「私以外の人に飼われてたら、もっと長生きできたかな」 7歳で突然虹の橋を渡った愛猫、傷心を救った友人の一言と新たな出会い(1/2 ページ)
「ペットロスとの寄り添い方」第21回は猫・しんのすけくんです。
多くの飼い主が一緒に暮らす動物を“大切な家族の一員”として捉え、人生をともに歩んでいます。動物と暮らした時間は長くとも短くとも、深い愛情を持って接した分、飼い主にとって人生のかけがえのない一部となり、別れは深い悲しみとなって心身に押し寄せます。
ペットロスとは
愛する動物との死別による喪失感や混乱、後悔など、抱えきれないほどの悲しみによって心身が不安定になる状態を指す「ペットロス」「ペットロス症候群」。2022年、全国47都道府県に在住する20〜69歳の5000人を対象に実施された「ペットに関する調査(2022年)実態編」では、「困りごと・気になる点」として「死なれるのがつらい」などの理由から「ペットロス」が上位にあがる傾向にあると発表されています。
飼い主にとって非常につらい経験となり、カウンセリングを要するケースもあることから、「ペットロス」「ペットロス症候群」は今、メンタルヘルス上の大きな課題として多くの人が向き合っています。動物とのこれまでの日々を忘れたり、死を乗り越えたりすることはできないかもしれませんが、時間の経過とともに受け入れ、いつかふと思い出したときにあたたかい涙がこぼれるような“寄り添い方”はあるはずです。
そこでねとらぼ生物部では「ペットロスとの寄り添い方」をテーマに、読者にアンケートを実施。寄せられたさまざまなエピソードから、愛する動物との思い出や別れ、当時の心境や救われた出来事をご紹介していきます。現在動物と暮らしている人や、悲しみの渦中にいる人に寄り添うヒントとなれば幸いです。
第21回 飼い主・Sさん/ロシアンブルー「しんのすけ」くん
―― しんのすけくんのプロフィールと出会い、思い出や印象的なエピソードを教えてください
Sさん:しんのすけはペットショップで出会ったロシアンブルーの男の子です。「あまり鳴かない」とのことでしたが、食いしん坊で、ごはんの催促のときによく鳴いていました。
―― しんのすけくんと別れてからの心境や、救われた出来事などがあれば教えてください
Sさん:何の前触れもなく、7歳で突然虹の橋を渡ってしまったため、非常に驚きました。独り暮らしだったので、今までは仕事が終わったらすぐに帰り、休みの日はしんのすけと一緒に家にいましたが、いなくなってからはあまり家にいたくなくて。休日は予定を入れ、旅行に行ったり、仕事帰りにわざわざ遠回りしてウオーキングをしたりしていました。
しんのすけのことをよく知る友人から「幸せな猫だったよ」と言ってもらえたことに救われました。また狭い部屋で暮らしており、しんのすけがベランダからいつも外をながめていたので、「外出たかったかなぁ」と呟いたとき、同じく友人から「家の中が一番安全だよ」と言ってもらえたことにも救われました。
―― 現在の心境を教えてください
Sさん:ウオーキングの最中、ひとりぼっちの子猫と出会い、その子と今一緒に生活しています。しんのすけとはもっと一緒にいたかったし、やってあげたいこともたくさんありました。
「私以外の人に飼われていたら、もっと長生きできたかな」とか、「もっと広くて日当たりのいい部屋に住めばよかった」とか。思い出しては後悔し、泣いてばかりでした。
新しい子を迎えるのはしんのすけに申し訳ないような気がして、ペットショップにはなかなか行けませんでしたが、偶然出会った子猫のおかげでまた笑えるようになりました。
しんちゃんのことは忘れたわけじゃないし、今の子はしんのすけの代わりなわけではないけど、私の生活の中で猫はとても大切だということが分かりました。
―― しんのすけくんに伝えたいメッセージ
Sさん:しんちゃん、短い時間だったけど、いつも一緒にいてくれてありがとう。
(了)
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