ソニーのイヤフォン型ウェアラブルデバイス「Smart B-Trainer」は買い? ランナーの評価は

ランナー向けのイヤフォン一体型ウェアラブルデバイス「Smart B-Trainer」。実際の使い勝手や良い点・気になる点について、普段からランニングを趣味としているユーザーに語ってもらった。

» 2015年04月08日 06時00分 公開
[ITmedia]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 ソニーのイヤフォン一体型ウェアラブルデバイス「Smart B-Trainer」。ランナー向けの製品で、心拍数の測定や音楽の再生、ランニングデータの記録などができる。前回の記事では、基本的な機能や利用シーンについて簡単に解説した。

ソニー「Smart B-Trainer」 ソニー「Smart B-Trainer」

 続いて今回は、実際に普段からランニングを習慣としているユーザーにSmart B-Trainerを数日間使用してもらい、気付いた点などについて感想を伺った。話を聞かせてくれたのは、これまでにフルマラソンを5回完走し「ベストレコードは3時間24分」というKさん(男性、39歳)だ。

フィット感は良好 装着には少しコツがいる 

 ――普段はどれくらいのペースでランニングしていますか。

 週に3〜4回、1回につき10〜15キロほど走っています。先月はのべ200キロほど走りました。

 ――今回、Smart B-Trainerを試してもらったわけですが、それ以前には何かこういった計測用デバイスは使っていましたか。

 ナイキのGPSウォッチ(Nike+ SportWatch GPS)を2年ほど前に購入し、今も使っています。ランニングを始めた当初はiPhoneを腕にバンドでくくりつけて、アプリの「Nike+ Running」を使って記録を取っていたのですが、初めてのフルマラソンを前にしてウォッチでの計測に切り替えました。

Nike+ SportWatch GPS Nike+ SportWatch GPS

 ――なるほど。ではあらためて、ここ数日間Smart B-Trainerを使ってみていかがでした?

 まず、若干ですが最初は使い方の部分で手こずった面がありましたね。本体には小さいマニュアルが同梱されているのですが、それを見ながらiPhoneにアプリをインストールして、正しく心拍数が取れているかを確認しました。でも、耳の部分で心拍(脈拍)を計るので、イヤーパッドがちゃんと装着できていないとうまく数字が取れないんです。何度か耳に入れる角度などを調節したらうまく装着できました。

 ――装着に少しコツがいる、と。走っているうちにずれてくるようなことはありませんでしたか?

 それはほとんどありませんでした。一度コツをつかんでしまえば、あとはしっかり固定されて、フィット感は悪くありませんでしたね。以前、胸に巻くバンドタイプのハートレートモニターなども試してみたことがあるのですが、あれは走ったり自転車に乗っていたりするとだんだんずれてくるんですよ。Smart B-Trainerはその点の心配はありませんでした。

テンポに合わせた自動選曲は○ 本体には「ボタンが多い」

 ――初めて屋外で使ってみた印象はどうでしたか。

 普段、音楽を聴きながら走る習慣があまりないので新鮮でしたね。自分で曲を転送することもできるのですが、もともとテンポの異なる曲がデフォルトで30曲ほど入っているので、まずはそれを聴いてみました。自分がランニングのペースを上げると、自動で曲(テンポ)も切り替わったので、心拍数に連動していることに気付きました。

 ランニングはいつも仕事から帰った夜中にしているのですが、気持ちが乗ってくるまでに時間が掛かるんですね。しばらく走っていると気持ちよくなってくるんですけど。今回、音楽を聴きながら走っていたら、その「気持ちが乗るまでに掛かる時間」が短くなったような気がしました。

Smart B-Trainer 製品公式サイトより。運動強度やランニングのペースにあわせた楽曲を自動選曲・再生するモードと、通常再生モードを選択できる

 ――走っている最中や、走り終えてからのデータ管理などはどうですか。

 今使っているNike+ SportWatch GPSだと、データをスマホアプリで見たい場合、一度PCに取り込んでクラウドにアップロードする必要があります。Smart B-TrainerはBluetooth経由で直接スマホに転送できるので、その点はだいぶ楽でした。

 でも、走りながら細かく数値を確認したい人にとっては、ちょっと好みが分かれるかもしれません。Smart B-Trainerは、1キロごとにペースや心拍数や距離情報を音声で教えてくれるんですけど、Nike+ SportWatch GPSだともうちょっと情報量が多いんです。例えばその日走り始めてからの平均ペースなんかは、走っている最中には教えてくれない。走り終えた後にアプリで確認すれば分かるんですけど。フルマラソンを走るような場合などは、そういったデータをやはりレース中に確認したいんですよね。

Smart B-Trainerのスマホアプリで確認できるデータ
走行距離や走行時間はもちろん、心拍数の推移や1キロごとのラップタイムも記録される

 ――他に気になった点などはありますか?

