マルチな展開ですが、せっかくなのでXbox 360版でプレイしてみた「ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド」レビュー(3/3 ページ)

» 2005年12月20日 17時35分 公開
[篠崎薫,ITmedia]
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映像は綺麗だが、ハイデフではなくハイビジョンと表記すべきでは?

 こうして3つの条件を満たすと、モスト・ウォンテッドとなっているランカーにチャレンジすることができる。メニュー画面でXボタンを押せば、ついに対戦開始だ。もちろん、ライバルを抜いて1位でゴールすれば、相手を蹴落としてプレーヤーがその位置へランクインとなる。これを繰り返し、最重要指名手配者の1位をゲットすることがストーリーモードの目的となるのだ。

 とはいえ、ライバルも強者揃いばかり。スンナリ勝たせてくれることはないので、何度もチャレンジして敵に屈辱を味合わせてやろう。ライバルに勝つと、次のランクの最重要指名手配者が登場するのだが、その紹介シーンの演出が秀逸。ノマねこのFlashで有名になった、O-Zoneの「Dragostea Din Tei」のPVをMTVなどで見ている人は分かると思うが、あれと似たような演出が使われているのだ。人によっては違った印象を受けるかもしれないが、個人的には近いものを感じ取っただけでなく、なかなか上手にまとまっているので、思わず見入ってしまったほど。洋ゲーの演出はバタ臭いと思っていたが、少なくともその考えは訂正すべきだと感じたぐらい、非常に好感が持てた。

最重要指名手配者は、どいつも腕の立つ連中ばかり。だが、こちらもチューンした車と極悪テクニックを駆使して、ライバルに挑める
ここの演出が秀逸と感じた。これだけ格好いい紹介シーンには、なかなかお目にかかれないのではないだろうか

 本作にはストーリーモード以外に、すぐにレースが楽しめる「アーケードモード」と、指定された車とドライビングテクニックで課題クリアに挑戦する「チャレンジシリーズ」も収録されている。シナリオモードでは簡単すぎると言う人にはチャレンジシリーズがピッタリだし、気軽に遊びたいときにはアーケードモードが最適。しかも、アーケードモードでクイックプレイを選べば、シナリオモードで登場していない車も使える。なかなかサービス精神旺盛といえるだろう。

シナリオモードに疲れたときは、アーケードやチャレンジシリーズで息を抜くのも良い

 数多くの最重要指名手配者を蹴散らして遊んでみたが、全体的にはかなりボリュームのある1本に仕上がっていると感じた。特に、シナリオモードを遊び始めるとキリがなく、中断すべき場所を見つけるのに苦労してしまうほど。3つのイベントはすべて、結果が出た後も引き続き市街地を自由に走り回れるため、連続してミッションにチャレンジすることができてしまうからだ。勝負が終わった後、シームレスに市街地を走れるというのは意外に新鮮で、これこそがハマってしまう原因だろう。

 とはいえ、手放しで褒められるかというと、そうではなかったりする。走れる市街地というのは1カ所なので、もっと数を増やして市街地を多数選べるようになっていれば、なお良かった。年明けにXbox360で発売される「プロジェクト ゴッサム レーシング 3」では新宿も走れるので、本作にも日本向けとして特別に都内の有名市街地などが入っていれば、思い入れも強くなる分さらに盛り上がるのではないだろうか?

 それにしても、ワイド画面でのプレイは迫力があっていいのだが、あちこちで登場する“ハイデフ”という名称は、もう少し考えてほしいところ。日本で宣伝するのであれば、せめて“ハイビジョン”と表現すべきだろう。今のままではテレビでCMを見ていても、何を意味しているのかさっぱり、といった感がある。ただいたずらに連呼したり広告をうっているだけでは、またXboxの二の舞になるのでは……と余計な心配をしてしまった。

 ちなみに、これも余計なお世話なのだが、かなりド派手なことをしている割にはCERO12才以上と制限が緩いのが、ちょっぴり気になるところ。人間を轢けるわけではないので、これでもいいのだろうが……。

 全体的には、同時に発売されているリッジレーサーとは方向性が異なるので、レースゲーム好きな人は両タイトルを購入しても、問題なく楽しむことができるだろう。難易度もそれほど高くないので、何やらニュースで騒がれているからXbox360を買ってしまった、という初心者ゲーマーでも、長期間堪能できるタイトルに仕上がっていると断言できる。最終的には、ライバルカーとの争いと言うよりも、自分との戦いだ。クラッシュをして、そこで心が折れてしまうと、勝てる勝負にも負けてしまう。特に、最重要指名手配者との戦いは勝利条件がどんどん厳しくなっていくが、絶対に勝つんだという気持ちと精神的な心強さがあれば、必ずライバルとの戦いに勝利を収められるはずだ。

 と、オチが付いたところでPS2版の本作が手元に届いたので、それと比較した感想なども述べておきたい。といっても、その違いは“画質の差”にあるとハッキリ言える。PS2版は、Xbox 360版をダウンコンバートしたような印象を受けてしまった。特に目立つのが、車のテクスチャだろう。PS2版は、周囲の景色が写り込んでいると言うよりは、ボディが単にぎらついている、というだけの感があった。しかしXbox 360では、そのあたりの処理も上手くできていて、違和感なく仕上がっている。

 ただし、PS2でも「GT4」のようなグラフィックの美しいゲームがあるわけなのだから、これはプログラマーの腕に寄るところが多いような気がするのだが……。また、画面もハイビジョンで精細な分、PS2版よりも明らかにキレイに見える。もっとも、ハイビジョンテレビに繋いでゲームをプレイしないのであれば、それほど大差は無いかもしれない。さらに、PS2版はXbox 360版よりも若干ながら、処理落ちが多いように感じられた。

 現時点でXbox 360もPS2も手元にある、というのであれば、当たり前ながら間違いなくXbox 360版を購入するのが正解。特に、一度でもハイビジョンの画像を見てしまうと、他機種のゲームがくすんで見えるほど、鮮明な映像を楽しめる。特に、自宅にハイビジョン対応テレビがあり、将来的にXbox 360用のソフトが大量に出そうだと思うなら、本作をきっかけにXbox 360を購入するのもありだ。だが、ゲーム内容や操作性など、画質以外の部分では、大きな差は存在しない。この辺りは、自分の懐と相談の上で決めるのがいいだろう。余裕があれば、PS2版とXbox 360版の両方を購入して、自分の目で見比べてみるのも楽しい、かもしれない。蛇足であるが、PC版のアーケードモードでは使用できるボーナスカーが数種類多いということも追記しておく。

ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド
対応機種Xbox 360/PS2/GC/PC
メーカーエレクトロニック・アーツ
ジャンルレース
発売日2005年12月10日(Xbox 360版)、2005年12月22日(PS2版/GC版/PC版)
価格7140円(Xbox 360版/GC版/PS2版)※PC版はオープン価格
追記XBOX 360版とPS2版には特典DVDが付属
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