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「エヴァの原点はウルトラマンと巨神兵」――庵野秀明が語り尽せない「特撮」への愛「特撮博物館」にかける思い(2/4 ページ)

「エヴァの原点は、ウルトラマンと巨神兵。」――庵野秀明監督が“館長”を務める展覧会「特撮博物館」が開かれる。発表会では樋口真嗣監督やスタジオジブリの鈴木プロデューサーも加わり、特撮への“愛”を語った。

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ジブリ美術館の隣に建つ予定だった?

 冒頭、司会者が庵野監督に展覧会への思いを尋ねる。

庵野 僕らが子供のころよく見ていた特撮をもう1度再発見し、技術をできる限り、文化遺産として後世に残したい。特撮みたいなものは今もあるが、ほとんどCGで作られている。CGにも面白さはある。一方そこにあるものを切り取る特撮の面白さもまだまだあると思う。そういうものを若い人にも伝えたい、知って欲しいというところから今回やることになった。お父さんがよく知っているものがたくさんあるだろうし、子どもが見ても面白いものはあると思うので、ぜひ親子連れで来て欲しい。

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鈴木 (今回のアイデアは)庵野さんに2010年の夏に相談されたんです。

庵野 鈴木さんの記憶違いですよそれ。夏じゃなくて1月です。

鈴木 えっ早く言ってよ! (気を取り直して)庵野さんにはたまに会うんですよ。風の谷のナウシカで巨神兵を描いてもらったりして、古い知り合いなので。庵野さんが「話がある」と言うので何かと思ったら、「特撮博物館を作りたいんだ」と。いきなり「ジブリ美術館の隣の土地にどうだ?」って言われて。

庵野 「ジブリ美術館の隣に土地があるな〜」って鈴木さんが言ったんじゃないですか!

これが最後のチャンスだから……

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 庵野監督の最終目標は常設の特撮博物館を作ることだが、その過程で展示会をやれば現状の把握に役立ち、楽しんでもらえるものになる――と、企画が発足。東京都現代美術館と日本テレビは毎年、スタジオジブリの協力のもとアニメに関するさまざまな企画展を開催しており、10回目となる今回は「特撮」をテーマに開くことになった。

庵野 準備は、いろんな(特撮関連の)会社の倉庫とかを見せてもらって、どこにどれくらい残っているかを把握するところから。特撮技術を持つ方がまだどれくらい仕事をされているのかといった確認から始めました。今やらないとできなくなると思ったんですよ。特撮にまつわるモノも人もどこかで消えてしまう。今はそういったものを集められる最後のチャンス。

鈴木 彼(庵野監督)が、個人の楽しみのためだけじゃないと。公的なものにしたいと強調していたのを覚えてますね。

庵野 なんていうんですかね、特撮に価値を置かない人にとっては粗大ゴミみたいなものなんですが、僕は後世に残すべきだと思っているんです。国や機関が恒久的に残してくれればなと。でなければ雲散霧消してしまうものなので、残せる限りは残したい。(今回の企画は)そういう願いと祈りからですね。

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