 左右のイヤーユニットにボタンがけっこう多く付いているので、走りながらだと操作が分からなくなってしまうことはありました。曲を飛ばしたいときなどに、間違えて止めてしまったり。慣れないとちょっと操作は難しいと思います。

左右のユニットに複数のボタンが付いている

レースではなくトレーニング向け 価格をどう評価するか?

 ――現在は2万7000円前後で市販されていますが、価格についてはどう見ますか。

 そうですね……もちろんそれなりの値段ですけど、単なるイヤフォンではなくランニングログの記録/計測デバイスとして見れば、こういった製品はけっこう高価なものが多いので、特別に値段がどう、という風には感じません。同じような価格帯だと、エプソンのWristableGPSとか、アディダスのmicoach、PolarのM400あたりがその他の選択肢ですか。

 それこそ、GARMINのすごく高性能なものなどもありますが、それはやっぱりレース向けという側面が強いとも思います。先ほどお話しした「走っている最中に確認できるデータの種類」の話とも関係してきますが、Smart B-Trainerはどちらかと言えばトレーニング向け。心拍トレーニングをしっかりやってみたいという人にはいいんじゃないでしょうか。後は、走るときには音楽が必須! という人にも。

Smart B-Trainer 製品公式サイトより。トレーニングの目的にあわせて心拍数をコントロールする

 以上、Smart B-Trainerの実際の使用感や良い点、気になる点についてまとめてみた。Kさんのコメントの中にも出てきたが、心拍(脈拍)を計れるランナー向けデバイスとしては現時点でウォッチタイプやバンドタイプがほとんどで、耳で計測する本製品のようなデバイスはまだまだ多くない。

 今後同様の製品が登場してくる可能性もあるが、「音楽と心拍」をキーにしているという意味で、画期的な新製品であることは間違いない。購入を検討している人は参考にしていただければ幸いだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/27/news008.jpg 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  2. /nl/articles/2404/29/news009.jpg 天井裏から変な音がする→スマホを突っ込んで撮影したら…… 映った“とんでもねぇ”モノに「恐ろしい」「何これ」と騒然の196万表示!
  3. /nl/articles/2404/27/news009.jpg しぶとい雑草“ドクダミ”を生やさない超簡単な方法が115万再生! 除草剤を使わない画期的な対策に「スゴイ発見」
  4. /nl/articles/2404/29/news012.jpg 0歳赤ちゃんの手をママがにぎった瞬間、いとおしすぎるリアクションが! 「かわいいな〜〜!」ともん絶する人続出
  5. /nl/articles/2404/29/news022.jpg 1歳娘とママの前に虫出現!→叫びながら必死で退治していると…… まさかの結末に「爆笑」「2人ともよく頑張った」
  6. /nl/articles/2404/28/news005.jpg 「とんでもないものが売ってた」 ハードオフに“33万円”で売られていた「まさかの商品」に思わず仰天
  7. /nl/articles/2404/29/news004.jpg アルミ板に水銀を垂らしたら……? 5000万再生の“衝撃的な実験結果”に「不気味」「一生忘れられない」
  8. /nl/articles/2404/27/news066.jpg 東京駅の中身ってこうなってたんだ! 豆知識が詰まった手描きの断片図に「これ凄い!」「見ながら散策したい」の声
  9. /nl/articles/2401/18/news035.jpg 「起動しません」 ハードオフで4000円のジャンクPS4購入→電源入れると“驚きの結果”に「そんなことあるんだ」
  10. /nl/articles/1901/08/news126.jpg 正体不明の「なにかふしぎなもの」がハードオフで販売→Twitterで情報集まり正体が判明
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」