トヨタ自動車「プリウスPHV」など
トヨタは、ハイブリッド車「プリウス」、プラグインハイブリッド車の「プリウスPHV」などにアクセサリーコンセントとして車内に1500W対応のAC100V出力コンセントを標準搭載。車体の充電端子に差してAC100V出力の電源を取り出せる「ヴィークルパワーコネクター」も付属します。
プリウスPHVは「EV給電モード」と「HV給電モード」という2つの給電モードを用意しています。
EV給電モードはエンジンを止めたまま、バッテリー残量が一定以下になったら給電終了というもので、主にアウトドアシーン向け。HV給電モードはバッテリーが減ってきたらエンジンをかけて給電を継続する停電・災害時向け。HV給電モードは、ガソリン満タン時/一般家庭が日常使用する電力量(約400W/時)で4〜5日の電力を供給可能としています。
さらにプリウスPHVは太陽光で充電できる「ソーラー充電システム」のオプションもあります。
このほか、シエンタ、アルファードなど電源コンセントを用意する車種/グレードも増えています。
日産自動車「リーフ」(V2H機器/外付け機器)
国内EVの先駆者である日産自動車の100%EV「リーフ」は、走行用バッテリーを蓄電池としても活用するシーンをとてもプッシュしています。
それが、災害などで停電したときに「家まるごと」へ電力を供給する「V2H(Vehicle to Home)」です。家中ほとんどの家電に、例えば200Vのエアコンなども含めて給電できます。設備投資費はかかりますが、停電時でなくともリーフのバッテリーに切り替えて、自宅の電気代を節約するといった使い方もできます。
もう1つは移動型。こちらは屋外アウトドアシーン、そして災害時・避難所などでの利用を想定し、リーフのCHAdeMO端子からAC100V出力に変換する専用機器を介して実現します。
専用機器はAESC「LEAF to 100V(コンセント3口、合計出力1500W)」やニチコン「パワー・ムーバー(コンセント3口、各口1500W、合計4500W)」などがあります。機器は30万円ほどからとちょっと高額ですが、用途を考えると、備えあれば……となり得ます。
なお、商用EV「e-NV200」など、標準で最大1500W対応のAC100Vコンセントを備えてる車種も増えています。
今回のポイントは「備え付けでスマートに使えること」と「(常識的な範囲の家電ならばほぼ使える)1500W対応」、そして将来的に「V2H」まで拡張できることです。
単にAC100V出力をクルマで使うならば、DC12Vのアクセサリーソケット(シガーライターソケット)からAC100Vに変換する機器もあります。大容量バッテリーを備えたポータブルバッテリー(モバイルバッテリーの大型版で、USB充電だけでなくAC100Vコンセントなども備えるもの)を導入するのも手軽に実現できる方法の1つです。
クルマの利用シーンを楽しく広げるものとして、そして万が一の備えとして「AC100Vコンセント付き」もクルマの比較検討材料に加えてみてはいかがでしょうか。
(掲載は車名順)
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「クルマから住宅へ電力を供給」できるようになります。近未来感。