「ハピプリ」10周年 名作映画「人形の国のバレリーナ」の挿入歌「勇気が生まれる場所」からのラストバトルをどうしても見てほしい:サラリーマン、プリキュアを語る(1/2 ページ)
この映画の挿入歌「勇気が生まれる場所」は本当に良い曲なのですよ。
みんな!!
「主題歌とか挿入歌が流れて戦うアツいラストバトル」がある映画、大好きですよね!
あるのですよ! とっておきのが!!
「映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ」。わずか71分の間に凝縮された濃厚なプリキュアイズム、そしてプリキュア映画史、いやアニメ映画史に残るかもしれない「アツい挿入歌からのラストバトル」たくさんの人に知ってもらいたいのです。
kasumi プロフィール
プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。
- これまでのプリキュア連載一覧
「ハピネスチャージプリキュア!」10周年
2024年は「ハピネスチャージプリキュア!」10周年です。
「ハピネスチャージプリキュア!」は、おそらく「大人のプリキュアファン」の間では、賛否両論を巻き起こし、当時のプリキュアファンが数多くの議論を重ねた作品だったと思います。
データを見る限り子どもたちの人気は例年並みには高かったのですが、そんな子どもたちを差し置いて、自分を含めた「いい大人たち」は、神様ブルーの行いに、恋愛の描かれ方に、キャラクターの行動原理に、毎週のようにアツい議論を交わしていました。
今思えばなかなかに今とは違う感じでの「ファンの熱量」の高かった時代だったのかな、とも思います。
商業的に苦戦したのは事実
「ハピネスチャージプリキュア!」は、当時大躍進中だった「アナと雪の女王」「妖怪ウォッチ」「アイカツ!」「プリパラ」などの新規コンテンツに押され、関連商品の売り上げ的に大苦戦していたことは事実です。
この「映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ」も、興行収入的には、前年「映画ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス」に比べ55.8%にまで落ち込むなど大苦戦してしまいました。
しかし、プリキュアファンが一つだけ口をそろえて言うことがあります。
「映画のハピネスチャージプリキュアは、最高オブ最高」だと。「プリキュア映画で一番好き」というファンも多い、名作中の名作映画なのです。
プリキュア映画って30作以上もあるので、「どれを見たらよいか分からない……」ってなる人も多いと思うのですけど、トップクラスでおすすめできる映画です。
未見の方、あまりにももったいない。プリキュアを知らなくても開始早々のバトルで「誰がどんなキャラなのか」が分かる新設設計。初見でも大丈夫。
「ハピネスチャージプリキュア!」10周年のこの機会にぜひ見てはいかがでしょうか。
映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ
本映画の監督は今千秋氏。プリキュア映画では初となる東映アニメーション以外の外部からの監督が起用されました。またキャラクターデザイン、作画監督も外部の大田和寛氏が務めるなど、テレビアニメ本編とはやや雰囲気が異なり、映画ならではの「特別感」を前面に押し出した作品となっています。脚本はテレビアニメ本編と同様に成田良美氏が務めています。
この映画は、プリキュアの「ヒーロー的な側面」が強調され、ヒロイックで熱い映画となっています。家に「大切なぬいぐるみ」がある人、絶対に見た方が良いと思います。
足が不自由な少女の物語
ストーリーラインは「原因不明の足の病気で踊れなくなってしまった少女つむぎが、偽りの幸せの世界「人形の国」にプリキュアを招き入れる」といった成田氏お得意な重めのお話。
「ハピネスチャージプリキュア!」は「幸せ」がテーマの作品でもあり、裏返しとしてこの映画では、つむぎちゃんに対して、悪役が残酷なまでな「不幸」を与えてきます。
この映画の中盤、愛乃めぐみ(キュアラブリー)は大きな壁にあたります。
軽率に「あなたを助ける」と言ってしまったキュアラブリー。しかし、プリキュアにはつむぎちゃんの足を治すことはできません。
つむぎは言います。「何もできないくせに、助けるなんて簡単に言わないで」
世界を救う活躍をみせるプリキュアでも、苦しんでいるたった一人の少女を救うことは出来ない。そんな現実を突きつけられたとき、プリキュアたちはどんな答えを出すのか?
そこが本映画の根幹となっています。
影のMVP、白雪ひめ
この映画、キュアラブリーとつむぎちゃんを中心に物語が進むのですが、脇を固めるキャラの立ち方がとても良いのです。特に白雪ひめ(キュアプリンセス)がとても良い。テレビアニメ本編同様に、映画でも「恋愛」が描かれるのですが、こちらは「カラッとした明るい恋愛模様」となっています(テレビアニメ本編の恋愛はやや重たいのです)。
ひめちゃんとイケメン王子、ジーク様との淡い恋愛模様は、本映画の見どころの一つです。暗くなりがちな物語を明るく引っ張るコメディーリリーフとして大活躍。それでいて絶望しかけたキュアラブリーに進むべき道を示してくれたりと、影のMVPは間違いなく白雪ひめちゃんだと思うのです。
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