医者「今年の冬はマスクを外すべきではない」 政府の“脱マスク”に寄せられる不安を医者にぶつけてみた(1/3 ページ)
「『外したくない人がマスクをつけ続けること』は間違った判断ではない」。
政府が“脱マスク”に向けた呼びかけを開始し、国民のなかからは「世の中がマスクを外せる雰囲気ではない」「COVIDー19(新型コロナウイルス感染症)の変異株やインフルエンザが心配……」など、戸惑いや困惑の声が広がっています。
厚生労働省による呼びかけは、「屋外では他人との距離を2メートル以上確保でき、会話をしない場合は、季節を問わずマスク着用は原則不要」「屋内では他人との距離を2メートル以上確保でき、会話をしない場合以外は、マスクの着用をお願いする」というもの。岸田首相や加藤厚生労働大臣も同様の呼びかけをしています。
一方で、民間のアンケートやSNS上では、「屋外でも感染対策をしたい」「まわりの目が気になる」「マスク着用が習慣になっている」など、“脱マスク”の動きを不安視する声が少なくありません。筆者もまだ不安な気持ちが消えず、屋内だけではなく屋外でも基本的にマスクを着用しています。
政府が“脱マスク”に向け前向きな姿勢を見せるなか、多くの国民がいまだ不安を抱えている。そんな意見が分かれる状況下で、この冬をどう乗り切れば良いのか――。今回は、医療法人社団藤和会あんどう内科クリニックの安藤大樹院長に、そんな不安をぶつけてみました。
「条件を満たした屋外ではマスクなし、屋内では原則的にマスクあり」
――SNS上では「野外では原則マスク非着用と言っても、飲食店など商業施設ではマスクの着用を呼びかけられる」という声を見かけました。屋外では原則的にマスクを外して、屋内に入るときにはマスクを付けるというのが“正しい対応”という認識で大丈夫でしょうか。
安藤院長:政府は2022年5月の感染防止の基本的対処方針として、「屋外において他者と身体的距離が確保できる場合、および他者と距離がとれない場合であっても会話をほとんど行わない場合はマスクの着用は必要ない」と発表しました。おそらく、夏場の熱中症対策の意味合いが大きかったと思いますが、これは現時点でも妥当な対応だと思います。
新型コロナウイルスの主な感染経路は「接触感染」以外では、「エアロゾル感染」と「飛沫感染」です。前者は「換気の悪い閉鎖空間」、後者は「他人と2メートル以内の距離」がリスクになります(※)。
※「接触感染」はウイルスを含む飛沫を直接触ったか、ウイルスが付着したものの表面を触った手指で露出した粘膜を触ること。「エアロゾル感染」は空中に浮遊するウイルスを含むエアロゾルを吸い込むこと。「飛沫感染」はウイルスを含む飛沫が口、鼻、目などの露出した粘膜に付着すること(参考:国立感染症研究所「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染経路について」)
屋外であればこの2つのリスクを回避できますので、マスクを外しても原則的に問題ありません。屋内でもこのリスクを回避できる状況、つまり「人との距離が2メートル以上離れていて、会話がなく、かつ換気が十分にされている」ならば、原則的にマスクの着用は必要ありません。
ただ、ショッピングモールなどの商業施設、テーブルの距離が2メートル以上確保できない飲食店、会話が弾みがちな居酒屋など、多くの場所ではリスクを回避できません。そう考えると、「条件を満たした屋外ではマスクなし、屋内では原則的にマスクあり」というシンプルな認識が良いと思います。
「『外したくない人がマスクをつけ続けること』は間違った判断ではない」
――政府のマスクに関する呼びかけは科学的根拠にもとづいたものだと思いますが、国民には十分に浸透していません。マスクを外していない人に理由を聞くと、私自身もその部分があると思いますが、「まわりの目が気になるから」など、いわゆる“空気感”も大きく影響していることが伺えます。
安藤院長:確かに、日本におけるマスク着用の理由は“空気感”が大きいと思います。また、若い世代からは「マスクをするのが普通」「外している方が恥ずかしい」といった意見もよく耳にします(※)。3年も続けばもはや“文化”として定着しているので、それを半強制的にやめさせるのは無理があると思います。
※民間のアンケート調査では、50代では「屋外でも感染対策を行いたいから」が57.78%と過半数を占めているのに対し、40代以下では「まわりの目が気になるから」「マスク着用が習慣になっているから」「マスク着用に慣れてしまい、恥ずかしく感じるから」などに回答が見られました(関連記事:屋外でマスク「外していない」が54% 理由は?)
