「かに道楽」の看板のカニは何ガニ? 脚の動きも違いがある「動くかにの看板」の秘密(1/3 ページ)
看板に使われているかにの種類も確認しました。
「かに道楽」といえば、巨大なかにの看板がトレードマーク。脚を動かす大きなかにを見たことがある人も多いのではないでしょうか。あの看板は全国にどれだけあり、いつから動いているのでしょうか。意外と知られていない「かに看板」の裏話を、ねとらぼ編集部が「かに道楽」に聞いてみました。
「かに看板」はなぜ生まれたのか
かに道楽は、1962年に大阪・道頓堀に第1号店(現・かに道楽道頓堀本店)をオープン。開店当時、かに料理があまり一般に普及していなかったこと、会社としての知名度もまだ高くなかったことから、ひと目で「かに料理の店」と分かるような看板を付けようと考えたそうです。
そこで思いついたのが、砂浜に見立てた白い壁と、本物のかにそっくりの動く看板の組み合わせ。当時日本が終戦からの復興を目指していた時期ということもあり、「少しでもみんなが元気になれば」と「白地に赤い日の丸」を意識した部分もあったそうです。
初代かに看板は、太い針金を巻いた骨組みに麻袋を張り合わせ、防水を兼ねてペンキで塗装したもの。かにの脚や爪は5つのモーターで動かしていたそうです。1961年に第1号店に設置されると多くの人の目に留まり、「大阪といえばかに道楽」といったイメージの普及にもつながったといいます。
現在の「かに看板」は3代目
初代かに看板は老朽化によって約10年で役目を終え、1971年に代替わりしました。2代目のかに看板は胴体がグラスファイバー製になり、爪や脚を動かすモーターもより高性能なものになったそうです。
その後、かに道楽道頓堀本店の新築ビル完成と合わせて、1996年に3代目のかに看板が誕生。「遠くからでもダイナミックに動くかに看板が見えること」「かに道楽に気づいてもらえること」を意識し、2代目よりもさらに「とれたてぴちぴち」な雰囲気が伝わるよう、鮮度感にこだわって製作したといいます。
実は脚が「縦に動く」「横に動く」「動かない」の3種類がある
2024年2月現在、全国にある「かに看板」は全部で36体。実はかに看板の中にも違いがあり、本物のかにと同じように「脚が縦に動くもの」、遠目からでもかに看板が動いていることが分かりやすいように「あえて脚を横動きにしているもの」、そして「脚が動かないもの」の3種類があるのだそうです。
本物のかにと同じ縦動きの看板は、京都本店、京都伏見店、枚方店、茨木店、豊中店、奈良橿原店の6店舗に設置。「かに道楽」の本拠地である道頓堀筋に並ぶ3店舗(道頓堀本店、道頓堀中店、道頓堀東店)や郊外エリアの店舗などは「横動きの看板」になっており、その他5店舗は動かない看板になっているといいます。
また、かに道楽ではズワイガニ、タラバガニ、毛ガニの3種類のかにを料理に使っていますが、看板のモチーフは「ズワイガニ」とのことです。
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