ニュース
» 2023年07月27日 19時44分 公開

伝説的ラッパーの指輪、ヒップホップ史上最高額の約1億4300万円で落札 射殺前最後のMTVで着用(1/2 ページ)

今でも強い存在感の2パック。

[城川まちねねとらぼ]

 国際競売会社のサザビーズは現地時間の7月24日、1996年に25歳の若さで亡くなった米ラッパーで俳優の2Pac(2パック)が最後に公の場に姿を現したときに身につけていた指輪が101万6000ドル(約1億4300万円)で落札されたと発表しました。予想落札価格の20万から30万ドル(約2800万円から約4200万円)の3倍以上の値が付いたこの指輪は、ヒップホップ関連の品としては史上最高価格での落札となりました。

2パックの王冠指輪が1億円以上で落札 1996年に亡くなった2パック(画像はサザビーズのInstagramから)

 1996年に2パック自身がデザインしたこの指輪は、彼が同年に出演したMTVビデオ・ミュージック・アワードで着用しており、これが公共の場で目撃された最後の姿となりました。ダイヤモンドとルビーがはめ込まれた王冠型の指輪には、「Pac&Dada, 1996」の刻印が。「Dada」はそのころ2パックの恋人であった、クインシー・ジョーンズの娘キダダ・ジョーンズのことで、2パックと彼女の関係にちなんだ品となっています。

 また、2パックは1995年の服役中に読んだイタリアの思想家ニッコロ・マキャベリの書籍に強く影響を受けたことで知られています。サザビーズは2パックがマキャベリの「君主論」からインスピレーションを得て、中世ヨーロッパの王冠をイメージしながら指輪をデザインしたと説明しました。

2パックの王冠指輪が1億円以上で落札 ルビーとダイヤモンドが輝く(画像はサザビーズのInstagramから)

 指輪を出品したのは2パックの名付け親で資産を管理している“おばさん”ヤスミン・フラ。1995年に2パックが服役を終え結成したヒップホップ・グループ、アウトロウズのメンバーだったヤキ・カダフィの母親でもあります。彼女は2パックの育った環境について「彼はずっと、詩であれ、芸術であれ、論評であれ、何を伝えるにしても、他の人々を高揚させ、刺激するようなメッセージを持たなければならないと教えられてきました。彼は通常のルールや規則に縛られず、自身の持っている権利という観点からものを学んだんです」とコメント。

 そして「もし世の中をよりよくしたいと思っているなら、あの指輪は強力なシンボルです。あの指輪をはめるのであれば、その人は世界にインパクトを与える責任というものを受け入れなければなりません。指輪は、彼が計画を備えた王子であることを認識する方法だったと思います」と指輪がどのような意味を持つものか説明しました。さらに指輪が完成したときについて、「彼はルビーを、ダイヤモンドを、何か精巧なものを欲しがりました。忘れもしません。ついに出来上がったとき、私は指輪を持って歩み寄って、彼がそれを見たんです。彼はただ感動していたと思います」と当時を思い返しています。

2パックの王冠指輪が1億円以上で落札 一度見たら忘れられないインパクト(画像はサザビーズのInstagramから)

