ニトロプラスが“アーケード”に進出――10周年記念プロジェクト発表会
ニトロプラスは、誕生から10周年を記念したプロジェクト発表会を開催した。“Game”“Music”“Animation”という3つのコーナーに分けられて行われた発表会では、2009年度に稼動予定のアーケードゲームなどが発表された。
12月25日、ニトロプラスは東京・秋葉原にあるUDXシアターにて「ニトロプラス10周年記念プロジェクト発表会」を開催した。
発表会の冒頭に登場したニトロプラス 代表取締役社長/プロデューサーの“でじたろう”こと小坂崇氣氏は、「ニトロプラスは1999年8月8日に誕生しました。我々が10年生き続けることができたのは、最初のきっかけとして“心を揺さぶる作品作り”を心がけてきたからだと考えています。コンテンツの表現方法はいろいろありますので、これからもPC向けの美少女ゲーム市場を頑張りながら、いろいろなことに挑戦していきたい。最近は“エコロジー”とか“農業”といった分野に興味があります。いずれはそういったジャンルのタイトルを出すかもしれません」とあいさつ。
続けて、10周年記念プロジェクトのテーマを“Exceeding 10!(10を超える!)”と発表した小坂氏は、「10周年を越えてもニトロプラスがより元気に生き続けていくことの表明と、これを機に1年間(2009年)に10個以上のプロジェクトをこなしてみようという意味があります。現在のところ企画自体は10個以上が始動しており、今回はその中のいくつかを皆さんに聞いてもらいたいと思います」と話した。
ニトロプラスがアーケードゲーム業界に進出
“Game”“Music”“Animation”という3つのコーナーに分けられて行われた発表会では、まず発売予定日が2009年2月26日に決定しているXbox 360用ソフト「CHAOS;HEAD NOAH」とアーケードゲーム「ニトロプラス格闘ゲーム(仮)」の紹介が行われた。
CHAOS;HEAD NOAHは、5pb.とニトロプラスのコラボレーションタイトル。ここでは5pb. プロデューサーの松原達也氏が登場し、「PC向けの美少女ゲームをコンシューマに移植する場合、何らかの要素が削られたりしますが、(CHAOS;HEAD NOAHは)PC版にはないキャラクター別の固有ルートを追加するなど、シナリオは(PC版と比較して)1.5倍ぐらいになっています。また、いとうかなこさんが歌うゲーム中の楽曲も新曲に差し替えています」と、PC版とXbox 360版の違いを説明してくれた。
一方のニトロプラス格闘ゲーム(仮)は、2007年9月に登場した2D格闘ミニゲーム「ニトロ+ロワイヤル ‐ヒロインズデュエル‐」をベースとしたアーケードゲーム。ただの移植ではなく、マイルストーンが新たに作り直しており、ほとんど別のタイトルと言っていいほどガラッと変わる予定だという。
マイルストーン ディレクターの滝栄司氏は、「(マイルストーンを)シューティングゲームで知っている方もいるかもしれませんが、格闘ゲームを作った経験がないわけではありません。今回はその時のノウハウを生かせればと考えています。格闘ゲームはキャラクターに魅力がないと取っ付きにくい。そういった意味では、ニトロプラスさんの各作品のキャラクターが出てくるニトロ+ロワイヤルを、アーケード向けの格闘ゲームにふさわしいレベルまで持っていくことができれば、アーケードゲーム業界にも貢献できると思っています」とコメント。
残念ながらゲーム画面などは公開されなかったものの、ニトロ+ロワイヤル から進化したキャラクターグラフィックがスクリーンに映し出されるとともに、2009年度に稼動予定であることが明かされた。
いとうかなこさんがCHAOS;HEAD NOAHの主題歌を披露
Musicコーナーでは、ニトロプラスの関連会社であるデジターボの音楽レーベル「GEORIDE」から、CDアルバム2枚――「ニトロプラス ボーカルベスト」「ニトロプラス RIMIXアルバム」を発売することや、2つのライブイベント――2009年3月14日に赤坂BLITZで「キラルナイト スイート」、2009年6月27日にJCBホールで「ニトロプラス10周年記念ライブ」を開催することが発表された。
また、ここではGEORIDE所属アーティストである、いとうかなこさんが登場し、CHAOS;HEAD NOAHの主題歌「fake me」を熱唱した。
9年の時を経て“亡霊(ファントム)”がよみがえる
2000年2月に登場したニトロプラスのデビュー作「Phantom ‐PHANTOM OF INFERNO‐」を題材としたTVアニメ「Phantom ‐Requiem for the Phantom‐」に関する発表が行われたAnimationコーナーでは、できたてホヤホヤのプロモーションビデオが上映された。
プロモーションビデオ上映後には、Phantom ‐Requiem for the Phantom‐ 監督の真下耕一氏と、メディアファクトリー プロデューサーの吉沼忍氏が登場。ここでは吉沼氏が、「Phantom ‐PHANTOM OF INFERNO‐をプレイした時に王道だと感じた。王道とひと言で言ってしまうとそれで終わるが、骨組みがしっかりしているので、(Phantom ‐PHANTOM OF INFERNO‐は)10年経った今プレイしても面白い。10周年に合わせたようになってしまいましたけど、ジョイまっくす(ニトロプラスの名物広報)とはずっとアニメ化の話をしていたので、やっと実現したともいえますね」と、相当前からアニメ化を模索していたことを明らかにした。
真下氏はPhantom ‐PHANTOM OF INFERNO‐の魅力について言及。自身が携わったTVアニメ「NOIR」を例に挙げながら、「7年前にテレビアニメーションとして“殺し屋の少女”を題材にしたNOIRに携わりましたが、当時はスタッフの間で“本当にこんなものをやるんですか?”という激論が交わされていた。ただ、同じような方法論、コンセプトでやっていたPhantom ‐PHANTOM OF INFERNO‐があったんですよね。初っ端からこれをやるのかと、衝撃を受けたのを覚えています」と話してくれた。
また、ここではアイン(江漣)役の高垣彩陽さん、ツヴァイ(吾妻玲二)役の入野自由さんのビデオメッセージも公開。それぞれ「吾妻くんは普通の男の子でしたが、ある不運な出来事によって記憶をなくしてしまい、殺し屋として育て上げられてしまいます。吾妻くんに関しては、そのままの入野自由としてのテンションのまま演じています。ツヴァイはまだちょっとしか演じていませんが、“殺し屋ってどういうものなんだろう?”と想像しながら、感情を押し殺すというところを意識して演じています」(入野さん)、「アインはインフェルノという組織で最高暗殺者の称号“ファントム”を持っている幼い少女です。アインはものすごくいろいろな要素を持っているので、私もまだまだ未熟ですが、アインとして、あの世界観の中で生きていけるように、役に向かっていきたいと思います」(高垣さん)と語っていた。
製作状況に関しては、吉沼氏が「放送時期はまだ言えませんが、今回は2クールの作品となります」とコメント。TVアニメ以外にも、コミックや音楽など、幅広く展開していくそうなので、気になるファンはチェックを怠らないようにしてもらいたい。
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