令和にちょんまげ・和装で暮らす人がいる……!? 自身のスタイル貫く“現代の侍”の暮らしぶりを聞いてみた(1/3 ページ)
「丁髷のまま働いてOK」と飲食店に採用されたことで話題の、とりにくさんを取材しました!
この21世紀に、毎日丁髷(ちょんまげ)を結って暮らしている青年がX(Twitter)で注目を集めています。編集部は話題の人・とりにく(@tarakosan114)さんに、丁髷を結い始めたきっかけや暮らしぶりについてお話を聞きました。
とりにくさんの丁髷はカツラなどではなく、地毛を結った本物。月代(さかやき。額から頭の中央にかけて半月形にそりあげた部分を指す)をそり、鬢(びん)付け油で固めて、日々自分で結い上げているそうです。
服装はオンもオフも和装。絵を描くときのメガネはひも掛け式ですし、眠るときは高枕ですし、Xへの投稿には時代劇めいた写真が並んでいます。
そんなとりにくさんが注目を集めたきっかけは、飲食店のアルバイトへの応募。ふざけていると思われたらどうしようと悩みつつも、自分の髪型やポリシーを伝えたうえで丁髷に和装というスタイルで面接に臨み、「丁髷のまま接客でなんら問題ない」と採用されたといいます。
合格を報告したポストは広く拡散され、「こんなに髷が似合う現代人がいるとは。バイト頑張れー!」「これこそが多様性」「接客受けてみたい!」と、好意的な反応が多数寄せられました。経緯や現況など、とりにくさんに詳細を聞きました。
―― 丁髷を結い始めたいきさつを教えてください
とりにく もともと趣味が古くて現代的なファッションになじめず、まわりがおしゃれに精を出しているなか自分は何を着ていいか、「これだ!」と思うものが見つからず模索していました。
しかし高校生のときに「日本人なら1着は着物を持っておきたい、着てみたい」と思い立って買いにいったとき、「無理に洋服を着る必要はないんだ! 自分はこのスタイルで行こう!」と気付き、服装のスタイルが確立しました。
それから毎日和服で暮らしていたのですが、次に「じゃあ髪型はどうしよう」となりました。背伸びをして派手髪にしたこともありましたが、自分の骨格にも性にも合わずまた迷ってしまいました。
とりにく そうこうしているうちに散髪をサボった時期があり、伸びた髪をなんとなく殿様風にまとめてみたところ「そうか! 丁髷にすればいいんだ!」と思いつき、そこから髷に走っていきました。そりを入れたのは2年半ほど前です。
―― 髷を結ったとき、友人や親族からの反応はいかがでしたか?
とりにく 友人たちは「髪型が変わったところで、君はもともと変わってるから何とも思わないし、中身見て付き合ってるんだし外見で友だちやってるわけじゃないから。それに似合ってるからいいじゃん! なんか前よりイキイキしてるよね」と。家族や親戚は諦めたように「まぁやりたいならやれば、飽きたら坊主にすればいいんだし」といった感じでした。
―― ズバリ、丁髷の魅力は?
とりにく 何といっても月代の青白さと髷の黒との対比ですね。メリハリがあって美しいですし、極めて奇妙な髪型なのに、おおむね「かっこいい」に帰結する珍しい髪型なのではないでしょうか。
―― 丁髷は普段、どのように結っていますか
とりにく 私はふんわりとした束よりも、硬い油でシャープに結い上げるのがスタイリッシュで好みです。所要時間は早くて5分、時間をかければ20〜30分ほど。柘植(つげ)のくし数種類(特に床山が使う「床山櫛」)と、元結(もとゆい。髪を結ぶひものこと)と、特注の鬢付け油を使っています。
―― 髷にして困ったことはありますか
とりにく 特にありません。強いて言うならば、「冬場は風呂上がりの長い髪が冷たい」「お葬式などの堅い場面でカツラをかぶらなければいけないのが面倒臭い」といったところです。
―― 丁髷で暮らすと、和服しか着なくなるものなのでしょうか。洋装をすることはありますか?
とりにく 髷を結う以前から、毎日和服で過ごしています。まれにTPOの都合でカツラを被り洋服で出かけたりもしますが、年に片手で数えるほどです。
―― 髷を結ったことで変わったこと・変わらなかったことなどを教えてください
とりにく 変わらなかったのは友人関係ですね。こんな奇抜な格好をしていても、「いいじゃん、外見だけ見てお前と親友になったと思う?」と、本当に私を大事に思ってくれる人は変わらず離れませんでした、むしろ関係が強固になったと言っても過言ではありません。見た目の好みで付き合っていた(であろう)方が何人か離れていったこともありましたが。
―― 今の仕事を始める前は、髷のせいで決まらなかったりしたのでしょうか
とりにく 「こんな髪型で行くのは世間的にはふざけていると思われても仕方ない」と物おじして、多数は受けていなかったのですが、やはり普通にアプリなどで募集されているアルバイト――特に接客業は難しいところがありました。単発のモデルのお仕事はいくつか経験しましたが。
―― アルバイト先でのお客さんや同僚からの反応はいかがですか?
