徹底考察「名探偵コナン 黒鉄の魚影」 コナンファンが語り尽くす5つのポイント【ネタバレあり】赤いシャムネコ・将来の終わりが語る(1/7 ページ)

ネタバレありで徹底考察!

» 2023年04月30日 21時00分 公開
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 劇場版コナン最新作「黒鉄の魚影(サブマリン)」について、『名探偵コナン』ファンが勝手に語り明かす緊急対談企画。前回の“ネタバレなし編”記事に続いて、今回の“徹底考察編”では、ネタバレありで作品内容について語っていく。

 作中の5つのポイント「老若認証システム」「ピカイチのキャラクター」「ピンガの行動解説」「黒ずくめの組織考察」「水中ラブコメ」を巡り、コナンファンの赤いシャムネコと将来の終わりが徹底考察。記事の後半になればなるほどネタバレレベルが上がっていくので、未鑑賞の方はご注意願いたい。

 

“櫻井脚本らしい”老若認証システム

赤いシャムネコ(以下、シャム) 今回の物語の中心になっているのは「老若認証システム」。AIによって、ある人のある段階の顔から、年を取った姿、若い姿をAIで自動生成し、全世界の監視カメラの情報と照合をかけられる――という仕組みです。開発者の直美・アルジェントが宮野志保(灰原)にかつて救われた過去を持っていたことから、過去の志保の顔写真をもとに現在の志保の居場所を知ろうとした。それによって子ども化した姿である灰原も引っかかってしまい、絶体絶命のピンチになる……という展開でした。終わりさんはこのシステム、どう見ました?

将来の終わり(以下、終わり) 今回の脚本を担当している櫻井武晴さんらしさがありますよね。櫻井さんは「科捜研の女」のメイン脚本家として活躍しています。このドラマはとにかく新しい科学技術を主軸に置いた作品で、ドローンやDNA鑑定を用いた捜査などはもちろんですが、実証段階の「熱音響冷却装置による遠隔殺人」や「仮想の菌類による犯罪」、はたまた「殺人AI」といったある種ぶっとんだネタなどが次々出てきます。そして櫻井さんの担当作品ではありませんが、もちろん顔認証を扱ったエピソードもあります。シーズン17、第15話「見当たり捜査の鬼/マリコVS顔面記憶男 逃亡犯500人を暴く謎のラーメン」

画像は「科捜研の女 あなたの推しエピソード総選挙!」投票ページより(関連記事

シャム タイトルすごくない?

終わり いつものことです。これはAIと刑事の勘どちらが正しいか……というエピソードなので、本作とは雰囲気が違いますが、櫻井さんがこのような技術に関するアイデアをコナン映画に投入するのは意外ではありませんでした。ちなみにディープフェイクに関しても、櫻井さんとともに「科捜研」メイン脚本を担当する戸田山雅司さんが、2022年に「AIで蘇った悪魔」を書いていますね。これは25年前に死んだはずの男がビデオ通話を通し、現在進行形の毒ガステロを予告してくる。もしやディープフェイクで作られた映像に合わせてAIが話しているのではないか? という面白い設定。

 科捜研についてはあと1時間くらい話したいことがあるんですが(笑)、とにかく、新技術を盛り込んだ作風になっていて、それを書き続けるために櫻井さんはいろいろな科学論文を読んでネタ集めをしていると明かしています。その積み重ねが、「ゼロの執行人」のIoTだったり、「緋色の弾丸」の電磁力を利用した長距離狙撃、そして本作に生かされているんでしょうね。

シャム 櫻井さんの最新テクノロジーのアイデアに関しては毎回ツッコミどころがなくもないですが、今年はわりとよかった気がします。

終わり 櫻井さんがパンフレットのインタビューで、「灰原がピンチに陥る原因が善意である」というふうに語っていたのが僕は印象的でした。老若認証システムは見るからにコナンと灰原を窮地に陥れそうな代物ですが、黒ずくめの組織がそのシステムを開発したわけでも、シェリー発見のために使おうと最初から思っていたわけでもない。開発者である直美が志保にかつて助けられ、「彼女にもう一度会いたい」という気持ちが、灰原を最大のピンチに導いてしまうというのがとてもよかった。

