『七夕の国』インタビュー 主演・細田佳央太、今後のビジョンは「飽きられずに30歳まで続けたい」 勝負の20代語る(1/3 ページ)

『七夕の国』実写化、原作ファンをエグれるか。

» 2024年07月13日 18時35分 公開
[のとほのかねとらぼ]

 岩明均さんの“怪作”をディズニープラスで実写ドラマ化した『七夕の国』が、7月4日から配信が開始されました。

七夕の国 ディズニープラス「スター」で独占配信中 (C)2024 岩明均/小学館/東映

 原作は、「寄生獣」や「ヒストリエ」などでも知られる岩明さんが、1996年から1999年にかけて小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」で不定期連載した漫画「七夕の国」(小学館刊)。“あらゆる物に小さな穴を空ける”というくだらない超能力を持った平凡な大学生の南丸洋二(ナン丸)が、ある田舎町で代々受け継がれてきた不穏な風習と絡まり、次第にその謎が明かされていく物語です。

 4日から独占配信がスタートし、すでにネットでは作品の評価が寄せられる中、主演の細田佳央太さんはインタビューで「絶対大丈夫」と自信に満ちあふれた様子。多くの作品に出演する躍進を見せる中で、ディズニープラス独占配信での『七夕の国』に挑む思いや、自身の“将来”についても話を聞きました。

七夕の国 南丸を演じる細田さん

超能力者、でも就職に追われる普通の大学生ナン丸はどうやって生まれたか

――原作は細田さんが生まれる前に刊行されていますが、作品はご存じでしたか?

細田佳央太(以下、細田) 出演が決まってから読みました。めちゃくちゃ面白かったですし、漫画が刊行されたのは30年近く前ですが、見づらさが一切なくて、これを現代風にアレンジしてもきっと刺さるんだろうなということを同時に感じました。そういう意味ではドラマ化されるのがすごく楽しみだなと思いました。

――そうした原作の魅力を実写ドラマでどう表現しようとしましたか?

細田 原作を何度も見返して、得られるヒントは全て吸収しようと思っていました。いただいた脚本は、瀧悠輔監督と山本晃久プロデューサーが、もともと原作の大ファンだったということもあり、原作をリスペクトしたものでした。原作への愛情と敬意、ファンが多いことなども分かった上でのことだと思うので、僕もこぼすところなく、ナン丸というキャラクターを作っていきました。

――ナン丸ののほほんとした、ある意味で“普通”なキャラクターは、どのようにつかんだのでしょうか?

細田 監督に「もっとお芝居を軽くしてほしい」と本読みで言われたんです。

――お芝居を軽くする?

細田 最初、“軽くする”ってどういうことだろう? と意味を理解できなかったんですが、監督と話してみたら、分かりやすいようなお芝居ではなく、もっとナチュラルなものがいい、それがナン丸につながると説明していただきました。

 もともと、のほほんとした役を演じることもあったので、イメージを把握するまでにそんなに時間はかからなかったのですが、たぶんおごりがあったんでしょうね。そこは監督に正していただきつつ、原作のナン丸を映像で作り上げていきました。

――なるほど。ナン丸が超能力を使う際に発する「ちょわぁぁぁぁ!」もそうしたベースの上作られたんですね。

細田 そうですね。当初は、もっと漫画っぽく、周りがびっくりするような高い変な声を出そうとイメージしていたんですが、監督からは、わざと面白くする必要はなくて、自分本来のフラットな声で、肺活量が持たなくなったら穴が空く一点集中のパワーを注ぐようなイメージでということは本読みでやってみて決まりました。撮影のインが第1話の初っぱなのシーンからだったのですが、10回以上やったので、声ガッスガスになっていました(笑)。

本編クリップ映像|ナン丸の「ちょわぁぁぁぁ!」
七夕の国 超能力を使うナン丸 (C)2024 岩明均/小学館/東映

――作品でも象徴的な、球体を作るCGのシーンはどういったイメージで挑みましたか?

細田 ナン丸が正しい能力の使い方に目覚めてから、なじむまでは時間があったと思うので、その過程を自分なりに考えていました。撮影前には球体のビジュアルを映像で確認させてもらって、現場では発泡スチロールを球体に見立てて、テストではそれを演出部の方が動かして、本番では実際に「このくらいのスピードだったかな」とイメージしながら、撮影しました。

七夕の国 東丸高志(上杉柊平)さんによって正しい能力の使い方に目覚めるナン丸 (C)2024 岩明均/小学館/東映

ディズニープラスで映像化できたことの重要さ

――完成したものはご覧になりましたか?

細田 はい。めちゃくちゃ面白かったですし、普段作品が世に出るタイミングは緊張するんですが、『七夕の国』は絶対大丈夫だろうと勝手に感じています。というのも、これだけすてきなスタッフさんやキャストの方々とディズニープラスというプラットフォームで作れたということがすごく大きいです。

 原作ファンが多い作品ですので、ちゃんと時間をかけられる配信のコンテンツで作れたことは自信になりましたし、配信コンテンツという映像制作にこの年齢で携われたのはすごく大きな経験になったので、不安は一切ないです。

七夕の国

――やはり配信コンテンツに出演することは、地上波とは違った心持ちになるのでしょうか?

