頻発するけいれんと戦ったミニチュアダックス 愛犬を笑顔で支え続けた飼い主の思いに涙がにじむ

「ペットの介護エピソード」第1回はミニチュアダックスの姫ちゃんです。

» 2023年07月29日 20時30分 公開
[かのんねとらぼ]

 近年、飼い主の「ペットは家族の一員である」という意識が高まり、ペットに対しても健康で長生きできるように、生態や習性に合わせた適切な飼養管理が行われるようになってきました。生活環境や栄養状態の改善、ワクチンや駆虫薬の普及、獣医療の進歩などさまざまな要因で、ペットの平均寿命が延びています

 「一般社団法人ペットフード協会」による「令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査」では、犬の平均寿命は14.48歳、猫の平均寿命は15.45歳。10年間で犬は0.58歳、猫は1.05歳寿命が延びています。成犬・成猫は1年で人間の4歳分の年齢を重ねるといわれており、大きく寿命が延びていることが分かります。

 寿命が延び、愛するペットとともに長く暮らしていけることはとても幸せなことですが、長寿化ゆえに新たな課題も発生しています。それは加齢により生じる体の不調です。

 ペットも人間と同じで、歳を重ねるにつれ体力や免疫力が落ち病気にかかりやすくなったり、足腰が弱ってきたりします。それだけでなく、認知症や寝たきりになって、人と同様に介護が必要になるケースも。もちろん加齢だけでなく、病気やケガなどが原因で介護が必要になることもあるでしょう。

 そこで、ねとらぼ生物部ではペットを介護した経験のある読者にアンケートを実施。寄せられた数々のエピソードと写真を紹介するとともに、介護の現実や厳しさだけでなく、その経験から生まれるペットへの深い愛情や命の尊さを伝えていきます。

ミニチュアダックス

第1回 ミニチュアダックス「姫」ちゃんと飼い主さん

―― 介護が始まったときのペットの年齢と、きっかけを教えてください

 14歳のときにけいれん発作を起こし、その後、目が見えない、歩けない状態になりました。

―― どのような介護をしていたのでしょうか

 主に私(姫ちゃんのママ)が介護を担当していました。どんどんけいれんの頻度が増えていきました。

 丸2週間飲まず食わず、丸2日朝夜問わずけいれんし続けて、最後に力を振り絞ったかのように聞いたこともないような鳴き声を2回あげました。私たち家族は、呼ばれたと思いすぐに抱き上げました。家族に見守られ(生活時間のばらばらな家族でしたが、たまたまその日は皆そろっていました)、16歳で生涯を閉じました。

ミニチュアダックス

―― 介護する中で一番大変だと感じていたことを教えてください

 病魔に侵されて行く愛犬を見ながら、治療法が無いことが本当につらかったです。

―― 介護生活のなかでの学びや気付いたことがあれば教えてください

 1日1日を大切にできるだけ一緒に過ごすこと。愛犬が一番つらいから、それを見ている飼い主もつらいけど、愛犬が不安にならないように笑顔でいる。そして犬は、自らの死が近づくと分かるらしく飼い主に恩返しをしようとしてくることが伝わってきました。

ミニチュアダックス

―― 介護生活の中で心掛けていたことがあれば教えてください

 愛犬の前では笑顔でいて、話しかけ、体に触れて、毎日抱っこを必ずするようにしていました。

―― 介護していたペットへの思いを教えてください

 私の子になってくれてありがとう。愛犬とともに成長しました。小さな体からたくさん学びました。またあなたのママになりたいです。

―― 介護中の方へのアドバイスがあれば教えてください

 介護中はつらくても後悔しないように最善を尽くせるように……愛犬と苦楽をともにできる喜びを見つけ、できることがあるうちはつらい中にも希望があると思います。

 私は病気を治したくて何軒も動物病院に行きましたが、高齢と脳腫瘍による症状が多くでていて、度重なるけいれんで薬も効きづらくなり、繰り返す発作に見守るしか無くなりました。ほとんどの動物病院で安楽死の話をされ、何にも出来ない無力な自分が悲しく、つらくて……。でもそれ以上に愛犬がつらいのだから、私が悲しむと愛犬はもっとつらくなると思って、笑顔で介護することを決めました。

