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機械なぞ要らぬっ! 肉眼のみで解読するバーコード入門

読める……読めるぞ……?

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 以前、「肉眼のみで解読するQRコード講座」という記事を書いたことがあり、大きな反響をいただいた。

 QRコードは正方形の領域にデータを詰め込んだ2次元コードであり、横一列に白黒のパターンを並べたバーコードよりも多くの情報を表せる。

 つまり、バーコードはQRコードよりも簡単に読めるはずであり、QRコードが肉眼で読めるんだから(?)バーコードを読むなんてどうってことないはずだ。

 肉眼で読んでやろうじゃないか、バーコードを!


基本用語「ガードパターン」「モジュール」

 実はバーコードにもいろいろな種類があるが、ここでは最も一般的な、商品の識別に用いられている「JANコード」を読んでみることにする。

 多くの場合、商品には13桁の数字がJANコードで表示されている(場合によっては8桁の短縮コードが用いられていることもある)。


ガードパターン

 バーコードを眺めてみると、左右と中央の3箇所に他よりも線が長くなっている部分があることが分かる。これを「ガードパターン」という。中央のガードパターンを境として、左側で6桁、右側でも6桁の数字を表す。



モジュール

 バーコードは線の幅が重要であり、最も細い幅(これを1モジュールと呼ぶ)を基準として7モジュールで1つの数字を表す。つまり、ガードパターンとガードパターンの間には7×6=42モジュール分の線が描かれていることになる。

 バーコードを左から7モジュールずつ区切っていくと、必ず黒い線と白い線がそれぞれ2本ずつ含まれていることが分かるはずだ。白黒白黒の4つの領域の幅を読み取って、対応表から数字を復元していくことになる。



浮いたアイツにも意味がある

 ここで対応表を……といきたいところだが、ここまでの説明で矛盾する点がある。JANコードは13桁の数字なのに、6桁+6桁だと12桁しかないじゃん!


一番左の数字は特別

 今まで生きてきて気になっていた人も多いんじゃないだろうか、数字の一番左にいるちょっと浮いた数字。実はこの13桁の先頭1桁は、他の12桁とは少し違った表し方をされているのだ。



 左半分を7モジュールずつ区切った6ブロックについて、それぞれの黒の幅を足し合わせ、合計が奇数か偶数かを判定する。例えば、白黒白黒の線の並びのブロックで、それぞれの幅が3, 2, 1, 1であれば、黒の幅は2と1なので、和の3は奇数。

 そして、黒が奇数モジュール分あるところをA、偶数モジュール分あるところをBとすれば、ABAABBのようにAとBの並びができる。この並びを読み取って、以下の対応表から先頭の1桁を決めるのだ。



A=奇数、B=偶数

 ちなみに、JANコードの最初の2桁は国コードで、日本ならば45か49と決まっている。つまり日本国内で買った商品のバーコードであれば、ほとんど4:ABAABBのパターンで並んでいると思って間違いない。


対応表さえあれば簡単に数字が分かる!

 さて、話を元に戻して、各ブロックを数字に変換するための表を示す。左半分と右半分、さらに左半分は黒のモジュール数の偶奇でパターンが変化するので、数字に対して3通りの表し方が存在する。



左半分にあって、2(黒),2(白),1(黒), 2(白)であれば、黒のモジュールは合計4なので、このブロックは表の真ん中を見ることになり、対応する数字は「2」

 白と黒の幅を読み取って、その並びを表に対応させるだけで、バーコードの中身が読み取れる。簡単!


答え合わせ

 ただし、残念ながらバーコードからデータを読み取るメリットはQRコードに比べて少ない。なぜなら普通はコードの下に数字が書いてあるから……。つまり答え合わせは、その数字を見ればできるのだ。良いんだ、肉眼解読はロマンなのだ……。


うん、数字書いてあるね……

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