ねとらぼ

共感で相談者を癒やす柴田理恵の人間力。

残念ながら、夫婦って他人

 この日のアドバイザーは弁護士の中川潤。離婚という選択肢を考えているとはいえ、法律論で語るような相談ではないのでは……と思っていたら、ガッツリ感情論で語ってくれた。

 「あきらめよう」と言った相談者に対し、夫が「それはそれで授かりものじゃないか」という風に言ってくれれば心穏やかになれたものを、「軽々しくそういうことは言わないで欲しい」と返してしまったことについては、言葉選びに配慮がなかったとはしつつも、決して悪意で言ったわけではないとフォローする。

 この発言に関しては、相談者が「冗談めかして言った」こともよくなかったのではないだろうか。もっと深刻な感じで「あきらめよう」と言っていたとしたら、夫の返答も違っていたかもしれない。

 「残念ながら、夫婦って他人なのよね。しょせん」「仮に別れちゃうとしましょうか。で、別のパートナーが見つかったとしましょうか。また同じことが起きると思う

 「ああ、そういうことか。うん」

 「やっぱりね、一度ぶつからないとダメだと思う。まだぶつかってないんですよ、あなたのご夫婦。そっからですよ」

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共感だけで相談者を癒す柴田理恵の人間力

 この日の相談、解決に向けての具体的なアドバイスはほとんど出てこなかったのだが、それでも電話を切る頃には、相談者の声は随分とスッキリしていたように思えた。

 それは「親兄弟にも友達にも相談できなかった」悩みを吐き出せたこともあるだろうし、自分自身も子どもがいない柴田理恵の「分かりますよ」という包み込むような相づちも大きかったのではないだろうか。


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自分自身も子どもがいない柴田理恵の包み込むような相づちの力 イラスト/北村ヂン


 「全然、離婚とかそういう段階ではないような気がするんです。お互いにお互いを思いやってるから。それがちょっとボタンを掛け違えているだけだと思います」

 ズバズバと正論のアドバイスを繰り出すよりも、寄り添って共感してあげることが助けになることもあるのだ。この辺は柴田理恵の人間力という感じがする。

 ただ、相談者は不妊治療に対する不安や偏見を過剰に持っているようにも感じた。女性の身体に負担がかかるケースも多いだけに不安になるのも当然だが、ひとまず病院に行くこと自体を拒否せず、不妊の原因だけでも調べてみたらいいと思うのだが。

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北村ヂン

文章からイラスト、漫画、映像まで、あの手この手でインターネットのみなさんのご機嫌をうかがうハイパーメディアライターTwitter

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