“宇宙最強”のゲーミングノートPC「Alienware M17x」を試す:OC×SLI×SSD RAIDも可(2/2 ページ)
オーバークロックやSLI、RAID対応で圧倒的な性能を実現
Alienware M17xが“宇宙最強”をうたう理由は見た目だけにあるのではない。その巨大なボディに格納されるハイエンドパーツは、ノートPCとしては群を抜くパフォーマンスを実現している。チップセットにグラフィックス統合型のNVIDIA MCP79(GeForce 9400M G)を採用する基本システムは、CPUの選択肢としてCore 2 Extreme QX9300(2.53GHz/2次キャッシュ6Mバイト×2/FSB 1066GHz)まで用意されており、BIOSからオーバークロック設定も行える。さらにグラフィックス機能は、GeForce GTX 260MまたはGeForce GTX 280MのSLI構成も選択可能だ。
メモリは最大8GバイトのDDR3 SDRAM(1333MHz)、ストレージのBTOオプションにはHDDとSSDが並び、ドライブを2基搭載することによりRAID-0/1で運用することもできる。光学ドライブはスロットローディング式のDVDスーパーマルチ/Blu-ray Discコンボ/記録型Blu-ray Discドライブ。このほかIEEE802.11a/b/g/n(nはドラフト準拠)の無線LAN(MIMO 2×2)とBluetooth 2.1+EDRを標準装備している。OSは64ビット版のWindows Vista Home Premium/Windows Vista Ultimateだ。
液晶ディスプレイの品質とキーボードの使い勝手は
17型ワイドの液晶ディスプレイは、1920×1200ドットと1440×900ドットの2種類のパネルが用意されている。2灯タイプで輝度は高く、フレーム部まで光沢パネルがはめこまれており、発色も鮮やかだ。FPSゲームなど動きの激しいタイトルをプレイしやすいよう、パネルの応答速度は8msとノートPCの液晶としては高速だ。試用していて少し気になったのはディスプレイ部の重量で、巨大な鉄塊を思わせる天板は、開閉するときに両手を使わないと非常に重く、閉じるときはある角度を過ぎると自重で勢いよく閉じてしまう。このとき指を挟んだりしないように注意する必要がある。なお、評価機の液晶ディスプレイは解像度が1440×900ドットだったが、+1万2600円で1920×1200ドット表示にできるので、よほど予算に限りがなければ(そんな人はこのモデルを買わないと思うが)高解像度パネルを選択したい。
キーボードは、17型ワイド液晶ディスプレイを搭載する幅広のボディにあわせて、テンキー付きになっている。BTOでは日本語キーボードと英語キーボードを選択可能だ。使い勝手はデスクトップPC用のキーボードに近く、タッチは柔らかめだがキーストロークは深い。また、キーボード右奥には、タッチセンサ式のメディアコントロールボタンとともに、音量調節や無線LANのオン/オフ、Alienwareコマンドセンターの起動ボタン、消費電力を最大240ワットから最大65ワットへ落とすステルスモードボタンが並んでいる。
一方、タッチパッドのサイズは81×50ミリとボディに比べればやや狭く、ホームポジション(F/Jキー)にあわせて左寄りに配置されている。パッド表面には細かい蜂の巣状の模様がデザインされているのだが、指がパッド上をうまくすべらずに引っかかることがあった。パッド操作に慣れていない人は、普段使いのときでもゲーム用の外付けマウスを使うほうがいいかもしれない。
なお、システム性能を最大に発揮する状態でベンチマークテストを行うと、3つのファン(SLI構成時)が高速で回転し、背面の排気口から熱風が吹き出て盛大な風切り音が聞こえた。ゲームプレイ時はどうしてもファンノイズが大きくなるので、ゲームの世界に没入したいときはヘッドフォンを利用するほうがいいだろう。深夜のWeb閲覧などゲーム以外の用途で使う場合は、ステルスモードやBinary GFXで内蔵GPU動作(GeForce 9400M G)に切り替えられる。Alienware M17xを冬のナマズみたいにおとなしくさせたいときに便利だ。
ベンチマークでシステム性能を検証
最後に定番ベンチマークテストを実施した。ただ、今回評価したAlienware M17xは量産試作機であり、なぜかWindows Vistaのシステムプロパティが表示されず、Windows エクスペリエンスインデックスのスコアが算出できないなど一部で不具合が見られた。また、HDDにはHGSTの「Travelstar 7K320」(320Gバイト/7200rpm/2.5インチ)が2台搭載されていたが、これは現時点でのBTOには用意されていない構成だ(320Gバイト×1はある)。スペックは、CPUがCore 2 Extreme QX9300(2.53GHz)、メモリが4Gバイト、HDDが640Gバイト、グラフィックスがGeForce GTX 260M×2のSLI構成、光学ドライブがBlu-ray Discコンボ、液晶ディスプレイが1440×900ドット表示のパネルだ。
