恋愛対象がハトやクリーチャーといった前例(関連記事1/2)があるほど多様な恋愛ゲーム界隈(かいわい)に、冷蔵庫と恋をする「コールドハーツ」が現れました。プラットフォームはSteamで、2019年発売予定。「多様性」と向き合うのは現代人共通の課題ですし、ストアページで配信中の体験版を遊んで向き合ってみようと思います。“様”が“多”すぎる気もするけれど。
主人公は、亡き父から店を継いで間もない電気屋さん。仕事には気苦労も多くてときどき眠れず、夜中に冷蔵庫を漁って夜食をつまむのが習慣化していました。物語はそんな夜からスタート。冷蔵庫を漁りにいくはずが、冷蔵庫のほうからやってきました……???
「ご主人様を助けたくて」と、冷蔵庫は女性の声でしゃべりかけると、体内(?)からチョコバーを放り投げて去っていきました。主人公は夢だろうと合理化しますが、朝になって溶けたチョコでベトベトになった寝室を見て、現実だったと気付かされます。
困惑しつつもキッチンへ行くと、冷蔵庫はあらためて話しかけてきて、「Anzu」と名乗りました。筆者の感覚がマヒしているだけかもしれませんが、顔(というかドア)を赤らめた姿がかわいらしく見えるから不思議です。会話の選択肢を吟味して彼女と仲良くしようと試みましたが、主人公は混乱するばかりで、あまり進展しませんでした。ああっもどかしい。
その夜、主人公は店の出資者であるIbiki氏(すごい名前)に招待され、事業計画を詰めることに。ワインを持ってくるよう頼まれてキッチンに行くと、今度は妖艶な女性「Ume」が、フリーザーの冷気とともに現れ、親しげに話しかけてきます。ところが彼女は実体がないようで、触れることができません。人間ともいい感じになるんだなと思ったら、人間じゃなかった。
その後、友人のKazuyaと相談すれば、彼の家の冷蔵庫に話しかけられ、泥酔して帰宅すれば、自宅の全自動洗濯機が吐瀉物で汚れた服をかいがいしく洗濯してくれて……と、行く先々で家電に好かれる主人公。唐突に自宅へ現れた青年が、この現象の秘密を知っていることをにおわせたところで、体験版は終了しました。プレイ時間は英文をざっくり翻訳する手間を含めて2〜3時間といったところ。まだ主人公がうろたえているばかりで、恋愛感情までは生まれておらず、本編でどうなってしまうのかとても気になります。早くAnzuとイチャイチャさせてほしい。
ストアページの説明文によると、同作は「冷蔵庫、孤独、そして人生の意味を描くヴィジュアルノベル」。攻略対象のキャラクターは7人、エンディングは20以上用意されています。ほかにも、冷蔵庫の修理を依頼してきた客がのちに失踪してしまうサスペンス成分あり、ふらりとやってきた“人間の”女性との出会いありと、盛りだくさん。主人公の性別を明確化しないジェンダーフリー仕様もあって、多様性の塊ですね。
なお、公式サイトのキャラクター紹介で、Umeは「Ibiki氏宅の冷蔵庫」として紹介されています。PVの情報と合わせて考えると、冷蔵庫のアバター的なものなのか……? 考えすぎると脳味噌がパンクしそうなので、ゲームの完成を待つことにします。発売したらしたで、ますます混乱しそうですけれど。
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