肉弾戦がないのは海外進出のため? 「わんだふるぷりきゅあ!」の海外事情を考える:サラリーマン、プリキュアを語る(1/2 ページ)
20周年を機にプリキュアもさらなる海外進出を考えているようです。
「わんだふるぷりきゅあ!」が絶好調です。
「戦わない」平和な作風も子どもたちに受け入れられているようで、売り上げも好調。「猫組(キュアニャミー、キュアリリアン)の変身アイテム玩具「PrettyHolicシャイニーキャッツパクト」も大好評で、6月の女の子向けのおもちゃの月間ランキング(おもちゃ情報net.)で1位、おもちゃ売り場の棚からも消えるほどの人気となっています。
そう。今回のプリキュアは「戦わない」のです。
「わんだふるぷりきゅあ!」はパンチやキックといった肉弾戦を一切せず、「抱きしめて浄化」する平和的な作風となっています。
これはもちろん「友達であるどうぶつを傷つけることはしない」といった理由でもあるのですが、1つの側面として、この肉弾戦をしない作風は「海外展開」の拡大をも視野にいれているのでは、と自分は思うのです。
kasumi プロフィール
プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。
- これまでのプリキュア連載一覧
プリキュアの海外事情
2024年6月25日に開かれた東映アニメーションの株主総会で、株主からの質問事項に答える形で「プリキュアは20周年を迎え、あらためて海外に力を入れようと考えている」との経営者側の発言がありました。東映アニメーションとしては、ドラゴンボールやONE PIECE、セーラームーンといった海外での成功例もあり、それに続く形で「プリキュアシリーズ」もさらなる海外進出を考えているようです。
2024年時点のプリキュアの海外事情を見てみると、シリーズにより異なりますが、東南アジア、中東、ヨーロッパ、南北アメリカなど海外30カ国以上で外国語吹き替え版が放送もしくは配信されているようです。
中心となっているのはアジア圏。2020年以降、香港と台湾でプリキュアは「光之美少女」の名前で日本での最新作がテレビ放送されています。台湾ではケーブルテレビのチャンネル「東森幼幼台(YoYoTV)」、香港ではViuTVで放送されています。
ちなみに「わんだふるぷりきゅあ!」は「美妙寵物 光之美少女」。キュアワンダフルは「美好天使」、キュアフレンディは「友愛天使」となっています。主題歌もメロディーは日本と同様で、歌詞だけがローカライズされたものになっています。
韓国においても一部作品がケーブルテレビなどで放送されています。過去のWebインタビュー記事で「スター☆トゥインクルプリキュア」のプロデューサー・柳川あかり氏も「日本以外で一番人気なのは韓国」と発言しています。
また、2023年に日本でも大ヒットとなった「映画プリキュアオールスターズF」も海外7カ国(タイ、ラオス、カンボジア、台湾、香港、マカオ+イタリアでのイベント)で上映されました。
配信に目を向けると、南北アメリカでは「Crunchyroll(クランチロール)」がプリキュアシリーズを公式配信しており、最新作「わんだふるぷりきゅあ!」の他、一部の過去作も見られます(著者の調査では2024年現在は以下の10作品が配信されているようです)。
クランチロールでの配信シリーズ
ふたりはプリキュア
Go!プリンセスプリキュア
魔法つかいプリキュア!
キラキラ☆プリキュアアラモード
ヒーリングっどプリキュア
トロピカル〜ジュ!プリキュア
デリシャスパーティプリキュア
ひろがるスカイ!プリキュア
わんだふるぷりきゅあ!
キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜
ただ、2024年7月に日本貿易振興機構(JETRO)が発表した、米国市場のアニメ事情をまとめたレポート「アニメ関連サービス・商品に関する米国市場レポート(2024年版)」によると、米国で人気のアニメは1位「Demon Slayer: Kimetsu no Yaiba(鬼滅の刃)」、2位「JujutsuKaisen(呪術廻戦)」、3位「Hell's Paradise: Jigokuraku(地獄楽)」、4位「Oshi No Ko(【推しの子】)」、5位「Vinland Saga(ヴィンランド・サガ)」……と続く中、「女の子向けアニメーション」としては38位に「アイカツ!」が入っているものの、プリキュアシリーズはランクインしておらず、米国での認知度はまだまだこれからのようです。
東映アニメーションのプリキュアの海外映像の売り上げも年々増加し続けています。2016年から2022年の6年で2倍以上(3億3000万円→7億1500万円)の規模となり右肩上がりで拡大。2024年現在の海外映像売り上げでは「セーラームーン」を超える規模となっています(2018年3月期決算:「セーラームーン」3億6700万円、「プリキュア」4億8600万円)。
かつての海外展開「グリッターフォース」は苦戦?
プリキュアは過去に米国に進出したこともありました。
2015年、米国のブランドマネジメント会社「サバン・ブランド」が、「スマイルプリキュア!」の英語版ローカライズ作品「GlitterForce(グリッターフォース)」を制作。主人公・星空みゆきはエミリー、キュアハッピーはグリッターラッキーになるなどキャラクターの名前も変更され、敵キャラクターやストーリーの一部も米国の視聴者向けに調整されてシーズン1、2が放送されました。続編「ドキドキ!プリキュア」のローカライズ「GlitterForceDokiDoki」もNetflixで配信されました。
しかし、一部では人気を博すものの、日本ほどの大きなムーブメントにはならず、2作が作られたのみで終了という形になってしまいました。
「グリッターフォース」のPVや予告映像はまだGlitterForcのYouTubeチャンネルに残っているので、興味ある方は見てみてはいかがでしょうか。
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