昭和40年代『ヤングレディ』のワンピースを、令和に再現したら……  “あのころ”に思いはせる完成形が話題(1/3 ページ)

よくお似合いです。

» 2024年12月14日 20時00分 公開
[神奈川はなねとらぼ]

 昭和40年代に刊行された雑誌『ヤングレディ』に載っている“ワンピース”を完全再現!? 驚きのハンドメイド動画がYouTubeに投稿されました。

『ヤングレディ』に掲載されていたワンピースを再現

 投稿したのは、YouTubeチャンネル「YumiMuller Handmade」のYumiさん。以前、1979年発行の『装苑』に掲載されていたツーピースを作る様子が話題になりました(関連記事)。

 今回作るのは、1967年(昭和42年)刊行の『ヤングレディ』に掲載されていたローウエストのワンピース。誌面では鮮やかなピンク色の生地を使用しています。

60年代の雑誌を参考にワンピースを製図して作ってみたら 『ヤングレディ』に掲載されていたワンピースを再現
60年代の雑誌を参考にワンピースを製図して作ってみたら ピンク色のワンピースを作ります

型紙作り

 このワンピースはドレメ式原型を使って製図するタイプということで、原型を紙に写していきます。製図した線を写して、それぞれ1.5センチの縫い代を付けます。スカート丈は50センチにして中央で18センチ切り開き。ボリュームを出していきます。

60年代の雑誌を参考にワンピースを製図して作ってみたら 型紙の作成

 メインの生地は水色のファンシーツイード。キラキラのラメが入っており、こちらは2.3メートル使います。同じ色味のミシン糸とコンシールファスナー、裏地用に手持ちのピンクのポリエステル生地も用意。さらに、襟・カフス・仮縫い用に純白のシーチングも使います。

60年代の雑誌を参考にワンピースを製図して作ってみたら 生地はダブル幅のファンシーツイード

仮縫い

 シーチングの生地に型紙を写して裁断していきます。チャコペーパーでダーツや縫い代を写したら、縫い合わせて試着してみます。

60年代の雑誌を参考にワンピースを製図して作ってみたら シーチングで仮縫い

 サイズは良さそうですが、スカートはもう少し短くなる予定とのこと。また、袖が短くパツパツだったので、縫い代を1.5センチから1センチに変更しました。

60年代の雑誌を参考にワンピースを製図して作ってみたら 袖の縫い代を変えてみました

生地の裁断

 続いてはツイードの裁断。仮縫いしたシーチングをほどいて型紙のように重ね、それに合わせてカットします。なお、シーチングはそのまま裏張りにする予定とのこと。これはツイードのチクチク感を防止するため、かつ、帯電しにくいコットンを挟むことによって静電気を防止するためだそうです。

 シーチングとツイードを固定するため手縫いでざっくりと縫い、裏地や接着芯も裁断しておきます。

60年代の雑誌を参考にワンピースを製図して作ってみたら 仮縫いを解いて型紙代わりにします

襟とカフスを作ります

 襟にレースを付けるため、5ミリの粗ミシンをかけてギャザーを寄せておきます。襟の端にレースを止めて縫い、もう1枚の襟も重ねて縫います。

 できたらくるっと表に。レースの状態を確認したら、裏に戻して角を落とし、カーブに切り込みを入れます。再び表に返してステッチを入れました。襟と同じ要領でカフスも作っていきます。

60年代の雑誌を参考にワンピースを製図して作ってみたら 襟を作ります

本体を縫います

 シーチングに書いてある通りにダーツをつまんで、表地と一緒に縫います。ダーツなどの目印はツイードに直接写せないので、手間に見えるようですが、これが一番簡単なやり方なんだとか。裏地も同じようにダーツやタックを縫い、タグを付ける場合はここで縫っておきます。

60年代の雑誌を参考にワンピースを製図して作ってみたら ダーツやタックを縫います

 アイロンでダーツを倒したら肩と脇をそれぞれ縫い、縫い代を割ります。袖は縫い代を1センチで縫い、袖山には粗ミシンをかけてギャザーを入れました。

60年代の雑誌を参考にワンピースを製図して作ってみたら 肩と脇を縫います

 続いて、袖を付けます。袖山に付けた印と肩の縫い代を合わせて、クリップで固定。ぐるっと一周縫います。

60年代の雑誌を参考にワンピースを製図して作ってみたら 袖を付けます

 ここでスカートのパーツが登場。型紙には載っていませんでしたが、ポケットを作り、前スカートと後ろスカートを縫い合わせるときに一緒に付けます。こういう応用ができるのが、手作りのいいところですね。

60年代の雑誌を参考にワンピースを製図して作ってみたら スカートを縫います

 身頃とスカートを縫い合わせていくと、だんだんと形になってきました。続いて、襟のパーツを取り出し本体に縫い付けていきます。なお、通常は襟の上に見返しを付けるのですが、今回は裏地を作っているので省略するとのこと。

 スカートの下側を縫ったら、コンシールファスナーを付けます。試しにファスナーを動かしてみると、スムーズに開閉できました。

60年代の雑誌を参考にワンピースを製図して作ってみたら 途中経過(本体)
60年代の雑誌を参考にワンピースを製図して作ってみたら 途中経過(裏地)

本体と裏地を合わせます

 ここで本体と裏地を重ねてクリップで固定。中表で縫い合わせて、ファスナー部分の裏地はファスナーの上に縫い付けます。できたら縫い目ギリギリの部分まで切り込みを入れ、くるっと表に。完成が見えてきました!

60年代の雑誌を参考にワンピースを製図して作ってみたら 裏地を縫い付けます
60年代の雑誌を参考にワンピースを製図して作ってみたら 切り込みを入れて行きます

カフスを仕上げます

 袖口にも裏地を縫い付けます。カフスを付けて一周ぐるっとミシンをかけ、端は手縫いで仕上げました。カフスに付けるボタンはレジンで手作り。ネイルのパーツなどを使って透明なボタンを2つ作り、ボタンホールを開けたカフスに付けます。

60年代の雑誌を参考にワンピースを製図して作ってみたら カフスにボタンを付けます

 仕上げに、ふちかがり押さえを使ってスカート部分とフリル端の縫い代を処理。スカートの裏地部分に上身頃の縫い代を縫い付け、スカートの本体と裏地を部分的に固定します。

60年代の雑誌を参考にワンピースを製図して作ってみたら 裏地を固定します

 こうしてツイードのワンピースが完成しました。襟やカフスのフリルが効いていて、バイヤス断ちしたスカートのチェックもいいアクセントになっています。試着してみると、お嬢様っぽい雰囲気に。生地が重なっているので、とても暖かいそうです。

60年代の雑誌を参考にワンピースを製図して作ってみたら 完成です

 YumiさんはYouTubeの他、X(Twitter)(@yumimullerhm)やInstagram(@yumimullerhandmade)でも、かぎ針編みや洋裁の情報を発信中。また、別の日のYouTube投稿では、昭和20年代のワンピースや中原淳一さんの型紙を使ったワンピースなどを見ることができます。

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