独断と偏見で選ぶ! 2012年、ゲーム業界今年の10大ニュース年末特別コラム(4/5 ページ)

» 2012年12月28日 09時44分 公開
[鴫原盛之,ITmedia]

7:他社同士でのコラボタイトルが増加

 時は2003年。異なるメーカー間のキャラクター同士が登場する対戦格闘ゲームの「SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS」が発売されました。1990年代の対戦格闘ブームを知るユーザーにとっては、かつてしのぎを削ったライバルメーカー同士が手を組むとは時代も変わったものだと少なからず衝撃を受けたことでしょう。

 その2年後には、同じく対戦格闘ゲームとして「ナムコ クロス カプコン」が登場。同じく2005年には、チュンソフトの定番シリーズとポケモンのキャラクターとがコラボした「ポケモン不思議のダンジョン」シリーズの第1弾「ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊・赤の救助隊」が発売されて大人気を博しました。

 このようなコラボ作品が出る自体、本来は極めて異例あるいはまれなことです。ところが2012年の今年は、どういうわけか実に多くのコラボタイトルが発売されていることが分かります。主なものをざっと挙げてみますと……、

  • 「マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピック[TM]」(ニンテンドー3DS)
  • 「レイトン教授VS逆転裁判」(ニンテンドー3DS)
  • 「ストリートファイター X 鉄拳」(PS3,Xbox 360,PS Vita)
  • 「ポケモン+ノブナガ」(ニンテンドーDS)
  • 「PROJECT X ZONE」(ニンテンドー3DS)

と、いった具合です。

 上記の中でも極めつけは、バンダイナムコゲームスの発売による任天堂3DS用シミュレーションRPG「PROJECT X ZONE」でしょう。その理由は、同社とカプコン、セガの3社のキャラクターが一堂に会するゲームだからです。以前にも、「大乱闘スマッシュブラザーズX」にソリッド・スネーク(KONAMIの「メタルギア」シリーズから)とソニック(セガの「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」シリーズから)が登場する例はありましたが、これらはあくまでゲスト出演。ですから、本作のように3社の有名キャラクターが多数登場するという世界を作り上げたのは前代未聞のことです。

 しかし、上記のソフトの販売本数を見ると、現時点で100万本を超えるようなヒットを飛ばしたソフトはゼロ。3社連合の「PROJECT X ZONE」も、初週は8万6千本(※メディアクリエイト調べ)と販売本数が3位になりましたが、2週目の集計では早くも販売本数トップ10から姿を消しています。

 もちろん、これらの作品すべてが目標販売本数を100万本以上に設定しているわけではないと思いますが、せっかく大掛かりなプロジェクトを進めてきたにもかかわらず、結果的にはニッチ商売の領域を出ていないようでは個人的には寂しい限り。どうせコラボするなら、「俺たちが冷え切ったゲーム市場に爆発的なブームを巻き起こすゼ!」などというぐらい、開発プロデューサーが堂々と宣言するような気概を見せてほしかったところですね。

 さらに、6月22日に公開されたニンテンドーダイレクトの発表により、任天堂の「スマブラ」こと「大乱闘スマッシュブラザーズ」シリーズの最新作が、3DSおよびWii U用ソフトとしてソラとバンダイナムコゲームス/バンダイナムコスタジオとで共同開発されていることが明らかになっています。今後も各メーカーがコラボタイトルに注力するのであれば、ユーザーにとって「あれとこれのキャラクターが同時に遊べるだなんてスゴイ!」と心の底から感動し、なおかつ「発売日に早速勝って遊びたい!」と思わせるような、本当に夢のある企画及び作品が出来上がることを望みたいものです。

8:ハドソン、3月1日に消滅

 昨年は「桃鉄」こと「桃太郎電鉄」シリーズの開発が終了という衝撃的な発表があったハドソン。3月1日をもって、今度はハドソンという企業そのものがKONAMI(コナミデジタルエンタテインメント)に正式に吸収される形で、企業としての歴史にも終着駅に着くことになりました。

 もっとも、ハドソンは2005年からコナミの第三者割当増資を受けて連結子会社化されていたので、今さら取り立てて驚くような話ではありません。とはいえ、子どもの頃にファミリーコンピュータ、あるいは8ビットPCの時代からゲームに親しんできた30代以上の方であれば、ひとつの歴史が終わったのかと思わされる出来事だったことでしょう。

 そこで、今後気になるのはKONAMIのハドソンブランドの活用法。現時点では、元々ファミコン用ソフト「スターソルジャー」「迷宮組曲」「サラダの国のトマト姫」のニンテンドー3DS用バーチャルコンソールでの配信や、DS用ソフト「桃太郎電鉄WORLDベストセレクション」のベスト版を発売したのが目に付く程度で、先の「東京ゲームショウ」でも旧ハドソンブランドによる新作の出展は特にありませんでした。

 「桃鉄」以外にも「ボンバーマン」や「高橋名人」など、枚挙にいとまがないほどのキャラクターおよびコンテンツ資産を持っていたハドソンブランドを、このまま眠らせてしまうのはあまりにももったいないお話です。携帯やスマホで遊べるアプリやソーシャルゲーム、あるいは危機的状況の続くアーケードゲーム市場の活性化につながるような、懐かしくも新しさのあるタイトルの開発に期待したいですね。

 来年2月15日〜16日には、新作アーケードゲームの展示イベント「ジャパン アミューズメント エキスポ2013」(※旧AOUショー)の開催が予定され、もちろんKONAMIも出展に参加します。はたして、イベント当日はハドソンブランドを有効活用した新作タイトルが出展され、我々を驚かせてくれるのかどうかにも注目しておきたいところですね。

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