シャム 直美とシステムの話から、人種差別について描こうとしているのも僕は好感を持ちました。直美は人種差別に抵抗しているキャラクターですが、原作では、灰原の母・宮野エレーナがそうなんですよね。志保がまだお腹にいるころのエレーナが、幼き日の降谷零にその思いを示すエピソードがある。今回、灰原をフィーチャーした物語を作る上で、エレーナを踏まえたキャラとして直美が作られていったんだろうなと感じます。公開前の予告映像でも、エレーナと安室にスポットを当てたものがありましたし……。

終わり 「バイバイだね、零くん」と「バイバイだね、江戸川コナンくん」を重ねているあの予告………でもあれ予告詐欺じゃない!? エレーナ、今回の映画に出てないじゃないですか!

シャム 僕も予告詐欺だ!!! と思ったんですけど、よく見ると「予告」とは一言も書いてなくて、「特別映像」というくくりでした。

終わり 叙述トリックじゃん。

「バイバイだね、零くん」と「バイバイだね、江戸川コナンくん」を重ねた特別映像

「黒鉄」アイドルウォッカ、頑張るキール、ファンサービス全開の赤井+安室

終わり 本作は登場人物がすごく多い中、黒ずくめの組織まわりをちょっとオトボケに設定することで見やすさが生まれてましたね。

シャム オトボケじゃないよ! みんな真面目にやってるよ!

終わり 真面目にやってるからのかわいさがありました。映画館でもちらほら笑いが漏れていたのが中盤、ウォッカが他の組織メンバーと話をしているシーン。灰原をさらえとジンから命令されるけど、そこにいるのはバーボン(安室=降谷)とキール(水無)とベルモット。ウォッカ以外全員ジンの言うことを聞かないメンツ。ひどい船だな〜ここは! と和みました。

 さらに灰原の脱出を助けるべく、キールがウォッカに脱出方法をそれとなく聞き出すシーンも最高だった。「お前何も知らないのかよ〜!」みたいな感じで、知ってること聞かれるとうれしくなっちゃう。入社3年目って感じの人。

シャム なんでも喋ってくれちゃう。「大丈夫か、お前」とキールを心配までしちゃって。ウォッカ、これでまた人気出ちゃうね……。僕は今回「ジンって『クソシステム』とか言うんだ!」と興奮しました。あんなエンジニアに対してブチ切れるジン、今後見れないだろうな。

終わり 「コナン」のファンたちはジンに対していろんな気持ちを抱いていて(笑)、何度も何度も言われているのは「1話の遊園地でウォッカとふたりでジェットコースター乗ってるのかわいすぎる」「思い浮かべるシェリーの姿がなぜか裸」。あと「原作では100巻まで組織関係者以外誰一人殺せてない」とか、「愛車を褒められるとちょっとうれしそう」とか。それは好きだからこそいじりたくなっちゃう感じではあるんだけど、それはそれとして今回のジンはちゃんと残酷でよかったですよね。ヘリコプターから潜水艦へ合流していくシーンもかっこよかった。

シャム よかった……。僕がぐっときたのは冒頭ですね。ユーロポールの警察官を逃がそうとしていたキールの右肩越しに撃ち殺すジン。一気にシリアスのレベルが引き上がってよかったです。そして今回は……キールがすごくよかった!

       1|2|3|4|5|6|7 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news174.jpg 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  2. /nl/articles/2404/26/news154.jpg 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  3. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  4. /nl/articles/2404/12/news174.jpg 築年数不明の平屋にある、ボロボロ床板をはがしてみたら…… 発覚したヤバい事実に「ビックリ!」「大丈夫でしたか?」心配と驚きの声
  5. /nl/articles/2404/26/news022.jpg ママの足にくっつく生後7カ月の赤ちゃん、甘えてるのかと思いきや…… 計算された行動と「ちいこい後ろ姿がかわいすぎ」て目が離せない
  6. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  7. /nl/articles/2404/25/news069.jpg “作画軽減ガンダム”をガンプラで作成 → 使用パーツも最小限の再現ぶりに「完全に一致」「部品軽減ガンダム」
  8. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  9. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  10. /nl/articles/2404/26/news024.jpg 0歳赤ちゃん「(ママ来たっ!)」→喜びが抑えきれなくて…… 尊すぎるダンスが300万再生「心が浄化されていく」「朝から癒やされました」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」