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高い? 遅くない? 航続距離少なくない? 「こ、これはヤバいかも……!」期待の軽EV「サクラ」に乗ってきた(1/5 ページ)

サクラ、意外といいですよぉぉ。

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 これはゲームチェンジャー、か?──。 日産の軽EV「サクラ」(関連記事)が好調です。同社によると、2022年5月の発表から3週間で1万1000台、7月頭時点で1万7000台、7月後半時点で昨年の年間BEV受注台数の約2万台を超える、2万3000台の受注があったそうです。

日産の軽BEV「サクラ」
日産の軽BEV「サクラ」(Gグレード/インテリア:プレミアム)
試乗車仕様:「G」グレード、ブロッサムピンク/ブラック(2トーン) 車体サイズ:3395(全長)×1475(幅)×1665(高さ)ミリ、重量約1080キロ 駆動方式と動力源:FF/交流1モーター 最大出力:45kW(64馬力)、最大トルク:195Nm(19.9kgf-m) 最高速度:時速130キロ バッテリー容量:20kWh(リチウムイオンバッテリー) 航続距離:最大180キロ(WLTCモード時) 参考充電時間:残量警告灯点灯時〜80%まで、DC急速充電40分、家庭AC200V普通充電約8時間

 サクラは、いよいよ普及価格帯まできた、私たちも買えると思える“軽自動車”のBEV(エンジンはない、100%モーター駆動の電動車)です。日本の新車販売で約4割を占める軽自動車として得られるコストメリットをほぼそのままに「EVに置き換えていく」「軽の概念を大きく変えたい」と意気込む日産の日本ユーザーに向けた戦略車。果たしてどんなクルマなのか、早速乗ってきました。

「走りが“けっこう”楽しい」 青信号のたびに「おぉ〜!」とくる加速感と静かさ

 「あれ、“普通”にいいぞ」。1.3リッターガソリンエンジンのコンパクトエコカーでやや長距離ドライブして試乗会へ出向き、その感覚が残ったまま「サクラ」に乗り換えました。

 正直、軽だから遅いんでしょ、安っぽいんでしょと“なめて”いました。ゴメンナサイ。そんな思い込みを乗って即覆してしまったので普通だと感じたのかもしれません。

 「ちゃんと速い」のです。電動モーターならではでもある「即」クンッと反応する加速の鋭さと、そのままキュィィンと軽やかに速度が伸びていく感じは、その辺のリッタークラスガソリンエンジンのコンパクトエコカーより断然心地いい。「なるほどー、これがEVか。ほぉぉ〜♪」と青信号になるたびに笑みが出ます。「何これ、ちょっとキモチイイ〜」です。

日産の軽BEV「サクラ」、想像以上にキビキビした走り
「お! けっこう速いぞー」 車内の質感の高さ、想像以上の加速の鋭さに驚きます。ドライブモードは標準の「Standard」でこれです

 サクラの最大出力は、660ccガソリンターボエンジンの軽・デイズと同じ47kW(64馬力)です。これは現行のどのメーカーの軽も同じ、軽自動車規格における自主規制上限値です。

 しかしトルクがズドンと大きく違います。サクラの最大トルクは195Nm(約19.99kgf-m)。デイズの約2倍もあります。

 参考までに660ccターボエンジンの軽(デイズ ハイウエイスターG:100Nm)はおろか、1200ccクラスのガソリンエンジン普通車(マーチ S:106Nm)や1500ccクラスのガソリンエンジン普通車(ヤリス Z:145Nm)も上回る値です。

 さらに「想像以上に静か」です。静かなまま、ガソリンのリッター車クラスかそれ以上の加速感で高速道路を時速100キロまで到達し、そのまま巡行できます。がんばって“うなる”エンジン音のやかましさがなく、タイヤが発するロードノイズだけが大きい。うるさいエンジン音がないのでロードノイズが相対的に目立ってしまうのでしょう。普段の通りに音楽を流せば目立たなくなります。

 高級車の演出に使われる「静かさ/静粛性」。この実現はいろいろとおカネの掛かることと言われます。これまで軽だから仕方ない/難しいとある程度割り切られていた感覚的な項目です。車内で会話をする、音楽を楽しむ、運転を楽しむ。そんなあたり前の日常使いで「軽の概念を変える」を実感できそうな、スペック表には表れないサクラの良さそうなところと感じます。

日産の軽BEV「サクラ」の内装
7インチフルカラー液晶のメーターディスプレイと9インチのセンターディスプレイが並ぶインストルメントパネル。内装の仕上げもかなり上質

 ちなみにドライブモードは、標準モードの「Standard」、よりメリハリの効いたキビキビ走りとなる「Sport」、Standardより穏やかでバッテリー消費を抑えて走れる「Eco」に切り替えられます。Sport+e-Pedalで山道などもかなりキビキビと走れる特性になります。バッテリー消費を抑えたいならばEcoで穏やか特性にもなります。

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