スーパーで買った“イカの卵”を温めると……。卵をふ化させて飼育に挑戦する動画がYouTubeに投稿されました。悲しい結果とうれしい結果の両方を含む内容が反響を呼び、記事執筆時点で477万回以上再生され、2万8000件以上の高評価を集めています。

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アオリイカの卵をふ化させてみる

 YouTubeチャンネル「水ラーメン」(@waterramen)の水ラーメンさんは、全国のさまざまな生き物を食べたり飼育したりして、その様子を公開しています。以前には、スーパーで売れ残っていたケガニを飼育してみた様子が話題になりました。

 今回、水ラーメンさんがスーパーで発見したのはアオリイカの卵。さっそく購入して“家族”の一員として迎え入れます。半透明でエンドウマメのサヤのようなものは「卵のう」で、下から強い光を当ててみると、中には球体のようなものが透けて見えます。これが卵であり1匹1匹のイカになっていくそうです。

卵のうの中の球体が1つ1つの卵
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ふ化のための環境を整える

 アオリイカの卵は産卵からふ化まで約3週間。それまで卵のうの栄養で育っていきます。買ったものはふ化が近い可能性があるので、海水と同じ水質に整えてある水槽へ移動。水質が悪いと卵が死んだり溶けてしまったりするので、この点はとても重要です。

 水槽にはアオリイカを安全に保護する隔離ケースを設置して、そこへ卵を移動。ここで気になったのが、はっきりと白くなっている卵です。これは卵がダメになっている可能性があるそうです。

水槽に設置した隔離ケースへ卵を移動

悲しい結果に……

 2日後、アオリイカの子どもが1匹だけ生まれますが、ほかは死んでしまいます。生まれる直前になると卵の中で動いているのが見えますが、生まれた1匹を除き、どれも生きている気配がなく卵のうも変色。卵の中で墨を吐いて死んでいる個体もあり、水槽の底には卵の残骸が落ちています。

 水ラーメンさんによると、ダメになった卵が一気に水質を悪くして、ほかもダメにしたのではないかとのこと。悲しい……。

 卵のうを取り出してみると、薄茶色を帯びて張りがない感じです。中の卵には死んでいるイカの赤ちゃんも確認できました。

腐ってしまった卵のう
死んで動かない赤ちゃんイカの姿も……
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死んでしまった原因は?

 アオリイカは波や潮の影響が比較的少ない沿岸で、海藻の茎や根元に卵を植え付けます。自然界では海流があって常に新鮮な海水と酸素が運ばれていますが、水槽では水流が強すぎると卵にとってストレスとなります。また、水流が弱すぎても酸素が不足してしまうため、そのちょうどいいバランスがふ化には必須です。

 水ラーメンさんは今回、卵のために水槽の水流を少し弱くしたそうですが、次にチャレンジする場合は少し強くするそうです。また、生き物が死んだ水槽の水を放置すると悪影響が考えられるので、8割ほどの量の水を入れ替えておきます。

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喜びも束の間、またしても悲劇が……

 1週間後、再びスーパーでアオリイカの卵を入手した水ラーメンさんは、またふ化にチャレンジします。水槽正面に設置したカメラで定点撮影すると、1日目の時点で卵の中でさかんに動いている個体を確認できました。

 しかし、3日目の朝に“大事件”が。朝起きて映像をチェックするとイカが生まれていましたが、水槽を探してもいません。もしやと思い、水槽の水をろ過するウールマットを見てみると、2匹の赤ちゃんイカがそこで死んでいました。どうやら隔離ケース下部の穴から落ちてしまい、吸水口に吸い込まれたようです。Oh……!

ろ過用のウールマットで死んでいた赤ちゃんイカ

ついに赤ちゃんイカが無事に誕生

 同じ事故を防ぐためプラスチック板で隔離ケース底部の穴をふさぎます。その後、定点撮影を続けていると、1匹、2匹とふ化が始まり、生まれた赤ちゃんイカが泳ぎ回ります。赤ちゃんイカを確認した水ラーメンさんは、「ちゃんと生まれてる! やったー!」と大喜びでした。

赤ちゃんイカが飛び出してきた!
小さいけれどちゃんとイカ!

 ふ化したイカは別の隔離容器へ移動。移動中によく観察してみると、イカがびっくりしたときの移動手段であるジェット噴射(水を勢いよく吐き出す)もちゃんと使えています。まさしくイカだ……!

飼育はふ化してからが難しい

 水ラーメンさんによると、アオリイカは常に生きエサを食べなければならず、食べない場合、赤ちゃんはすぐ餓死してしまうので、飼育はここからが難しいとのこと。水産試験場でも1000個近い卵をふ化させて、そこから1カ月後に生き残っている個体は1~2%だといいます。

赤ちゃんイカたちにエサを食べてもらう必要が

 アオリイカの赤ちゃんに用意したエサは生きているイサザアミ。エビに似た小型甲殻類です。ところが投入後、近づきはしてもなかなか食べてくれません。

エサに近づくもなかなか食べてくれない……

 しかし、購入から5日目に赤ちゃんイカが触腕でイサザアミを捕らえて食べていることを確認。水ラーメンさんは「うわー! やったー!」と大喜びです。体も最初と比較して1.5倍くらいに大きくなっています。

食べてる!

 実は、ほかにも生まれた赤ちゃんイカがいましたが、エサを食べてくれず死んでしまっていたので喜びもひとしお。ここから、この時点で残っている2匹を頑張って育てていきます。まだ残っている卵もあるので、新たにふ化したら続編として報告してくれるそうです。

「生命の神秘!!」「感動する」と反響

 難易度の高いアオリイカの卵のふ化と飼育の記録に、「イカのたまごなんて初めて見た」「生命の神秘!!」「イカの飼育成功させてるの凄いなマジで」「イカの赤ちゃん可愛すぎるだろ」「産まれたてのアオリイカめちゃめちゃ可愛いな」「イカって食べ物くらいの認識しかしてなかったけど産まれるまでの過程を見たら可愛い気がしてきた」「生まれてすぐ捕食できることに感動する」という反応が寄せられています。

 一方、生きているアオリイカの卵がスーパーで売っていたことについて、「水ラーメンさんに買わせるために売ってるとしか思えんww」「もういつもの客が買うから入れとこ! って認識されてるだろw」という声も上がりました。

 水ラーメンさんは「スーパーに売れ残った生き物を飼育する」シリーズの他、「絶海の無人島で100時間生き延びてみた」や、生き物を捕獲し食す動画をYouTubeやX(Twitter/@mizuramen0923)、Instagramアカウント(@mizuramen0923)で数多く公開しています。また、書籍『水辺の冒険日記 いきものはいつも隣にいる』(KADOKAWA)が販売中です。

「水ラーメン」さんの動画まとめ

動画提供:YouTubeチャンネル「水ラーメン」(@waterramen)

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