 絶大な人気を博し、その音楽が世界に影響を与えただけではなく、見た目や身に着けるもの全てが多くの人を引きつけた2パック。1996年9月13日に米ロサンゼルスのギャング/ギャングスタラップの東西抗争の末銃撃され、25歳という若さでこの世を去りました。彼が亡くなったあとも未発表音源がリリースされたりホログラムとなって生前親交のあったドクター・ドレー、スヌープ・ドッグと共演するなど、人気は衰え知らず。今回の落札価格からもいまだにヒップホップ界において強い影響力があることがうかがえます。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2312/04/news076.jpg 君島十和子の長女・君島憂樹、 “母上のお洋服”を拝借したシャネルコーデが超絶美人 「お人形さんかと」「素敵すぎ」
  2. /nl/articles/2312/02/news048.jpg 「明らかに写真と違う」 東京クリスマスマーケットのフードメニューが物議…… 購入者は落胆「悲しかった」
  3. /nl/articles/2312/04/news026.jpg 貞子もビビって逃げ出すレベル 驚異のハイスピードで迫るハムスターの姿に度肝を抜かれる人続出「怖いよ」
  4. /nl/articles/2312/03/news054.jpg 藤本美貴、“全然かわいくない値段”のテスラにグレードアップ スマホ一つでの注文に「震えちゃ〜う!」
  5. /nl/articles/2312/04/news028.jpg 愛猫に「猫鍋」をもらったのに、夢中になったのは予想外の…… 「違う、そうじゃない」とツッコむ展開に笑ってしまう
  6. /nl/articles/2312/04/news022.jpg 秋田犬の子犬、これで生後4カ月!? ベビーデカワンコの抱っこが「“超”大型犬ですよね」「かわいいの塊でたまらん!」と話題
  7. /nl/articles/2312/04/news021.jpg いつも空いているドッグランが大盛況→常連の柴犬が困惑のあまり…… 胸がキュッとする“うろたえっぷり”に応援の声続々
  8. /nl/articles/2312/03/news057.jpg クロちゃん、20歳年下の恋人に旅行持ちかけるも「行かない」 交際1周年のお祝いもなし「1回しっかりしゃべりたい」
  9. /nl/articles/2312/04/news099.jpg 笑福亭鶴瓶、夜中に“超一流俳優”たちの呼び出しでパジャマ出動 豪華メンツの泥酔姿に「凄いメンバー」「映画撮れそう」
  10. /nl/articles/2312/04/news016.jpg 写真家が「もう二度と撮れません」と語るエゾモモンガの水平飛行 貴重な1枚に「感動しました」「最高です!」と絶賛の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  2. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」
  3. 愛犬と外出中「飼いきれなくなったのがいて、それと同じ犬なんだ。タダで持ってきなよ」と言われ…… 飼育放棄された超大型犬の保護に「涙止まりません」
  4. ミキ亜生、駅で出会った“謎のおばさん”に恐怖「めっちゃ見てくる」 意外な正体にツッコミ殺到「おばさん呼びすんな」「マダム感ww」
  5. 永野芽郁、初マイバイクで憧れ続けたハーレーをゲット 「みんな見ろ私を!」とテンション全開で聖地ツーリング
  6. 道路脇のパイプ穴をのぞいたら大量の…… 思わず笑ってしまう驚きの出会いに「集合住宅ですね」の声
  7. 柴犬が先生に抱っこしてほしくて見せた“奥の手”に爆笑&もん絶! キュンキュンするアピールに「あざとすぎて笑っちゃった」
  8. 病名不明で入院の渡邊渚アナ、1カ月ぶりの“生存報告”で「私の26年はいくらになる?」 入院直後の直筆日記は荒い字で「手の力も入らない」
  9. 小泉純一郎元首相、進次郎&滝クリの第2子“孫抱っこ”でデレデレ笑顔 幸せじいじ姿に「顔が優しすぎ」「お孫さんにメロメロ」
  10. デヴィ夫人、16歳愛孫・キランさんが仏社交界デビュー 母抜かした凛々しい高身長姿に「大人っぽくなりました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 「酷すぎる」「不快」 SMAPを連想させるジャンバリ.TVのCMに賛否両論
  2. 会話できる子猫に飼い主が「飲み会行っていい?」と聞くと…… まさかの返しに大反響「ぜったい人間語分かってる」
  3. 実は2台持ち! 伊藤かずえ、シーマじゃない“もう一台の愛車”に驚きの声「知りませんでした」 1年点検時に本人「全然違う光景」
  4. 大好物のエビを見せたらイカが豹変! 姿を変えて興奮する姿に「怖い」「ポケモンかと思った」
  5. 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
  6. 西城秀樹さんの20歳長男、「デビュー直前」ショットが注目の的 “めちゃくちゃカッコいい”声と姿が「お父さんの若い頃そっくり」「秀樹が喋ってるみたい」
  7. “危険なもの”が体に巻き付いた野良猫、保護を試みると……? 思わずため息が出る結末に「助けようとしてくれてありがとう」【米】
  8. 「やばい電車で見てしまった」「おなか痛い、爆笑です」 カメがまさかの乗り物で猫を追いかける姿が予想外の面白さ
  9. おつまみの貝ひもを食べてたら…… まさかのお宝発見に「良いことありそう」「すごーい!」の声
  10. 「3カ月で1億円」の加藤紗里、オーナー務める銀座クラブの開店をお祝い “大蛇タトゥー”&金髪での着物姿に「極妻感が否めない」