“イケメン過ぎる”ゴリラ・シャバーニさんの今 あれから9年、環境はどう変化したのか(1/4 ページ)
東山動植物園の経済効果など聞きました。18歳→27歳の変わらぬイケメンぶりは健在でした。
ニシゴリラのシャバーニをご存じですか。その名前にピンと来なくても、「イケメンゴリラ」と聞けば思い出す人も多いはず。インターネット上では「シャバーニさん」と敬称付きで親しまれています。
そんな彼が、SNS上で話題になってから、もうすぐ9年。シャバーニさんが飼育されている、愛知県名古屋市の東山動植物園に、いまの暮らしぶりを聞いてみました。
著者紹介
城戸譲
1988年生まれ。Jタウンネット編集長、J-CASTニュース副編集長などを経て、フリーランスに転身。「ネットメディア研究家」「炎上ウォッチャー」を名乗り、政治経済からエンタメまで、幅広く執筆活動をしている。ねとらぼ連載「あのSNSは今」では、一時代を築いたウェブサービスや、ネット上で話題になった出来事・人物などの「その後」を紹介する。
オランダ生まれ、オーストラリア育ち
まずは経歴を振り返ってみましょう。シャバーニさんは1996年10月20日、オランダ生まれ。オーストラリアを経て、2007年6月に東山動植物園へとやってきました。そんな彼に転機が訪れたのは、2015年3月ごろでした。
当時18歳だったシャバーニさんの写真がSNSで拡散されたことをきっかけに、たくましく、キリッとした顔立ちから「イケメンすぎる」「名古屋行きたい」「憧れる」などと話題に。テレビのワイドショーも特集して、その知名度は全国区となりました。
また、サッカー元日本代表の大久保嘉人さんが、自分とシャバーニさんの写真を並べて「最近ネットで話題のイケメンゴリラが人間のオレよりイケメンと聞いたから比べてみた。完敗。。。」と、Twitter(現在のX)に投稿すると、さらに注目を集めるようになります。
シャバーニさんには、メスのネネ(推定52歳)と、その娘であるアイ(20歳)との間に、キヨマサ(オス11歳)とアニー(メス10歳)の2人の子どもがいます。子育てする姿もまた、当時の「イクメン」ブームとも重なって、人気に拍車をかけました。
当時の園のブログ投稿(2015年6月29日)では「当初、我々も何が起こっているのかよく分かりませんでしたが、SNS上でのみなさまの声や以前に比べ様々な年齢層の方々が観覧されている光景を見て、4月に入りようやく状況を把握できた次第です」と、その驚きが伝えられています。
関連グッズは100種以上
シャバーニさんによって、東山動植物園には、どの程度の経済効果があったのでしょうか。担当者によると、2014年度で約230万人だった来園者数が、2015年度には約260万人になり、「一概にシャバーニの人気が入園者増の全要因とはいえませんが、来園のきっかけに寄与しているのでは」と分析します。なお入園者数は、コロナ禍により一時200万人を下回ることもありましたが、2022年度は約238万人まで復調しています。
話題になった約半年後には、写真集が発売されました。イメージDVDも登場するなど、続々とグッズ展開されていきます。その後もラインアップは増え、担当者は「シャバーニ関連のグッズは100種を超え、当園での関連グッズとしては最多の種類数を誇ります」と説明します。
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