ミニチュアダックス

 自分の判断(安楽死ではなく介護を選択)が正しいか分かりませんが、最後の最後まで一緒にいたい……そんな気持ちもありました。

 現在愛犬の介護をされている方々が後悔せず、前向きに過ごせる日々が送れることを願っています。

―― 最後に姫ちゃんとの1番の思い出を教えてください

 小春日和に庭で愛犬たちを遊ばせていたところ、姫ちゃんだけが見当たらなくなったことがありました。門は閉まっているしと庭中、家中、念のため近所まで皆で探し回りましたが見つからず……。3時間ほど探し回り、焦る気持ちを抑てえいったん休憩しようと家に入り、ふと姫ちゃんがお留守番のときに使用しているケージを見たら……なんと姫ちゃんが壁とケージの隙間でひっくり返って爆睡してたのです。

 家人が玄関を出入りしたすきに素早く家に入ったらしく……大柄で、普段はのんびりゆっくりな行動の姫ちゃんが、そんなに素早く行動できるなんてと驚きました。姫ちゃんは散歩嫌いで家が大好きな子だったので、このときも隠れていたのだと思います。

 姫ちゃんは犬というより人間に似た感性を持った子でした。仕事以外の時間……お風呂もトイレも一緒に過ごした分、思い出も多く、本当に姫ちゃんのママになれてうれしかったです。

(了)

ミニチュアダックス 姫ちゃんのママさん、ありがとうございました

 少しでも健康で長生きしてほしいからこそ、介護に全力を尽くし、自身の生活や心身に大きな負担を掛けてしまう飼い主さんも少なくありません。状況によってはペット介護サービスを利用する、同じく介護をしている人たちと情報を共有するなど、1人で抱え込まない環境づくりも大きな助けになるでしょう。

 これからペットを迎えようと考えている人や、現在介護の必要がない飼い主さんは、健康寿命を伸ばす対策をする、介護の知識を取り入れるなど、少しずつ準備を始めておくと良いかもしれません。介護も含めて大切なペットとの一生です。その時間も愛せるようにペットと寄り添い続けていきたいですね。

 ねとらぼ生物部では、引き続き「ペットの介護エピソード&お写真」を募集しています。犬猫、小動物、爬虫類など、動物のジャンルは問いません。アンケート内容とお写真は部内で審査の上、記事で紹介する可能性があります。

