三国志演義のテーゼ「三國志II」ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/4 ページ)

“三国志演義のように諸葛亮臣下になーれー”……というわけで今週は「三國志II」(光栄:現・コーエー)。前作から強化された、外交戦略や計略などを取り上げます。このゲームをプレイすれば、現代社会を生きるためのテーゼが見えてくるかもしれません。

» 2005年12月14日 12時00分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]

関羽も引っかかった計略

 前回はちょっと奇をてらって、秩父長瀞の赤壁まで行ってきたが、まあ普通「三国志にまつわる場所」といったらここだろう。

画像 横浜中華街にある関帝廟。19世紀に建てられたが、関東大震災、空襲、火事で被災し、現在のものは1990年に造られた4代目

 関帝廟は、三国志に登場する武将・関羽をまつった廟だ。関羽像の両脇には、息子(歴史小説の「三国志演義」では養子)の関平と、配下の武将・周倉(正史には名前がない:関帝廟での表記は「周蒼」)が従っている。

 関羽は、劉備玄徳配下の武将だが、主従というより兄弟のような間柄だったようで、三国志演義では、劉備・関羽・張飛の3人が、桃園で義兄弟の契りを結ぶシーンが出てくる。

 関羽は終生劉備に仕えた。一度、曹操に捕まってその配下となったことがあるが、劉備の居所がわかると、曹操から贈られた高価な宝物をほとんど返して、劉備のもとに馳せ参じた。こういう義理堅い性格が、後世に商売の神様としてまつられる一因となっているようだ。

 関羽は、呂蒙の計略に引っかかって命を落としている。

 荊州に赴任していた当時、国境を接していた呉の大都督・呂蒙を警戒していた関羽だったが、呂蒙が病気で退官し、後任には当時まだ無名だった陸遜が就任した。陸遜は関羽にへりくだった態度をとったため、関羽はすっかり安心し、魏の樊城(はんじょう)の攻略に全力を注いだ。

 しかしその間に、呂蒙がひそかに軍を率いて関羽の本拠地を占拠。魏と呉の挟み撃ちに遭った関羽は、結局呉の軍勢に捕らえられて殺された。

 三国志には、このような計略・策略が、いたるところで出てくる。

 孫子の兵法にあるとおり、まさに「兵は詭道なり」(戦争はだまし合い)であり、三国志のみならず、中国の戦いは、さまざまな計略に満ちあふれている。

 三国志で有名な策略の中には、正史(歴史書)に記載がなく、演義(小説)にのみ見られるものも多い。だがそれらの策略が、物語をおもしろくしている。

 それだけでなく、実戦で役に立つこともある。

 例えば、諸葛亮(孔明)が司馬懿(仲達)に仕掛けた“空城の計”。大軍で攻め寄せた仲達に対し、小勢だった孔明は、武力では対抗できないと思い、城門を開け放ってその上で琴を弾きだした。これを見た仲達は、伏兵がいるのではないかと疑って引き上げた。

 この話が実際にあったことかどうかは不明だが、後の時代にこれが実戦で行なわれたケースも多い。徳川家康は武田信玄との戦いで、空城の計を使って信玄の部隊を撤退させている。

画像 画面写真は、私が持っているメガドライブ版。「三國志II」はこのほか、PC、ファミコン、スーパーファミコンでも発売されている
       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/08/news177.jpg イモト、突然「今日まさかの納車です」と“圧倒的人気車”を購入 こだわりのオプションも披露し光岡自動車からの乗り換えを明かす
  2. /nl/articles/2411/06/news180.jpg 「むりだろww」「笑いました」 ニトリでソファ購入 → 愛車の前でぼうぜん…… “まさかの悲劇”が1000万表示
  3. /nl/articles/2411/07/news182.jpg 「デコピンの写真ください」→ドジャースが無言の“神対応” 「真美子さんに抱っこされてる」「かわいすぎ」
  4. /nl/articles/2411/07/news163.jpg 「真美子さんさすが」 大谷翔平夫妻がバスケ挑戦→元選手妻の“華麗な腕前”が話題 「尊すぎて鼻血」
  5. /nl/articles/2411/05/news138.jpg 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  6. /nl/articles/2411/08/news132.jpg peco、息子の近影を公開「すごーくりゅうちぇるに見えます!」「パパに似てる〜」 息子のスクールランチも色とりどりでおいしそう
  7. /nl/articles/2411/08/news143.jpg 高嶋ちさ子、3000万円超の“超高級外車”ゲットにドヤ顔も! 笑い止まらずハンドル握り「Woohoo!!!」
  8. /nl/articles/2411/07/news029.jpg 50代主婦が5日間、ひたすら草抜き&庭木の剪定→たった一人でやり遂げたとは思えないビフォーアフターに称賛の嵐 「尊敬する」「本当に脱帽です」
  9. /nl/articles/2411/08/news025.jpg 「そうはならんやろ」クルマ修理会社の壁を見ると…… まさかの“シュールすぎるイラスト”に9万いいね 「よすぎる」「天才か」
  10. /nl/articles/2411/08/news111.jpg 2人組ガールズユニット、突然の脱退を発表 マネージャー「本人の意思ではない」 母親とする人物からの脱退理由と経緯説明が物議
先週の総合アクセスTOP10
  1. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  2. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  3. 結婚相手を連れてくる妹に「他の人に会わせられない」と言われた兄、プロがイメチェンしたら…… 「鈴木亮平さんに見えた」大変身に驚がく
  4. 「2007年に紅白出場」 38歳になった“グラビア界の黒船”が1年ぶりに近影公開→驚きの声続々
  5. 「クソビビったwww」 ハードオフに38万5000円で売っていた「衝撃的な商品」が90万表示 「売った人突き止めたい」
  6. 夫婦喧嘩した翌朝の弁当を夫が作ったら…… “森”すぎるビジュアルに「インパクトすごい」「最高に笑いました」の声
  7. 約9万円の「高級激レアガンプラ」を10時間かけて制作→完成品に「家宝だ」「めっちゃくちゃにかっこいい!!」
  8. 天皇皇后両陛下主催の園遊会、“お土産”に注目 ジョージア大使「大好物です」「娘たちからも大好評」
  9. 「庶民的すぎる」「明日買おう」 大谷翔平の妻・真美子さんが客席で食べていた? 「のど飴」が話題に
  10. 事故で重体の人気日本人TikToker、1カ月の意識不明と家族ケア経て逝去……“旅立ち直前に会った”親友は「励ましに来てくれてたのかな」
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた