郵便ポストはなぜ赤いのか?(1/2 ページ)

赤じゃなくても良くない?

» 2018年11月10日 11時30分 公開
[QuizKnockねとらぼ]

 街中でよく郵便ポストを見かけますね。最近ではメールやSNSの発達により手紙を送る機会が失われつつあるものの、ポストはまだまだ身近なものでしょう。

 そんな身近なポスト、当たり前のように赤いですが「ポストはなぜ赤いのか」ということを意識したことはあるでしょうか。



さくっと結論

 ポストが赤色になったのは、逓信省(ていしんしょう:かつて郵便を管轄していた省)が「人々がポストと分かりやすいように赤色」にすることを定めたという、とてもシンプルなものです。

 しかし、「分かりやすいように」する必要が生じたのにも理由がありました。そもそも、<誕生したばかりのポストは赤色ではなかった>のです。

 ポストの変化とともに、歴史をたどっていきましょう。


初期のポストとトンデモ事件

 日本で郵便制度が始まったのは明治時代。1871年、最初に設置されたものは木がむき出しの簡素なのもので「書状集箱」などと呼ばれていました。



 翌年以降、郵便制度が全国に広まるにあたり、黒のペンキで塗ったものに切り替わっていきました。



 しかしこの黒塗りのポストは、夜や雨の日などには目立たず分かりにくいものでした。また、「『郵便』を『垂便』と読み違えて中に排せつしていった人がいた」「爆竹が突っ込まれる放火事件が起こった」など、当時の治安を疑ってしまうようなトンデモ事件も発生していました。


新しいデザインを募集しよう

 そこで逓信省は、ポストの新デザイン案を募ります。1901年には、有力なデザイン案のものを大都市に試験設置しました。東京では、日本橋に2種類のデザインのポストが設置され、これらが「日本初の赤いポスト」とされています。


そのうちの1つ、回すと入れ口が現れて投函できる仕様の「回転式ポスト」

 試験設置などによる調査を経て、1908年に「赤色・円柱型・回転式差出口」のポストが正式に定められました。


なぜ赤と定めたのか

 上に述べた1908年の通達では、「朱色ペイント」と定められたのみで、その理由については分かりません。

 後の1910年に出される「逓信省年報」に、以下のような記述がみられます。


従来ノ郵便函ハ構造不完全ニシテ盗難予防、郵便物収容、使用耐久、道路障害等ノ関係上幾多ノ不便アリ
多年研究ノ結果内外ノ構造ヲ改メ円形柱函ト掛函ノ二種ト為シ孰モ鉄製トシ且公衆ヲシテ認識シ易カラシムルタメ特ニ朱塗トセリ
而シテ円形柱函ハ枢要ナル都市ニ設置シ他ハ掛函ニ改ムルコトトシ四十一年十一月七日ヨリ施行セリ
出典:『逓信省第廿三年報』(1910)


 つまり、「人々がポストと分かりやすいように赤色にした」とのことです。このポストにはほかにも、「通行の邪魔にならないように角をなくし丸型にした」「火事の心配がないように鋳鉄製にした」といった工夫が施されました。

 ところで、この「逓信省年報」が出たのは1910年。赤色ポストが試験的に設置された数年後のことです。1901年より前に、デザインを依頼する段階で既に「赤色」という指定があったとする説もあります。

 このため、「目立って分かりやすいから」というのはひょっとすると後付けなのかもしれません。


赤と定めた理由を考える

 では、逓信省の人々がポストの色に赤色を選んだ真の理由は何でしょうか。郵便の歴史から推測した結果として、次の2説を提唱します。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news174.jpg 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  2. /nl/articles/2404/26/news154.jpg 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  3. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  4. /nl/articles/2404/12/news174.jpg 築年数不明の平屋にある、ボロボロ床板をはがしてみたら…… 発覚したヤバい事実に「ビックリ!」「大丈夫でしたか?」心配と驚きの声
  5. /nl/articles/2404/26/news022.jpg ママの足にくっつく生後7カ月の赤ちゃん、甘えてるのかと思いきや…… 計算された行動と「ちいこい後ろ姿がかわいすぎ」て目が離せない
  6. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  7. /nl/articles/2404/25/news069.jpg “作画軽減ガンダム”をガンプラで作成 → 使用パーツも最小限の再現ぶりに「完全に一致」「部品軽減ガンダム」
  8. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  9. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  10. /nl/articles/2404/26/news024.jpg 0歳赤ちゃん「(ママ来たっ!)」→喜びが抑えきれなくて…… 尊すぎるダンスが300万再生「心が浄化されていく」「朝から癒やされました」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」