そもそも、いくつかのデメリットの指摘はあるものの、マスク自体の感染対策に対する有効性はほぼ証明されており、「外したくない人がマスクをつけ続けること」は間違った判断ではないと思います。
しかし、昨今の政府からのマスクに関するアナウンスは、「マスクを外すこと」を半ば強要するような流れになっています。もちろん、政府の発表は科学的根拠にもとづいていますが、今の発表の仕方ではマスクを外したくない人たちの反発を招きかねず、得策とは言えません。残念ながら、「政府発表」というだけで懐疑的になったり、聴く耳を持たなかったり、そもそも発表されたことを知らなかったりする人たちも大勢います。
発表自体は必要ですが、大切なのは「マスクを外したい人が外しやすい環境作り」だと思います。発表後にSNSをはじめとしたいろいろな媒体を利用し、もっとキャッチーにマスクを外す“文化”を広めていく必要があります。そうすれば、徐々にマスクを外す人が増え、結果的に「マスクを外しやすい環境」が広がっていくと思います。
「企業のルールは『経営陣の考え方』が反映されやすい」
――日立製作所やGMOインターネットグループなど一部の企業でも、社内で“脱マスク”の動きが見られます。会社などの組織では「すでにマスクは不要」と考えている人がいる一方で、「まだマスクは必要」と思う人が一定数いることなどから、この動きには批判の声も見られます。
安藤院長:さきほどの話と重なりますが、日本人にとって“空気感”は大きな要素です。そういう意味では、大企業が率先して“空気感”を作っているのは良い傾向だと思います。
それぞれの企業のマスク着用に関するガイドラインを見ると、政府発表を踏まえたうえで「着用を強く推奨する場面以外マスク着用は任意」となっており、決して強要するような内容ではありません。むしろ「政府見解を自社の状況に置き換えて、より具体的に分かりやすく提示したもの」なので、とても有意義なものだと思います。
ただ、ここでも問題になるのが「マスク不要グループ」と「マスク必要グループ」の間の価値観の相違です。企業の場合は、どうしても「経営陣の考え方」が反映されやすくなります(※)。マスクの着用の有無に関しては、対策に対しての予算確保というマイナス面はあるものの、新型コロナウイルスの対策に対して客観的な判断ができる部門を作り、社内の空気感が偏らないような広報活動をする必要があります。
※GMO代表取締役グループ代表 会長兼社長執行役員・CEOの熊谷正寿さんは「人類は誕生以来互いに顔を見ながらコミュニケーションを取ってきた。在宅勤務とマスクを続けていたらビジネスでは勝てません」と持論を展開。社内では賛同の声のみならず、懸念の声も見られたため、SNS上では賛否が渦巻きました(関連記事:「取り組みが早い」「コロナ対策として逆行」 GMOがマスク着用を「任意」に変更で賛否渦巻く 会長「在宅勤務とマスク継続はビジネスで勝てない」)
一方で、定量的なデータはないものの、マスク着用にともなうコミュニケーション能力の低下、人間関係の希薄化、脳への酸素供給量低下などからくる作業効率の低下など、経済的な損失は非常に大きいことが予想されます。いずれにせよ、「マスク不要グループ」「マスク必要グループ」いずれの価値観も守られるような環境づくりに努めることが必要だと思います。
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