なお、比較対象としてNVIDIA GeForce 9400Mチップセットを採用する15インチMacBook Pro(MB985J/A)にWindows XP Home Edition(SP3)を導入したときのスコアも掲載した。こちらはCPUがCore 2 Duo P8800(2.66GHz/2次キャッシュ3Mバイト/FSB 1066MHz)、外付けGPUがGeForce 9600M GT(256Mバイト)。ただしOSは統一されていないので参考程度に見てほしい。
PCMark05の結果は、CPUが8014、Graphicsが14357と、ノートPCとしては非常に高い値をマークし、特にグラフィックス性能が突出しているのが分かる。15インチMacBook Proに比べてHDDでも大きく差を広げているのは、2.5インチながら7200rpmの高速なドライブを採用しているためだろう。SSDを選択したり2台のドライブでストライピングすればさらに高い性能を期待できる。3DMark06のスコアも1万3000を軽く超えており、高い3D描画性能を要求するゲームタイトルでも快適にプレイできるはずだ。
宇宙最強を名乗るだけあって、Alienware M17xは外観も中身も非常にアグレッシブな1台に仕上がっている。ただし、最小構成なら24万7240円からのスタートだが、評価機の構成でも40万円を超えており、上を求めていけば軽自動車が買える値段を軽く突破してしまう。性能面でも過度の期待は禁物で、ゲームタイトルによってはデスクトップPCでハイエンドのグラフィックスカードを1枚挿しで使ったほうがいいかもしれない。コストパフォーマンスを考えると、純粋にゲームを楽しみたいユーザーにはおすすめしにくいモデルだ。
もっとも、ゲーム用にチューンされたデスクトップPCはすでに持っており、「LANパーティ用に持ち運べるマシンがほしい」という人や、何よりその外観に引かれるという人、「ただのPCには興味ありません、この中に宇宙人のPCがあったらわたしのところに来なさい。以上」という人にとっては唯一無二のモデルであることは間違いない。
関連キーワード
Alienware | 金属ボディ | ノートPC | GeForce | GPU | Dell | デザイン | ハイエンド | キーボード | タッチパッド | Blu-ray | Core 2 Extreme | DisplayPort | ExpressCard | ゲーミングPC | HDMI | RAID | SLI | 64ビット | Bluetooth | Core 2 Duo | Core 2 Quad | DDR3 | イルミネーション | NVIDIA | SF | サラウンド | WUXGAディスプレイ
関連記事
- ファーストコンタクト:宇宙最強!?――異形ノートPC「Alienware M17x」との遭遇
謎のエイリアンが日本のPC市場を狙っている、との情報を入手したPC USER特派員。早速、東京に飛来したエイリアンの先兵「Alienware M17x」との接触を図ったが……。 - エイリアン、日本襲来:最高構成で約87万円!? デルが超高性能ゲーミングノートPC「Alienware M17x」を投入
デルは6月3日、ゲーミングPCを手がける「Alienware」ブランドから17型ワイド液晶を搭載する高性能ノートPCを投入した。Core 2 ExtremeやGeForce GTX 280MのSLIも選択可能。 - Dell生誕の地から:ついにAlienwareが日本上陸!?――Dellが考えるコンシューマーPCとノートPC
米国と欧州の一部でのみ販売されていたゲーミングPC「Alienware」が、日本でも発売されるかもしれない。 - Alienwareに負けられない:過激なXPS 730の過激なオーバークロック性能を試してみた(条件付)
大手ベンダーではほぼ絶滅したフルタワーPCのXPS 730。デル公認の過激なセッティングを「現状のラインアップ」で無理やりぶん回す。 - XPSノートのSLIパワーに驚く!──デル「XPS M1730」
前にもまして「ド派手」になったXPSのゲームノートPC。変わったのは見ためだけじゃない。グラフィックス性能もずいぶんとすごいことになっているのだ。 - これはデコトラPCか!?:“見ため”も“実力”も最強のモンスターな「XPS M1730」に迫る
