「NIKKE×エヴァ」コラボを振り返る 過去最大規模のボリュームと、感じた課題(1/3 ページ)
「勝利の女神 NIKKE(以降NIKKE)」で、エヴァンゲリオンコラボ「YOU CAN (NOT) EVADE.」が8月から開催されました。NIKKEで行われたコラボの中では過去最大のものだったと認識しているのですが、その内容はどのようなものだったのか。コラボが終わった今、過去のコラボや他のイベントと比べて振り返りたいと思います。
ライター:怪しい隣人
出来の良くないソーシャルゲームを勝手に「モバクソゲー」と名付けて収集、記録、紹介しています。モバクソ死亡リストは500件を超えました。年々ソーシャルゲームが複雑になり、ダメさを判定するのに時間がかかるのが最近の悩みです。本業はインフラエンジニア。そのためソーシャルゲームの臨時メンテは祭り半分胃痛半分な気分です。
NIKKEのコラボイベントや大型イベントは、普通「STORY I」「STORY II」と前半後半という形にストーリーが別れています。エヴァコラボはこれが「STORY III」まであるのです。2023年の水着イベントは「Blue Water isand」と「SEA, YOU, AGAIN」の2つに別れており、それぞれに「STORY I」「STORY II」があったのでさらに長かったのですが、今回のエヴァコラボは単一のイベントとしては最長といえるものでした。
イベント期間も8月22日〜9月19日で28日と単一のイベントとしては最長の開催期間であり、ガチャから排出される限定キャラもアスカ、レイ、マリの3人でこれまた限定ガチャの内容としては最多。とまあ、大変気合の入ったコラボイベントだったという認識です。
ボリューム満点ながら、首をひねってしまう描写も
コラボシナリオはニケ世界にある学校を舞台としたものだったのですが、事前に2回連続でその学校と生徒を中心としたイベントシナリオが実装されており、ある意味それが事前説明のようなものになっていったため、それを含めるとさらに大規模なコラボでした。
エヴァをモチーフとしてアレンジされたUIは大変凝っており見た目は楽しいものでしたが、肝心のイベントシナリオが個人的にはちょっと残念な感じでした。
そもそもエヴァンゲリオンが出てこずパイロットが生身で戦う時点で相当無理があるのですが、その上でパイロットたちがニケと組んで使徒を模した敵と戦うことになるところまではまあ展開の都合として受け入れられます。ただ、その後パイロットたちとニケたちがもめたり、さらにはニケが敵を倒せなかったらどうしようとおびえて逃げてしまったりという展開に「なんだかだいぶ古いエヴァを見てる気がする」という印象が強くなっていきます。
最新作の印象が強いところにツンツンとした性格のアスカがニケたちにつっかかっているのを見ると「マリもいるし映画のコラボだよね? これ“惣流”のほうじゃない?」みたいな気分に。最終的に巨大な粒子砲を作り、使徒を模倣した敵を迎え撃つという展開になるので「それがあるならエヴァのパイロットが生身で戦う必要なくない?」という気分にもさせられます。いろいろと「パイロットが生身で戦わないといけない」という理由付けはされているのですが。
理屈はともかくデカい砲台で“第6の使徒”に似た敵を迎え撃つシチュエーションをやりたいのは分かります。しかしその辺りの話をなぞっている関係上、かえって「マリいらなくない?」みたいに見えてしまうのも厳しいところです。そんなわけで、私自身のエヴァという作品に対する印象からはだいぶズレた物を見せられた印象が強いお話でした。
ただ、このような「古いキャラクター」「個人の思い入れが強く反映されたキャラクター」がお出しされてしまうことについてはニケのコラボの仕組み上納得させられるところがあるのです。
ニケのコラボイベントは「ゲートキーパー」と呼ばれる謎の存在が異世界のデータを複製して存在させたものという建付けになっています。あくまでも複製であって異世界からの召喚とかではありません。この存在はゲートキーパーの夢とも言うべき存在であり、攻撃することでゲートキーパーを目覚めさせると複製は消えてしまいます。ある意味コラボイベントとしてはすごく都合の良い存在といえるでしょう。
前置きが長くなりましたが、このゲートキーパーは「観測し記録したデータベース」から実体を生成しているので、「観測した時点のデータ」もしくは「観測者の主観が入ったデータ」から実体を生成している可能性があります。
要は「アスカといえばこういうツンツンした感じの女の子だろう」というデータから今回のコラボキャラが生成されている可能性があるのです。とまあ「俺の中ではこうなんだよ!」という理屈を立てるには良い設定だなとは思いますが、それをこちらが受け入れられるかどうかは話は別なわけで……。
こだわりを感じるビジュアル面
一方、各種メニューのデザインも含め、ビジュアルへのこだわりは強く感じられました。各STORYのステージセレクト画面は元ネタである原作をうまく活用しています。
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