マルチな展開ですが、せっかくなのでXbox 360版でプレイしてみた:「ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド」レビュー(2/3 ページ)
とはいえ、よほど下手な人ではない限り、コンピュータの操作するライバルカーに負け続けることはないので、意外にもレースゲーム初心者でも楽しく遊べるのでは? と感じた。実際、途中でかなりの回数クラッシュしても、諦めずに走れば1位をゲットできたので、「レースゲームはちょっと……」と思っていた人でも堪能できるだろう。ただし、どちらかといえば「リッジレーサー」のようなドリフトをガンガン使ってコースを走るというよりも、イメージ的には「セガラリー」に近いかもしれない。良い意味で大ざっぱな走りを期待している人には、ちょっと合わないかもしれない。
なお、自車は勝負に勝つと得られる賞金で、各種性能や見た目をパワーアップできる。新たに高性能な車を購入することもできるので、どのように性能をアップさせていくかがポイントになるだろう。ここでニトロという強化パーツを買えば、レース中にブーストをかけることができるようになり爆発的な加速度を得られるし、ボディを購入すれば外装を変更できるため、見栄えが格好良くなるのだ。性能が高い新車を買うか、今ある車をカスタマイズして使い続けるか、プレイヤーの趣味が出るところ。さらに、最重要指名手配者に勝てばボーナスマーカーと呼ばれるマーカーを選択できる。ここには敵車ゲットのチャンスやパワーアップパーツなどを得られるチャンスが眠っているのだ。この辺り、車を成長させていくといったRPG的な要素も含まれているので、やり込みプレーヤーにとって遊びがいがあるし、長い間プレイし続けられるのも嬉しい限りだ。
追われながら破壊することこそが美学?
市街地を走っている最中に警察車両に見つかるか、メニューからマイルストンまたはバウンティを選ぶと、マイルストンイベントが発生する。ここでは、“警察車両を2台クラッシュさせて逃げ切れ”などの指定された条件を満たすとマイルストンイベントクリアとなり、違反しまくりながら走ればバウンティイベントのポイントが稼げる。
最初は追ってくる台数も少ないが、警察車両を壊したり被害が拡大するとヒートレベルと呼ばれる敵の怒りゲージがアップし、出動してくる車が増加し大捕物となるのだ。しかも、あまりにも犯罪行為が酷くなると行く手の道路を警察車両が塞いでいたりするので、たちが悪い。
そのうえ、ヒートレベルが一定量を超えると、道路にスパイクベルトと呼ばれるタイヤをパンクさせるアイテムを敷き詰めてくる。警察無線で、スパイクベルトがどこに配置されるのかを話しているので、それを聞いて場所を覚えておこう。
さらに、こんな時に役立つのがスピードブレイカーと呼ばれる機能だ。これを発動させると時間の進み方がスローになるので、細かな運転調節が可能になる。その間にスパイクベルトの場所を避けつつ、車と車の隙間めがけて突っ込み、邪魔者を破壊しながら通り抜けるてしまうのがいい。うまくいくと、その模様をスローモーションでリプレイしてくれるので、爽快感も倍増。思わず「やった!」などのセリフが口をついて出てきてしまうほど、気持ちがいい。それ以外の場面でも、コーナーが多数ある場所で警察車両を振り切りたい、などというときに発動させれば、最適なコースを選ぶこともできるだろう。
また、画面左下には常に市街地マップが映し出されているのだが、追われているときには三角形のマークが数カ所に表示される。ここにはバーストブレイカーと呼ばれる設備が設置されており、突っ込めば巨大な障害物などが崩れ落ちてきて、追跡車両を破壊または足止めしてくれるのだ。
ここでも、障害物に破壊される警察車両がリプレイで映し出されるので、雰囲気を盛り上げるのに一役買っている。しかも、追っ手の車が潰されていく様を見るのは、まさに快感! このように、全体を通しての演出が非常に上手いので、ついついヤメ時を忘れてプレイしてしまった。しかも、特にレースゲームが好きだというわけではないにもかかわらず、だ。ある種、中毒性のあるゲームかもしれない。
バーストブレイカーなどを使い追撃を振り切り、警察車両がなくなればしめたもの。すると、画面下にクールダウンゲージと呼ばれるバーが表示される。これが一杯になるまで見つからずにいられればマイルストンクリアとなり、同時にバウンティイベントのポイントも追加されるのだ。この時、市街地マップ上に現れるセーフポイントに自車を移動させればクールダウンゲージの溜まり具合が早くなり、通常よりも迅速に追っ手から逃れることが可能になる。逆に、運転ミスなどで警察車両に行く手を遮られ動けなくなると、そのまま逮捕となってしまう。同じ車で検挙回数が一定以上になると愛車を没収されてしまうため、その屈辱感は相当なもの。自然と、絶対に捕まるものか! と思いながら走る気になるのだ。
この、追われながらも破壊活動を行う快感がたまらななく面白い。権力に逆らっているから、というわけではないだろうけれど、通常では絶対に出来ない破壊活動を遠慮無く行えるわけだから、もの凄くストレスの解消になる。しかも序盤では、よほど変な走り方をしない限り、捕まることもまずないという難易度にも好感が持てた。
ただし、ゲームが進むごとに徐々に難易度は上がっていくものの、それに連れてマイカーもパワーアップさせれば、それなりに戦える。それほどレースゲームが得意ではない人間がプレイしても楽しく遊べたのだから、カスタマイズさえ怠らなければ大丈夫といえるだろう。洋ゲーは序盤から難しいものが多いだけに、このような傾向は好感がもてる。日本市場で売ろうと思うならば、難易度設定はこうすべきだし、慣れないうちから難しいとストレスが溜まるばかりで面白くない。
映像は綺麗だが、ハイデフではなくハイビジョンと表記すべきでは?
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