「実はアクションRPG初めてなんです」――坂口博信氏の新作タイトルも登場したAQインタラクティブ発表会(1/5 ページ)

12月20日に行われたAQインタラクティブの発表会ではなんと、坂口博信氏のXbox 360向け新作タイトルも登場。そのほかにも次世代機ならではの表現を追求したビッグタイトルが発表された。また、イメージキャラクターの井上和香さんも登場した。

» 2005年12月20日 19時42分 公開
[今藤弘一,ITmedia]

 AQインタラクティブは、2005年10月に設立されたばかりのパブリッシャーだが、傘下に抱えるのはXbox 360「ブルードラゴン」を開発中のアートゥーン、PS2「ドラッグオンドラグーン2」などを開発したキャビア、そしてXbox 360「ロストオデッセイ」を開発中のフィールプラスといった、実力派の開発会社。12月20日に行われた発表会ではXbox 360向けのソフトを中心とした今後のラインアップが紹介された。

画像 AQインタラクティブと各開発会社との位置関係。「AQ」とは「Artistic Quality」と「永久」という言葉の意味を掛け合わせたとのこと

 まず登壇したのは、同社の取締役会長である中山隼雄氏。中山氏はご存じの通り、セガ・エンタープライゼス(現セガ)の副会長だった人。「5年ぶりに戻ってきた」(中山氏)そうだが、その話題は多岐にわたり、口調は相変わらず鋭かった。

画像 AQインタラクティブ 取締役会長 中山隼雄氏

 中山氏は「ゲーム業界を離れて5年間ブランクがあったわけだが、驚いたことに、その間に日本のゲーム業界が凋落してしまっており、Electornic Arts(EA)やTake 2 Interactive、Activisionなど、欧米のゲーム会社に抜かれている。EAに至っては、株式の時価総額が1兆8000億円。任天堂よりもちょっと大きい程度の規模まで成長している。EAのラリー・プロブスト氏と8年前に話をしたことがあるが、そのときには『セガさんを目標にして、追いつき、追い越せだ』と言われた。ソフト会社に抜かれることはないと思っていたけど、見事にそれを彼は成し遂げた」と、現在の状況を説き起こす。

 「ゲーム業界的なシェアとして(全世界で)50%を占めていた日本のメーカーが、現在は20%程度とも言われている。なんでここまで凋落してしまったのか。」(中山氏)

 中山氏は、このような状況を招いてしまったのは、業界に対応能力が不足していたからだという。「日本はゲーム先進国だったので、携帯電話のゲームやオンラインゲームなどがどんどん出てきた。しかし遊びが多様化する中で対応できなかったのではないか。欧米で売れるゲームを日本人は作れないと言うが、そのようなことは絶対ない。おもしろいものは世界共通。欧米のおもしろいゲームを勉強して、作っていく必要がある。隣の韓国ではオンラインゲームが盛んで成長している。この分野では韓国からも学ばなければいけない状況だ。」(中山氏)

 AQインタラクティブでは、ステレオタイプな作品ばかりを作るのではなく、チャレンジした作品を世に送り出していくとのこと。「実録鬼嫁日記が企画会議に上がったときにはどうしようかと思ったが、やってみなければ始まらない。やる、ということが大事」(中山氏)

画像

 制作体制としても、抜本的な改革が必要だ、と中山氏。ともすると採算が取れないからと言って小規模な予算を組みがちだが、用意している新作タイトルには10億〜20億の予算をつぎ込んでいる、とのこと。「映画のファンドはあるが、ゲームのファンドはなかなか成立しない。それは信用されていないから。AQインタラクティブとしては、信用されるためにも生産の合理化を考えている。小さな会社がただ集まって、お互いが自分の枠の中で仕事をしているのではなく、共通化できる部分は共通化して、お互いが協業していく中で会社を伸ばしていこうと考えている。業務提携ですべてのノウハウを共有する。協調と競争。協調ができない業界は伸びていかない」(中山氏)