デルが鳴り物入りで投入した“最強”ゲーミングノートPC「XPS M1730」。まずは奇抜なデザインをネットリ眺めてみた。 - あの“モンスター”が上陸:最強のSLI対応ゲーミングノートPCで3GHzを突破――デル「XPS M1730」
Core 2 Extremeのオーバークロックが可能で、GeForce 8700M GTのSLIに対応、そしてBTOにはPhsyX物理演算カードやRAID構成が可能なSSDを用意する。価格も超弩級です。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
「思わず笑った」 ハードオフに4万4000円で売られていた“まさかのフィギュア”に仰天 「玄関に置いときたい」
-
「ウンコ食い」という毒魚に刺され“骨に激痛”→その40時間後…… ゾッとする経過報告に「えげつない」「何かの病気になりそう」
-
ドクダミを除草剤を使わず防ぐ方法3選 生態と対策がよく分かる解説に「待ってましたよ!」 「これは嬉しい!」と大反響
-
夫が男子トイレで発見した“幸運の虫”を妻に見せると…… 感動を呼ぶその正体に「蝶より綺麗」「素敵な旦那さんだ」
-
丸刈り男性が“1年間”髪を伸ばし続けたら…… 55週間の“大変身”の記録に「これはすごい!」「クールだね」
-
巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに…… 衝撃の経過報告に「死なないで」
-
父が答えた「人生最後の日に食べたい物」に衝撃走る 思わず涙こぼれる回答に「泣かせないでください」「心に沁みた」
-
生後6カ月の赤ちゃん、ママと目が合ってニコッ!からの…… 無敵のかわいさに「撃ち抜かれた……」「癒しをありがとう」
-
カスハラなど客の迷惑行為で「もう限界」 老舗銭湯が閉店を決意した理由に「一番心折れるパターン」「見ていてつらい」
-
食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」
- JR東のネット銀行「JRE BANK」、申し込み殺到でメール遅延、初日分の申込受付を終了
- 幼稚園の「名札」を社会人が大量購入→その理由は…… 斜め上のキュートな活用術に「超ナイスアイデア」「こういうの大好きだ!」
- 「ずっと小児」 グランスタ東京の“母の日広告”に賛否…… 運営会社が撤去「違和感覚える方もいた」
- 「今までなんで使わなかったのか」 ワークマンの「アルミ帽子」が暑さ対策に最強だった 「めっちゃ涼しー」
- 渋谷駅「どん兵衛」専門店が閉店 店内で見つかった書き置きに「店側の本音が漏れている」とTwitter民なごむ
- 「車庫にランボルギーニがいて駐車できない」→見に行くと…… 「電車の中で絶対見ないほうがいい」衝撃の光景が195万表示!
- JR東日本、ネットバンクサービス「JRE BANK」を発表 JREポイントがたまるなどの特典も
- 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
- 「900円は安過ぎる」 喫茶店でプリンアラモード購入→見本と違いすぎる“激盛り”に仰天 「逆写真詐欺」
- 森の中で発見された“謎の物体”が618万件表示 「何これ!」「暗号?呪物?」集まる推測や知見と“驚きの事実”
- 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
- 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
- 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
- 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
- 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
- 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
- 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
- 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
- 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
- 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評