とりにく 「すごい頭だな! いいなぁかっこいいよ!!」「それって、カツラ……ですよね? 地毛ですか!?」と驚くお客様もいらっしゃいますが、意外にも大きな反応をする方はあまりいらっしゃいませんでした。まさか店員が丁髷とは思わず、「何かの見間違い」とどこかフィルターをかけて見ているのかもしれません(笑)。
従業員の方々からは、「めちゃくちゃかっこいい! 清潔感あるし接客もいいしインパクトあるし一石三鳥じゃん!」「あらためてこう、まじまじ見ると侍が普通に接客してるの面白い光景だなぁ」「初めは固まるけど見慣れちゃうと案外自然だよね。むしろシュッとして見える」と好評をいただきました。
―― 髷を結ったことで将来の展望などの変化はありますか?
とりにく 恋愛や流行に気分を乱されたり流されれたりしなくなりました。自分は自分、他人は他人、人と違ってもいいんだ! と思えるようになりました。人と違いすぎるとは思いますが(笑)。今までは絵描きの道を考えていましたが、この髪型と服装にしてから、何かしらの形で日本文化を守る仕事に就きたいと思うようになりました。
―― 一連の投稿に多くの反響がありましたが、特に印象に残っている反応などはありますか?
とりにく 総じて好意的な反応が多かったということに尽きますね。初めは「たまたま面白がられて採用されただけ」「目立ちたがり」「社会の規範から外れたわがままな人」と批判的な意見が多く寄せられるのでは……と思っていましたし、それが普通だと思っていました。
ところが予想に反して「自分を貫いていてかっこいい」「似合っている! 清潔感もあるしうちでも雇いたい」「自分が人事部だったら絶対雇う!」「手間のかかる髪型をこれだけ続けるのだから几帳面な人なんだろう」と言った意見が多数あり、肩の力が抜けたと同時に今まで以上に自信が持てるようになりました。
とりにくさんは現在、都内の沖縄料理店で同僚から「しげしげ(※)」の愛称で呼ばれつつ、張り切って働いているそうです。
※漫画『銀魂』の将軍「徳川茂茂」が元ネタと思われる
画像提供:とりにく(@tarakosan114)さん
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
ザリガニが約3000匹いた池の水を、全部抜いてみたら…… 思わず腰が抜ける興味深い結果に「本当にすごい」「見ていて爽快」
-
ズカズカ家に入ってきたぼっちの子猫→妙になれなれしいので、風呂に入れてみると…… 思わず腰を抜かす事態に「たまらんw」「この子は賢い」
-
「懐かしい」 ハードオフで“30年前のPC”を購入→Windows 95をインストールしたら“驚きの結果”に!
-
「靴下屋」運営のタビオ、SNSアカウント炎上を受け「不適切投稿に関するお詫び」発表 「破れないストッキング」についてのやりとりが発端
-
餓死寸前でうなり声を上げていた野犬を保護→“6年後の姿”が大きな話題に! さらに2年後の現在を飼い主に聞いた
-
「タダでもいいレベル」 ハードオフで1100円で売られていた“まさかのジャンク品”→修理すると…… 執念の復活劇に「すごすぎる」
-
毛糸でフリルをたくさん編んでいくと…… ため息がもれるほどかわいい“まるで天使”なアイテムに「一目惚れしてしまいました」「うちの子に作りたい!」
-
放置された池でレアな魚を狙っていた親子に、想定外の事態 目にしたショッキングな光景に悲しむ声が続々
-
脱北した女性たちが初めて“日本のお寿司”を食べたら…… 胸がつまる現実に考えさせられる 「泣いてしまった」「心打たれました」
-
父「若いころはモテた」→息子は半信半疑だったが…… 当時の“間違いなく大人気の姿”に40万いいね「いい年の取り方」【海外】
- イモトアヤコ、購入した“圧倒的人気車”が思わぬ勘違いを招く スーパーで「後ろから警備員さんが」
- 母親から届いた「もち」の仕送り方法が秀逸 まさかの梱包アイデアに「この発想は無かった」と称賛 投稿者にその後を聞いた
- パパに抱っこされている娘→11年後…… 同じ場所&ポーズで撮影した“現在の姿”が「泣ける」「すてき」と反響
- 高校生のときに付き合い始めた2人→10年後…… 現在の姿に「めっちゃキュンってした」「まるで映画の世界」と1000万表示突破
- 大谷翔平の妻・真美子さん、ZARA「8000円ニット」を着用? 「似合ってる」「シンプルで華やか」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」 投稿者に感想を聞いた
- 高校生時代に父と撮った写真を、29年後に再現したら……再生数1000万回超えの反響 さらに2年後の現在は、投稿者に話を聞いた
- 散歩中、急にテンションが下がった柴犬→足元を見てみると…… 「そんなことあります?」まさかの原因が860万表示「かわいそうだけどかわいい」
- コメダのテイクアウトで油断して“すさまじい量”になってしまった写真があるある 受け取ったその後はどうなったのか聞いた
- 「やめてくれ」 会社で使った“伝言メモ”にクレーム→“思わず二度見”の実物が200万表示 「頭に入ってこない」
- 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
- 「絶句」 ユニクロ新作バッグに“色移り”の報告続出…… 運営が謝罪、即販売停止に 「とてもショック」
- 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
- アレン様、バラエティー番組「相席食堂」制作サイドからのメールに苦言 「偉そうな口調で外して等と連絡してきて、」「二度とオファーしてこないで下さぃませ」
- 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
- 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
- ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
- 「母はパリコレモデルで妹は……」 “日本一のイケメン高校生”グランプリ獲得者の「家族がすごすぎる」と驚がくの声
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」