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MS開発のAIが「ミズ・パックマン」を完全攻略 限界スコアの99万9990点を達成

「ミズ・パックマン」は元祖「パックマン」と異なり一定のパターンでは攻略できないため、AI開発の題材に適しているようです。

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 マイクロソフトの研究チームが、AIにビデオゲームを攻略させる実験に成功。1981年リリースの「ミズ・パックマン」(ATARI 2600版)で、カウンターストップ(カンスト)となる99万9990点をたたき出しました。


カンスト 201面でカンストを達成。このあとの加点でスコアは0に戻った

 同作は「パックマン」の非公式な強化版として生まれ、のちにナムコから公認を受けた作品。モンスターの行動パターンにランダム性が加味されており、「パックマン」のように一定の攻略パターンが通用しません。攻略にはステージの状況変化に即した対応が必要で、AIの学習に適しているといえます。


スティーブ・ゴルソン 「ミズ・パックマン」開発者のスティーブ・ゴルソン氏も、「通常のパックマンよりも予測しにくいよう設計したので、AIにランダムな環境へ反応する教育を試みる研究者には理想的な環境」とコメントしています

 攻略においては「敵の動きを学習するもの」「フルーツの位置を追うもの」など、さまざまな役割を持つ「エージェント」を160以上設定。それぞれが自分の受け持つ役割の観点から、キャラクターが進むべき方向を提案します。そして「上司」に相当するエージェントが全報告を総合し、最終的に移動方向を決定。多くの要因を鑑みて最善の選択を決定する仕組みです。


エージェント 多数の報告をもとに、最終的な移動方向(画像右下)が決定される

 もし大多数のエージェントがフルーツを取りにいくよう提案していても、敵の動きを把握するエージェントが危険を唱えれば、上司は逃げることを優先するとのこと。決して多数決ではなく、「どうすればミスせず効率よくゲームを続けられるか」とゲーマー的に判断しているようです。

 「強化学習」を採用したこの手法は、ビジネスなど正解のない分野で最善策を決めるうえで有用。マイクロソフトはこの研究が、高度で複雑な作業における意思決定に役立つとしています。


(沓澤真二)


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