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ある日、2軒の家の間にある幅10センチほどの狭い隙間に、大きな毛玉のようなものが挟まっているのを街の人が見つけました。ところがよく見てみると、それは毛玉ではなく、なんと……。
イングランドで起こった驚きと感動の出来事に、注目が集まっています。
10センチの壁の隙間に挟まった謎の“毛玉”、その正体は……
2026年3月15日の朝、イングランド南部の海辺の町ポーツマスで、住民が不思議なものを見つけました。2軒の家の間にある幅10センチほどの隙間に、なにやら黒いものが挟まっていたのです。
ぱっと見ると“毛玉”のようにも見えますが、よく観察してみると……。
なんとそれは1匹の猫でした。体を動かすこともできず、完全に閉じ込められていたのです。
現場の近くに住むキャサリン・エドワーズさんは、庭の外が騒がしいことに気づき、外へ出ました。すると、隣人たちが猫を助けようと集まっていました。
エドワーズさんは、その姿に見覚えがありました。黒と茶の毛並みに白い足……。この猫は近所をよく歩き回っていて、住民たちが“地域の野良猫”として餌をあげていたのです。
猫が挟まっていた場所は、人の手が届かないほど狭く、無理に引き抜くと怪我をさせてしまう恐れがありました。エドワーズさんはすぐにRSPCA(英国王立動物虐待防止協会)へ連絡。動物救助官サラ・ワットンさんが現場へ向かいました。
最初は簡単に救出できると思っていた救助官だったが……
ワットンさんは最初、比較的簡単に救出できると考えていました。伸縮式の救助棒に捕獲用具を取りつけ、猫の体をつかむことには成功したからです。
ところが、猫は全く動こうとしません。そのまま無理に引き上げれば危険な姿勢になりかねず、救助作業は困難に直面します。
住民の話では、この猫は午前3時ごろに近所を歩いているのが最後に目撃されていました。屋根の上から誤って隙間へ落ちた可能性が高く、すでに数時間も閉じ込められているとみられます。そのため、猫の体力面や体調面も心配されました。
試行錯誤すること5時間、下した決断は……
ワットンさんは、同僚や地元消防署に応援を要請。現場には複数の救助隊員が集まり、救出作業が再開されました。
滑車を使って持ち上げる方法、てこを利用する方法、ロープで支える方法など、あらゆる手段が試されます。しかし、どれも決定打にはなりません。壁を壊して取り出す案も出ましたが、猫が怖がったり、怪我をしたりしてしまう恐れがあり、慎重な判断が求められました。
試行錯誤すること5時間。日没も迫ってきた頃、チームは新たな選択を迫られました。
それは、遠隔鎮静で猫の動きを抑えて、一気に引き抜くという方法です。
ただし、この方法には厳しい条件がありました。地元の獣医師は鎮静には同意したものの、取り出しまでに与えられる時間はわずか60秒。時間を超えると呼吸に影響が出る恐れがあり、非常に危険とのことでした。
いざ本番。緊張感に包まれる中、慎重に鎮静を実施。その後、声をかけあって猫の位置を確認しながら、力を合わせて猫をゆっくりと引き上げます。そして……。
猫はついに、狭い隙間から出てくることができました。体に目立った怪我はなく、無事救出に成功した瞬間でした。周囲から安堵の声が上がり、張り詰めていた空気が一気に緩みました。
マイクロチップを確認してみると……
救出された猫はその後、マイクロチップの確認が行われました。すると、驚きの事実が判明しました。
猫はアルフィーという名前のオス猫で、4年前に行方不明になっていた飼い猫だったのです。さらに家族の住所は、発見場所からわずか数百メートル先でした。
飼い主のマンディ・デイヴィスさんは連絡を受けたときの心境を、こう語っています。
「RSPCAから『アルフィーが見つかった』と連絡をもらったとき、正直信じられませんでした。今でも夢のような気持ちです。もう二度と会えないと思っていました」
デイヴィスさんによると、アルフィーは2022年、引っ越してきた直後に逃げ出してしまったそうです。懸命に探したものの見つからず、年月だけが過ぎていきました。そして再会の日となったのは、偶然にもイギリスの母の日である2026年3月15日。家族にとって忘れられない日となりました。
現在アルフィーはすっかり家に慣れ、ふかふかのベッドで眠り、娘に寄り添って過ごしているといいます。デイヴィスさんはFacebookに次のように投稿しました。
「なんという奇跡でしょう。アルフィーの救助に尽力してくださった皆さんに心から感謝します。マイクロチップの重要性を改めて実感しました。ペットが行方不明になっている皆さん、どうか希望を捨てないでください」
わずか10センチほどの隙間から始まった救出劇は、4年という時間を越えた再会へとつながりました。偶然と人の優しさが重なって生まれたこの出来事に、「助けてくれてありがとう」「ハッピーエンドで良かった!」といった声が寄せられています。
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