獣に足をかまれ「ポックリ死ぬ」と診断された野良猫が奇跡を起こし…… 病を乗り越えた元気いっぱいな姿に勇気をもらう
第13回は元野良猫の「ジャック」くんと「しっぽ」ちゃんです。
近年、動物の虐待や飼育放棄、悪質な業者による販売、不適切な飼養が社会問題となっています。個人や団体、地域が行き場をなくした動物たちを守るため、日々保護活動に取り組む一方で、動物たちが命を失う悲劇は後を絶ちません。
私たちの身近な場所で繰り返されている、動物たちの殺処分や衰弱死などの厳しい現実。しかしまた一方で、動物との心あたたまる出会いや愛に満ちた生活が、保護活動によって生まれ、営まれていることも事実です。微力でも地道に保護という選択を伝え続けていくことが、動物たちの命を守ることにつながるかもしれません。
そこで、ねとらぼ生物部では保護動物と暮らす読者にアンケートを実施。寄せられた数々のエピソードと写真を紹介するとともに、尊ぶべき命の輝きや、愛する家族との暮らしの喜びを伝えていきます。
第13回は飼い主・よだ(06yoda24)さんと暮らす猫「ジャック」くん(現在の年齢:推定3歳)と「しっぽ」ちゃん(現在の年齢:推定2歳半)。必然とも思える2匹との出会いや保護後の闘病生活、その後奇跡的に回復したエピソードをご紹介します。
―― 2匹との出会いと、保護当時の状況を教えてください
よださん:出会いは2020年の春ごろ。2匹は仕事場の横にある施設に住み着いてた野良猫でした。朝出勤をした私の車を見かけると迎えにきてくれるなど、そのころから2匹には癒やされていましたね。
最初は施設の方々が2匹にエサをあげていたのですが、コロナ禍で出勤が減るとのことで、私が代わりにエサやり係に立候補したんです。
しっぽを保護したのは、生後8カ月ぐらい。施設の方から「おっとりした性格で母猫と折り合いが悪く、保護しないと生きていけないから引き取ってくれないか」と打診がありました。
ジャックは獣に片足をかまれてケガをしており、心配で様子を見ていました。その後、治ったかと思っていたのですが、1週間見かけない時期があり、足を引きずって帰ってきたんです。
真冬だったこともあり、「これはやばいな」と感じて1歳半ぐらいのときに保護しました。もともとはしっぽだけ保護するつもりだったんですが、施設の方が「ジャックのケガもまとめてお願いします」という状況で、なかば強引にお願いされました。
保護当初、ジャックは菌が骨にまでいっているとのことで熱があり、「菌が心臓にいったらポックリ死ぬ」とまで言われていました。抗生剤のような2週間しか効かない注射を打たれ、薬が効いてる間は足を引きずらなかったのですが、きれたら足を引きずり、熱を出しました。
当時の住居は猫の飼育不可だったので、結構遠くにまで引っ越しをすることに。引越し先の近くの病院に行ったら、「注射でダメだったなら飲み薬に変えます」とのことで、薬をエサに混ぜたら幸い気付かずに食べてくれました。その4カ月後にやっと熱が下がったんです。
―― 2匹の現在の様子を教えてください
よださん:ジャックは微妙に足を引きずっていますが、山は超えました。また2匹とも猫エイズ(FIV)と白血病のダブルキャリアですが、仲良く元気に生活しています。
―― 最後に、2匹に対する思いを聞かせてください
よださん:とにかく発症せず、ふたりで元気に仲良く生きてくれたら、それだけでいいです。あとは、私以外の人にも少し人慣れしてほしいなと思います。
(了)
仕事場で癒やしを与えていてくれたふたりに、今度はよださんがお返しをするという、すてきなエピソードでした。よださんのInstagram(06yoda24)では、ふたりがよださんに甘えるかわいらしい姿や、仲良くのびのびと過ごす現在の姿が見られます。
境遇は違えど同じ場所でよださんと出会い、家族となったジャックくんとしっぽちゃん。同じ黒猫さん同士で寄り添う仲睦まじさを見ていると、ほんとうのきょうだいのように見えてきますね。
ねとらぼ生物部では、引き続き「保護動物のエピソード&お写真」を募集しています! 犬猫、小動物、爬虫類など、動物のジャンルは問いません。アンケート内容とお写真は部内で審査の上、記事で紹介する可能性があります。
愛する家族との出会いのエピソードや、クスッと笑ってしまうかわいいお写真など、お気軽に【こちら】までお寄せください。生き物にまつわるさまざまな謎を調べる「あの謎を調べて!」も大募集中です! 皆さまからのご応募、お待ちしています。
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