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Wi-Fi設置に沸く報道陣、TBSレコ大に駆けだす記者 NHK紅白歌合戦2023取材の裏側(1/4 ページ)

4年ぶりの紅白取材になる記者が、リハーサルの裏側などを振り返ります。

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 2023年12月31日、「第74回NHK紅白歌合戦」(以下、紅白)が放送され、日本の大みそかを彩りました。今回4年ぶりの紅白取材になる記者が、リハーサルの裏側などを振り返ります。

紅白 NHK
司会者の皆さん(左から高瀬耕造アナウンサー、橋本環奈さん、有吉弘行さん、浜辺美波さん)

紅白取材の申し込み

 コロナ禍前とはガラッと違う取材スタイルになっているということを聞いていた筆者。まずは例年通りNHK広報部に向けてこれまでの取材実績や過去の紅白記事などのURLをまとめた「企画書」を送付することになりましたが、今回はなんと「メールで提出してください」とのこと。

 4年前の紅白の際も含めて、“NHKといえばFAX文化”がかなり根強い印象だったので、少し驚きました。

紅白 NHK
取材場所となったNHK放送センター

以前の取材スタイルを振り返り

 ここで一旦、2019年時の取材スケジュールとスタイルを振り返ります。

  • 12月24日:入館証受け取り
  • 12月28日:音合わせ(板踏み)
  • 12月29日:音合わせ
  • 12月30日:リハーサル(本番衣装/顔合わせセレモニー)

 2019年時の取材スタイルといえば、始発に乗って5時頃からNHKホール前に行列を作り、開場までひたすら寒さに耐えてから入館。

 入館後は速やかに「囲み取材撮影」「ホール内でのリハーサル撮影」のいずれかの列に並んでからスマートフォンの電源をOFFにします。

 万が一、NHKホール内でスマートフォンの利用が発覚した場合は、その場で取材終了の可能性があるなどかなり厳しく制限されていたので、全ての記者が強く注意を払っていました。

 その後はアーティストが登場して立ち位置の確認を行う「板踏み」、音響をチェックする「音合わせ」が順番に行われていく様子をメモしたり、スチール撮影したりしていくのですが、初日はほとんどのアーティストが“私服”で登場。ファッションチェックをするメディアも、多数見受けられました。

 またホール内には次の出番のアーティストも待機しているため、出番ではないアーティストが近距離に立っていて、目が合うと「お疲れ様です!」とあいさつしてくれるなど、全日程リハーサルに行くと、スタッフ・出演者・メディアがなんとなく顔なじみになっていくのは紅白ならではの感覚でした。

 普段はライバルでもあるメディアの記者たちが、「今の囲みでお話されていたメンバーのお名前分かる方いますか?」「もう○○さんみえましたか?」「雨が降ってきたので荷物を動かしましたよ」と助け合いの精神で臨むのも“紅白あるある”でした。

2023年の紅白取材スタイルは

紅白 NHK
いざ紅白へ出発

 今回の紅白のリハーサルは12月29日と12月30日、そして取材非公開の12月31日に行われるとのことで、12月28日昼ごろに「リハーサル取材 時間確定のご案内」と題したPDFが届きました。

 前回の取材では12月24日にNHK放送センターに行って、リハーサル取材用の“入館証”の受け取りが必要だったのですが、今回は前述のPDFを印刷したものが一種のパスになるといいます。

 また取材については「囲み取材をする会見場」に入る記者クラブチームと、「囲み取材の中継」が映し出される部屋に入る一般メディアチームの2グループに分けられており、リハーサルの様子についてはいずれのチームも「公開可能な音合わせの映像」を見るというスタイルとのこと。映像を見て記事を書くのは初めての経験なので、やや不安を抱えてNHKに向かうこととしました。

 12月29日は9時15分〜20時30分まで、12月30日は13時30分〜19時までの取材予定とのことでしたが、事前にNHK広報から「何時間も前から並ばなくても十分に座れると思われる座席数を用意しています」と言われたので、開始30分前に中継チームの部屋に到着したところ、かなりゆとりをもって座れる座席数が用意されていました。

紅白 NHK
中継チームの記者が渡された“入館証”(ねとらぼ編集部でモザイク加工)

 通されたのは普段は撮影に使用されているスタジオの一角で、そこにメディアルームが特設されています。基本的にはパイプ椅子が並んでいる正面に大きなプロジェクターが設置されているスタイルで、壁沿いには数台の机が設置されており、個数は制限されていたものの電源コードのタップも用意されていて「譲り合ってご利用ください」とのことでした。

 ここである記者が驚いていたのが「Wi-Fiがある!」ということ。2023年はメディアルーム内にNHKが用意したWi-Fiが設置されていたのですが、2022年はそういった準備がなかったようで「スタジオっていう特性上電波が入らなくてすごく困ったんだよね」と話していました。

 確かにネットメディアを含め多くのメディアは現場で記事を書き、すぐに編集部へ記事を送信したいので、Wi-Fiのあるなし、電波の良し悪しは死活問題です。改善してくれたNHK広報に感謝するメディアが多かったのではないでしょうか。

 また以前は厳しく制限されたスマートフォンの利用については使用可能で、一部のメディアは会見の直前に編集部へ電話をかけ、“会見の中継映像の音声中継”を行うなど取材手法を凝らしていました。

初めての中継映像での記事化

 そしていよいよ2023年の紅白リハーサルがスタート。

 トップバッター「緑黄色社会」の音合わせの映像がプロジェクターに映し出されました。

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