ネットオークションに出品されていたシェパード、迎えに行くと猫用ケージに入れられていて…… 「幸せにする」と決意した出会いにグッとくる(1/2 ページ)
「ペットロスとの寄り添い方」第20回は犬・すみれちゃんです。
多くの飼い主が一緒に暮らす動物を“大切な家族の一員”として捉え、人生をともに歩んでいます。動物と暮らした時間は長くとも短くとも、深い愛情を持って接した分、飼い主にとって人生のかけがえのない一部となり、別れは深い悲しみとなって心身に押し寄せます。
愛する動物との死別による喪失感や混乱、後悔など、抱えきれないほどの悲しみによって心身が不安定になる状態を指す「ペットロス」「ペットロス症候群」。2023年、20歳〜69歳のペットを飼っているまたは飼育経験がある391人を対象に実施された「ペットロス」に関する調査では、「約8割が『ペットロス』という言葉を見聞きしており、約4割が実際に経験している」と発表されています(サンセルモsorae調べ)。
飼い主にとって非常につらい経験となり、カウンセリングを要するケースもあることから、「ペットロス」「ペットロス症候群」は今、メンタルヘルス上の大きな課題として多くの人が向き合っています。動物とのこれまでの日々を忘れたり、死を乗り越えたりすることはできないかもしれませんが、時間の経過とともに受け入れ、いつかふと思い出したときにあたたかい涙がこぼれるような“寄り添い方”はあるはずです。
そこでねとらぼ生物部では「ペットロスとの寄り添い方」をテーマに、読者にアンケートを実施。寄せられたさまざまなエピソードから、愛する動物との思い出や別れ、当時の心境や救われた出来事をご紹介していきます。現在動物と暮らしている人や、悲しみの渦中にいる人に寄り添うヒントとなれば幸いです。
第20回 飼い主・浜浦さん/ベルジアン・シェパード・ドッグ・タービュレン「すみれ」ちゃん
―― すみれちゃんのプロフィールと出会い、思い出や印象的なエピソードを教えてください
浜浦さん:まだ生体のネットオークションが横行していたときに、出品されている憧れのベルジアンタービュレンの子犬を見つけ、100匹以上取引していたユーザーに落札されそうだったので入札し、落札しました。
すみれを迎えに兵庫県神戸市のペットショップ(出品していたお店)へ行きました。そこですみれは、ティーカッププードルの出産ラッシュで空いているケージがないからと、猫用の狭いケージの中に入れられていました。オシッコまみれで出てきて、うれしそうに私の顔をなめてくれたときに、「この子を幸せにしよう」と心に決めました。
―― すみれちゃんと別れてからの心境や、救われた出来事などがあれば教えてください
浜浦さん:すみれは13歳5カ月で虹の橋を渡りました。抗がん剤の副作用でとても痩せてしまい、しんどそうだったので、やっと楽になれたかなという思いと、抗がん剤投与の決断がすみれを苦しめたのかなという後悔が入り交じっていました。
10年一緒に過ごした後輩犬の「れんげ」も落ち込んでいるようだったので、れんげに楽しい思いをしてもらおうとスキンシップをいっぱい取っています。また、抗がん剤治療していた動物病院や、かかりつけの動物病院、他府県で開業された動物病院の先生方から電話やお花をいただいたことがありがたく、救われました。人懐っこいすみれの犬徳ですね。
―― 現在の心境を教えてください
浜浦さん:1月に息を引き取ったのでまだまだ寂しいですが、寂しがってるとすみれが心配するので泣かないようにしています。
―― すみれちゃんに伝えたいメッセージ
浜浦さん:みーちゃん、兄ちゃん(すみれが子犬のときから育ててくれた先住シェパード)には会えたかな? 楽しく遊んでおいしいものいっぱい食べてね。いつか会えたらうれしいな。
(了)
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