17歳で立てなくなった愛犬、3カ月の介護から回復→18歳でお空へ 飼い主「介護中は笑顔で接していました」
「ペットの介護エピソード」第3回はチワワのミッキーちゃんです。
近年、飼い主の「ペットは家族の一員である」という意識が高まり、ペットに対しても健康で長生きできるように、生態や習性に合わせた適切な飼養管理が行われるようになってきました。生活環境や栄養状態の改善、ワクチンや駆虫薬の普及、獣医療の進歩などさまざまな要因で、ペットの平均寿命が延びています。
「一般社団法人ペットフード協会」による「令和2年(2020年)全国犬猫飼育実態調査」では、犬の平均寿命は14.48歳、猫の平均寿命は15.45歳。10年間で犬は0.58歳、猫は1.05歳寿命が延びています。成犬・成猫は1年で人間の4歳分の年齢を重ねるといわれており、大きく寿命が延びていることが分かります。
寿命が延び、愛するペットとともに長く暮らしていけることはとても幸せなことですが、長寿化ゆえに新たな課題も発生しています。それは加齢により生じる体の不調です。
ペットも人間と同じで、歳を重ねるにつれ体力や免疫力が落ち病気にかかりやすくなったり、足腰が弱ってきたりします。それだけでなく、認知症や寝たきりになって、人と同様に介護が必要になるケースも。もちろん加齢だけでなく、病気やケガなどが原因で介護が必要になることもあるでしょう。
そこで、ねとらぼ生物部ではペットを介護した経験のある読者にアンケートを実施。寄せられた数々のエピソードと写真を紹介するとともに、介護の現実や厳しさだけでなく、その経験から生まれるペットへの深い愛情や命の尊さを伝えていきます。
第3回 チワワ「ミッキー」ちゃんと飼い主の優雨さん
―― 介護が始まったときのペットの年齢と、きっかけを教えてください
17歳のときに歯磨きガムが詰まってから足に影響が出て、立てなくなってしまいました。おそらく神経的か脳の障害を誘発したことが原因だろうとのことですが、詳しく調べるためには麻酔をかけての検査になると言うことで、断念して家で介護をすることにしました。
―― どのような介護をしていたのでしょうか
ご飯は良く食べてはいましたが、足に力が入らなくて寝たきりでした。トイレは行けないのでオムツをして生活していました。
獣医師とも相談のうえ薬をやめて、免疫力を高めるサプリに変えてしばらくしたら徐々に立ち上がり歩くようになりました。
―― 介護する中で一番大変だと感じていたことを教えてください
大変と思ったことはなかったのですが。昼間は介護を担当している私が仕事で留守にしていたので、オムツ交換を我慢させたことが心苦しかったです。
―― 介護生活のなかでの学びや気付いたことがあれば教えてください
楽しく介護することが重要だと思います。
―― 介護生活の中で心掛けていたことがあれば教えてください
何をするにもミッキーに話しかけながらやっていました。
―― 介護していたペットへの思いを教えてください
ミッキーは頑張って、(立てなくなってから)3カ月過ぎたあたりから歩けるようになりました。1年近く普通の生活に戻ってから18歳で虹の橋を渡って行きました。同居の猫とも仲良しで穏やかでとても良い子でした。
―― 介護中の方へのアドバイスがあれば教えてください
介護中は楽しく笑って接してあげることが、ペットも穏やかに過ごせると思います。
―― 最後にミッキーちゃんとの1番の思い出を教えてください
1番の思い出……楽しかったことはたくさんありましたが、最後に1度息が止まったときに「まだ心の準備ができてないから戻ってきて」と叫んだら、ひと息ため息をつき戻ってくれたことが一番心に残っています。1日普通に今まで通りの生活をして、次の日に私が仕事から帰るまで待っているかのように息を引き取りました。
また、たくさんの猫と暮らしていたので自分は猫だと思っていたんじゃないかと思います。散歩は嫌いでしたがお出かけは大好きで、バッグを出すと真っ先に入って待っていたことが心に残っています。
(了)
少しでも健康で長生きしてほしいからこそ、介護に全力を尽くし、自身の生活や心身に大きな負担を掛けてしまう飼い主さんも少なくありません。状況によってはペット介護サービスを利用する、同じく介護をしている人たちと情報を共有するなど、1人で抱え込まない環境づくりも大きな助けになるでしょう。
これからペットを迎えようと考えている人や、現在介護の必要がない飼い主さんは、健康寿命を伸ばす対策をする、介護の知識を取り入れるなど、少しずつ準備を始めておくと良いかもしれません。介護も含めて大切なペットとの一生です。その時間も愛せるようにペットと寄り添い続けていきたいですね。
ねとらぼ生物部では、引き続き「ペットの介護エピソード&お写真」を募集しています。犬猫、小動物、爬虫類など、動物のジャンルは問いません。アンケート内容とお写真は部内で審査の上、記事で紹介する可能性があります。
貴重な体験談を【こちら】までお寄せください。皆さまからのご応募、お待ちしています。
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