細田 お芝居へのスタンスは、どの媒体でも変わることはありません。ただ、配信はお金と時間のかけ方が違うので、この規模できるのは配信ならではだと思います。もちろん、どの媒体でも1つの作品を作るには、大勢の人やお金が関わってくるのですが、作品に必要なものをコストや余計なことなどを考えずに没頭できるという意味では、やはり強みですよね。

――視聴者目線だと、原作を実写化したときに、配信なら大丈夫だろうという謎の安心感もあります。

細田 配信ドラマも含め、日本のエンタメ界がさらに盛り上がっていくといいなと思っています。

七夕の国 丸神山 (C)2024 岩明均/小学館/東映

――では、これから視聴者の方に届くのが楽しみですね。

細田 楽しみです、と言いつつ、すでに先行試写が始まっているので、この作品がどういう風に届くのか気になっています。ただ、不安や緊張というよりも楽しみという気持ちがすごく強いです。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2408/31/news036.jpg 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほどの変貌が379万表示「そこだけボッ!ってw」 半年後の現在について聞いた
  2. /nl/articles/2408/30/news121.jpg 「地獄絵図」「えぐすぎやろ……」 静岡・焼津市の地下歩道が冠水 “信じられない光景”にネットあぜん
  3. /nl/articles/2408/31/news073.jpg 「よくこんなものが……」 米不足でメルカリに米出品→疑問の声も 運営は“禁止出品物”に「然るべき対応」
  4. /nl/articles/2408/31/news025.jpg 次男に塩対応の柴犬、いよいよ次男の帰省最終日を迎え…… 本音が出た瞬間に「不意に泣かせるのやめて欲しい」と感動の声
  5. /nl/articles/2408/30/news017.jpg 最上位グレードのハイエースを“50万円の底値”で購入したら…… 驚きの実物に「ある意味最強」「正直、羨ましい」
  6. /nl/articles/2408/30/news188.jpg 実写「着せ恋」、キャストに物議 海夢の再現度が高すぎるタレントを推す声あがる 「逆になんであかせあかりさん以外の人……」
  7. /nl/articles/2408/29/news193.jpg 「なんで欲しいと思ったんですか?」 酔った勢いで購入 → 後日届いた“まさかの商品”に反響 「理性あったら買わないw」
  8. /nl/articles/2408/28/news142.jpg 明石家さんま、69歳バースデー迎え長男から幸せ呼ぶ“輝かしいプレゼント” 同席した元妻・大竹しのぶは「最高の笑顔でした」
  9. /nl/articles/2408/31/news084.jpg 仕事早いな! 大谷翔平の愛犬“デコピン”、大反響の始球式がさっそくTシャツ化 「こ、これは……」「欲しい!」と爆売れの予感
  10. /nl/articles/2408/30/news113.jpg 「これ600円なの?」 大谷翔平が長く愛用しているデコピンの“おやつ入れ”、始球式で注目「おそろだった」「真美子さんが選んだのかな」
先週の総合アクセスTOP10
  1. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  2. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  3. 「苦手な芸能人は誰?」 あのちゃん、女性芸能人を“実名で即答” 「ここ最近で一番笑った」「強すぎる」
  4. ホテルでチェックアウト、忘れ物で多いのは? ホテル従業員が教える「圧倒的に多い忘れ物」
  5. 乳がん闘病中の梅宮アンナ、抗がん剤治療で「髪の毛ほとんどなくなっています」 帽子かぶり「ああ、来たか」
  6. 「キティちゃんのお面だと思ったら……」 ひっくり返すと“まさかの正体”に11万いいね
  7. 「凄すぎる…」「ガチで滝」 “市ケ谷駅の冠水”が衝撃与える 階段に大量の水が流れる様子も…… 東京メトロに経緯を取材
  8. 「早すぎます」「一体なにが」 52歳ボディービルダー、訃報1週間前に最期の投稿で“人生初の試み” 恋人は「亡くなる数時間前まで普通にお出かけも」
  9. お盆で帰省した次男に、柴犬も猫もまさかの反応→どちらも豹変して爆笑 「涙出てきました」「おもろ可愛過ぎ(笑)」
  10. 着陸する戦闘機を撮ったはずが…… タイミングが絶妙すぎる1枚に「一部の専門家には貴重な一枚」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ったら……飼い主も驚きの姿に「もはや魚じゃない」「もう家族やね」 半年後の現在について飼い主に聞いた
  2. 「もうこんな状態」 パリ五輪スケボーのメダリストが「現在のメダル」公開→たった1週間での“劣化”に衝撃
  3. 「コミケで出会った“金髪で毛先が水色”の子は誰?」→ネット民の集合知でスピード解決! 「優しい世界w」「オタクネットワークつよい」
  4. 庭で見つけた“変なイモムシ”を8カ月育てたら…… とんでもない生物の誕生に「神秘的」「思った以上に可愛い」
  5. 「米国人には想定できない」 テスラが認識できない日本の“あるもの”が盲点だった 「そのうちアップデートでしれっと認識しそう」
  6. ヒマワリの絵に隠れている「ねこ」はどこだ? 見つかると気持ちいい“隠し絵クイズ”に挑戦しよう
  7. 「昔はたくさんの女性の誘いを断った」と話す父、半信半疑の娘だったが…… 当時の姿に驚きの770万いいね「タイムマシンで彼に会いに行く」【海外】
  8. 鯉の池で大量発生した水草を除去していたら…… 出くわした“神々しい生物”の姿に「関東圏では高額」「なんて大変な…」
  9. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  10. 「なんでこんなに似てるの」 2つのJR駅を比較→“想像以上の激似”に「駅名だけ入れ替えても気づかなそう」