 貴重な体験談を【こちら】までお寄せください。皆さまからのご応募、お待ちしています。

オススメ記事

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2410/02/news120.jpg 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  2. /nl/articles/2410/01/news047.jpg プロ警鐘「エアコン、夏が終わったらコレやらないと……」が530万再生 水漏れや“内部のスライム化”を防ぐコツが目からウロコ
  3. /nl/articles/2410/02/news185.jpg “医療ミス”で両頬に大きな火傷 「鏡見るたび涙が止まらない」フォロワー24万人のモデルが悲痛の声 「周りの目が怖い」
  4. /nl/articles/2410/02/news188.jpg 「平成に戻っちゃった」 マクドナルドが「まさかの内容」を投稿→“ネット老人会”のみなさんが思わず二度見
  5. /nl/articles/2410/03/news031.jpg 実家からヤバそうな「母のイチオシ」段ボールが届く→開けてみると…… 胸がじわっとあたたまる裏切りに「母様 最高」「愛がいっぱい詰まってる」
  6. /nl/articles/2410/03/news172.jpg 「驚愕の修理代」の金額明かす お見送り芸人しんいち、約2000万円の愛車が故障で「終わった」「お金がないです」
  7. /nl/articles/2410/02/news013.jpg 【今日の計算】「5−5÷5+5」を計算せよ
  8. /nl/articles/2410/03/news073.jpg 母が高校生娘に作る“モザイク弁当”をのぞくと…… 325万再生の芸術のような美しさとおいしそうな見た目に驚き
  9. /nl/articles/2410/03/news022.jpg 「こんなことになるなんて」 安全靴を購入→10分もしないうちに…… 買った直後に起きた“まさかの事態”に騒然
  10. /nl/articles/1809/23/news019.jpg 炊飯器いっぱいに炊けまくった米…! 「5.5合炊いて」が生んだ悲劇に「全米が泣いた」「笑いすぎてしんどい」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ネットで大絶賛「ブラウニー」にカビ発生 業務スーパーに7万箱出荷…… 運営会社が謝罪
  2. 「全く動けません」清水良太郎がフェスで救急搬送 事故動画で原因が明らかに「独りパイルドライバー」「これは本当に危ない!!」
  3. トラックがあおり運転し車線をふさいで停車…… SNSで拡散の動画、運転手の所属会社が謝罪
  4. 「ヤヴァすぎる!!」黒木啓司、超高級外車の納車を報告 新車価格は5000万円超 2023年にはフェラーリを2台購入
  5. そうはならんやろ “ドクロの絵”を芸術的に描いたら…… “まさかのオチ”に「傑作」の声【海外】
  6. 「ウソだろ?」 ハードオフに3万円で売っていた“衝撃の商品”に思わず二度見 「ヤバいことになってる」
  7. 「結局こういう弁当が一番旨い」 夫が妻に作った弁当に「最強すぎる!」「絶対美味しいビジュアル」
  8. “メンバー全員の契約違反”をライブ後に発表 異例の脱退騒動背景を公式が釈明「繋がり行為などではなく」
  9. 「言われる感覚全く分からない」 宮崎麗果、“第5子抱いた服装”に非難飛び……夫・黒木啓司は「俺が言われてるのかな?」
  10. 大沢たかお、広大プールを独り泳ぐ“バキバキ姿”が絵になり過ぎ 盛り上がる筋肉の上半身に「50代とは思えない」「彫刻みたい」
先月の総合アクセスTOP10
  1. “緑の枝付きどんぐり”をうっかり持ち帰ると、ある日…… とんでもない目にあう前に注意「危ないところだった」
  2. 「しまむら」に行った58歳父→買ってきたTシャツが“まさかのデザイン”で3万いいね! 「同じ年だから気持ちわかる」「欲しい!」
  3. 友人に「100円でもいらない」と酷評されたビーズ作家、再会して言われたのは…… 批判を糧にした作品が「もはや芸術品」と490万再生
  4. 高校3年生で出会った2人が、15年後…… 世界中が感動した姿に「泣いてしまった」「幸せを分けてくださりありがとう」【タイ】
  5. 「ま、まじか!!」 68歳島田紳助、驚きの最新姿 上地雄輔が2ショット公開 「確実に若返ってる」とネット衝撃
  6. 荒れ放題の庭を、3年間ひたすら草刈りし続けたら…… 感動のビフォーアフターに「劇的に変わってる」「素晴らしい」
  7. 食べた桃の種を土に植え、4年育てたら…… 想像を超える成長→果実を大収穫する様子に「感動しました」「素晴らしい記録」
  8. 「天才!」 人気料理研究家による“目玉焼きの作り方”が目からウロコ 今すぐ試したいライフハックに「初めて知りました!」
  9. 「エグいもん売られてた」 ホビーオフに1万1000円で売られていた“まさかの商品”に「めちゃくちゃ欲しい」
  10. 義母「お米を送りました」→思わず二度見な“手紙”に11万いいね 「憧れる」「こういう大人になりたい」と感嘆の声