書を発表しました。
三才ブックスは県のメールに対し、「指定したことを正当化するため、言いがかりともいえる内容」と非難。さらに、「鳥取県青少年健全育成条例施行規則第8条の規定を根拠」として「『殺人、強盗、 傷害、暴行その他の反社会的行為の準備又は実行行為の手段又は経過を詳細かつ著しく刺激的に表現しているもの』という規定が多用されて」いるものの、規定の前提である「全体的な内容が生命の尊厳を損なうような表現により殺人、暴力等を興味本位に取り扱うことを主眼としていると認められるもの」に対する言及が一切なく「鳥取県はこの前提を完全に無視していることが明白」と指定の理由に対しても強い不信感をあらわにしています。
三才ブックスでは今後、ラジオライフ誌面で引き続きこの問題を取り上げていくとのこと。対象となった書籍は「科学と工学、医学に興味を持ってもらうことに主眼を置いている」ことを強調し、「一切の文脈を無視して『○○が載っているから危険』などと短絡的かつ雰囲気で、一方的に『有害』だと決めつけられることに強い憤りと恐怖を感じます」と締めくくりました。
なお、個別の指定理由それぞれに対する見解については、またあらためてラジオライフ誌面などで述べる予定としています。
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