 「Xbox 360の発売に続いて、2006年には次世代機が続々と登場する。これはチャンスだ。しかし従来と同じようなゲームを作っていては展望が開けない。このチャンスを上手に利用して、業界におもしろいゲームを提供していきたい」と語る中山氏。「個人的には2、3年後にはオンラインゲームが普及していくと考えている。オンラインゲームではMMORPGが主流だが、RPGは日本のお家芸でトップに立てるはず。これを活用して、オンラインでは世界に先駆けたゲームを発表していきたい。もっといろいろ話したいが、そろそろやめろと言われたので終わります(笑)」と場内の笑いを誘いつつ、話を終わった。

気になるタイトルは次ページから
       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2411/21/news189.jpg 「大物すぎ」「うそだろ」 活動中だった“美少女新人VTuber”の「衝撃的な正体」が判明 「想像の斜め上を行く正体」
  2. /nl/articles/2411/22/news014.jpg 川で拾った普通の石ころ→磨いたら……? まさかの“正体”にびっくり「間違いなく価値がある」「別の惑星を見ているよう」【米】
  3. /nl/articles/2411/22/news114.jpg 中村雅俊と五十嵐淳子の三女・里砂、2年間乗る“ピッカピカな愛車”との2ショを初公開 2023年には小型船舶免許1級を取得
  4. /nl/articles/2411/21/news027.jpg 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  5. /nl/articles/2411/22/news032.jpg 「壊れてんじゃね?」 ハードオフで買った110円のジャンク品→家で試したら…… “まさかの結果”に思わず仰天
  6. /nl/articles/2411/22/news018.jpg 猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
  7. /nl/articles/2411/22/news171.jpg なんと「身長差152センチ」 “世界一背が低い”30歳俳優&“世界一背が高い”27歳女性が奇跡の初対面<海外>
  8. /nl/articles/2411/22/news145.jpg 大谷翔平と真美子さん、「まさかの服装」に注目 愛犬デコピンも大谷家全員で“歩く広告塔”ぶり発揮か
  9. /nl/articles/2411/20/news027.jpg 「こんなことが出来るのか」ハードオフの中古電子辞書Linux化 → “阿部寛のホームページ”にアクセス その表示速度は……「電子辞書にLinuxはロマンある」
  10. /nl/articles/2411/22/news184.jpg 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 「飼いきれなくなったからタダで持ってきなよ」と言われ飼育放棄された超大型犬を保護→ 1年後の今は…… 飼い主に聞いた
  2. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  3. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  4. まるで星空……!! ダイソーの糸を組み合わせ、ひたすら編む→完成したウットリするほど美しい模様に「キュンキュンきます」「夜雪にも見える」
  5. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  6. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  7. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  8. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  9. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  10. 中央道から「宇宙戦艦ヤマト」が見える! 驚きの写真がSNSで注目集める 「結構でかい」「どう見てもヤマト」 撮影者の心境を聞いた
先月の総合アクセスTOP10
  1. 50年前に撮った祖母の写真を、孫の写真と並べてみたら…… 面影が重なる美ぼうが「やばい」と640万再生 大バズリした投稿者に話を聞いた
  2. 「食中毒出すつもりか」 人気ラーメン店の代表が“スシローコラボ”に激怒 “チャーシュー生焼け疑惑”で苦言 運営元に話を聞いた
  3. フォロワー20万人超の32歳インフルエンサー、逝去数日前に配信番組“急きょ終了” 共演者は「今何も話せないという状態」「苦しい」
  4. 「顔が違う??」 伊藤英明、見た目が激変した近影に「どうした眉毛」「誰かとおもた…眉毛って大事」とネット仰天
  5. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  6. 星型に切った冷えピタを水に漬けたら…… 思ったのと違う“なにこれな物体”に「最初っから最後まで思い通りにならない満足感」「全部グダグダ」
  7. 「泣いても泣いても涙が」 北斗晶、“家族の死”を報告 「別れの日がこんなに急に来るなんて」
  8. ジャングルと化した廃墟を、14日間ひたすら草刈りした結果…… 現した“本当の姿”に「すごすぎてビックリ」「素晴らしい」
  9. 母親は俳優で「朝ドラのヒロイン」 “24歳の息子”がアイドルとして活躍中 「強い遺伝子を受け継いだ……」と注目集める
  10. 「幻の個体」と言われ、1匹1万円で購入した観賞魚が半年後…… 笑っちゃうほどの変化に反響→現在どうなったか飼い主に聞いた